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Trademark Appeal Case

商標不使用取消の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2005−31426(T2005−31426/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第911945号商標(以下「本件商標」という。)は、「コール」の文字を書してなり、昭和44年1月20日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、同46年7月22日に設定登録され、その後、3回にわたる商標権存続期間の更新登録、商標登録の取消し審判による確定審決の登録及び指定商品の書換登録がなされ、第3類「せっけん類,香料類,歯みがき」及び第30類「食品香料(精油のものを除く。)」を指定商品として、現に有効に存続しているものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中第3類「せっけん類」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

請求人の調査によれば、本件商標に専用使用権及び通常使用権の登録はなく、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても本件商標がその指定商品中第3類「せっけん類」について一度も使用された事実が存在しない。

これらの事実状況に関し、第1に、使用権登録の事実がないことは、甲第2号証の登録原簿の記載から明らかである。

第2に、本件商標権者のホームページを検索しても本件商標は見当たらない(甲第3号証)。よって、使用実績が存在しない蓋然性が極めて高い。

したがって、本件指定商品中第3類「せっけん類」について本件商標の登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第8号証を提出した。

(1)本件審判の請求人は、本件商標の指定商品中第3類「せっけん類」について登録の取消しを求めている。

しかしながら、本件商標は被請求人あるいは通常使用権者により、本件審判請求前3年以内に日本国内において「せっけん類」につき使用されており、現在も継続して使用されていることは明らかである。よって本件審判の請求は成り立たない。

(2)この点を証明するために、被請求人はまず乙第1号証のカタログを提出する。これは、被請求人及びその関連会社であるライオン商事株式会社によるクリーニングシステム製品のカタログであるが、裏表紙にあたる頁に「無りんコール」という商品が掲載されており、その商品包装には大きく本件商標が付されていることが見てとれる。この商品は、クリーニング店で用いるような業務用の衣料用洗剤(「粉末洗剤」)であるので、請求人が登録の取消しを求めている本件指定商品「せっけん類」に該当する商品である。

このカタログには、表紙の左下部に被請求人の代表的な商標である「LION」のロゴが付されており、また裏表紙には、被請求人であるライオン株式会社の名称が記載されている。

また同時に、乙第2号証の被請求人のグループ会社一覧に示すように、カタログには関連会社であるライオン商事株式会社の名称も記載されているが、同社は被請求人とは完全親子会社の関係にある。本件商品に関しては、両者間で契約が交わされており、被請求人はライオン商事株式会社の注文に応じて、本件商品を同社へと売渡し、これを買受けた同社が被請求人の総代理店として、本件商品の拡販に務めるものとなっている。すなわち、同社は被請求人の販売会社であり、商標に関してはこれを使用する通常使用権が当然に被請求人から与えられているものである。

このことは、乙第3号証の同社HPからも明らかで、会社の沿革として、既に昭和56年1月の段階において、「ライオン株式会社との業務提携を強化し、業務用洗剤...等のライオン株式会社業務用品の総発売元となる」ということが記載されている。被請求人であるライオン株式会社は、主として家庭用の歯磨き、歯ブラシ、石けん、洗剤、ヘアケア・スキンケア製品などの商品について需要者・取引者間に広く知られているが、この他にも化学品や業務用の商品も取扱っており、例えば業務用粉末洗剤である本件のような商品については、これをライオン株式会社製の商品として、その販売会社であるライオン商事株式会社がクリーニング店などの業者に向け販売しているのである。

したがって、本件商標は指定商品「せっけん類」の範疇である「粉末洗剤」について、被請求人が販売会社であるライオン商事株式会社を通じて、また同社が通常使用権者として使用しているものであることは明らかである。

なお、乙第1号証のカタログはその日付が「2002.11.27」と記載され、本件審判請求の登録から僅か3年以上前のものとも思われるが、このカタログ作成より後に商品内容に変更はなく、現在も引き続きこのカタログが使用されているので、これが現段階における最新版のカタログである。日付が3年の期間に入らないのは単に同じ内容のカタログが引き続き使用されているために過ぎず、このことは次に提出する取引書類との関係からも明らかなところである。

また、商品包装に付される商標は「コール」という片仮名文字の表示となっているが、これは本件商標と同一である。

(3)次に、実際に本件商品が販売されていることを示すため、取引書類として最近における商品の仕入伝票を提出する。

まず、乙第4号証は、2005年11月1日付の仕入伝票であるが、左側の品名の欄に「ムリン コール」と書かれているのが、上記カタログに記載されている本件商品「無りんコール」を指している。ここでは、同日付においてライオン商事株式会社が、合計で33ケースの本件商品を葛飾区に所在の有限会社青木商会に納入するために仕入れたことが記載されており、商品の仕入先は上に説明の通り被請求人である。

乙第5号証も同様で、2005年11月8日付において、千代田区に所在の千代田通商株式会社に納品するため(実際に商品を届けるのは群馬県に所在の有限会社クリーン機材商事)、本件商品11ケースを仕入れたことを示している。乙第6号証も、同じ日付同じ納入先であるが、こちらは50ケースと数量が多く、実際の届け先は江東区の有限会社江東機材となっている。

乙第7号証は、2005年12月6日付における仕入伝票で、こちらでは本件商品10ケースが前橋市に所在の三洋商事株式会社に納入されることが示されている。

このように、本件商品はライオン商事株式会社がその都度被請求人より仕入れたものを、顧客に仕入伝票とともに納品しているもので、その日付はいずれも本件審判請求前3年以内のものである。そして、伝票に表される「ムリン コール」が、カタログ掲載の「無りんコール」であることは、カタログに見える商品包装右上の「102625」という商品コードと、伝票中の商品コード「102625」が一致していることからも明らかである。

加えてちなみに、本件商品がライオン商事株式会社を通じて一括販売された後、さらに小売業者によって販売されているという事実もある。乙第8号証は、東ポリ株式会社という会社のオンラインショップで本件商標が販売されている例であるが、販売商品に今年の干支である戊のせっけんがあることや、「クリスマス用ガゼット:締め切り11月20日」「お正月用ガゼット締め切り12月10日」という記載があることから、これは遅くとも2005年11月20日以前の販売に係るオンラインカタログであることが見てとれる。このように派生的に実質的な商標の通常使用権者とも呼べる小売業者が本件商品を販売し、商品が流通していることは明らかであるので、ここからも本件商標がその指定商品について使用されているということが分かるのである。

(4)以上の証拠、理由により、本件商標は本件審判請求前3年以内に、被請求人、また通常使用権者であるライオン商事株式会社により、その指定商品「せっけん類」に含まれる「粉末洗剤」について使用されていることは明らかであり、使用されている商標の態様も、本件商標と同一と認められるものである。

4 当審の判断

(1)被請求人の提出した乙各号証よれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証はカタログ(写)と認められるところ、表紙に「クリーニングシステム製品ガイド」及び「LION」の表示がある。また、その裏表紙にあたる頁に「クリーニング店 店頭取扱い用品」の表題のもと、「粉末洗剤」、「無りんコール」の表示があり、その下に包装箱が現され、その箱の表面に「LION」、「ライオン」、「無りん」、「衣料用洗剤」、「コール」、「102625」、「ムリンコール」及び「5Kg」等の表示がある。更に、その頁の下部に「ライオン株式会社」及び「ライオン商事株式会社」の名称が併記されている。

イ 乙第2号証は、被請求人のホームページのグループ会社・海外事業所一覧(写)と認められるところ、国内関連会社の欄にそのうちの一としてライオン商事株式会社の名称及びその住所の記載がある。

ウ 乙第3号証は、ライオン商事株式会社のホームページ(写)と認められるところ、会社概要の表題のもと、「株主1名 ライオン株式会社」の記載、更に、会社の沿革の表題のもと、昭和56年1月に「ライオン株式会社との業務提携を強化し、業務用洗剤・・等のライオン株式会社業務用品の総発売元となる」との記載がある。

エ 乙第4号証ないし乙第7号証は、ライオン商事株式会社発行の2005年11月1日、同年11月8日及び同年12月6日付けの仕入伝票と認められるところ、何れの仕入伝票にも、商品コード欄に「102625」、品名欄に「ムリンコール」、届先欄に「アオキショウカイ」他の届け先の名称及び、数量(納品数量)欄に30等の数字の記載がある。

以上の認定事実によれば、アに示された商品「衣料用洗剤」が、エに示された仕入伝票の各年月日に、被請求人の関連会社であって、通常使用権者である「ライオン商事株式会社」から、「アオキショウカイ」他の3社に引き渡されたことが推認できる。

(2)前記(1)アないしエに表示された「コール」の文字は、書体は異なるとしても、本件商標と同一の文字からなる社会通念上同一の商標と認められる。

また、商品「衣料用洗剤」は、取消請求に係る指定商品中の「せっけん類」に含まれるものである。

(3)したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に当たる期間において、通常使用権者により取消請求に係る指定商品に含まれる「衣料用洗剤」について使用をされていたというべきである。

(4)なお、請求人は、前記3の答弁に対し何ら弁駁していない。

(5)以上のとおり、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが各指定商品についての登録商標の使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条第1項により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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