結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30237(T2006−30237/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第910617号商標(以下、「本件商標」という。)は、「LESON」の文字を書してなり、昭和44年2月24日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載の商品を指定商品として、昭和46年7月22日に設定登録、指定商品については、平成14年11月13日に、第9類「配電用又は制御用の機械器具,電線及びケーブル,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」への書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「時計付きラジオ,オーディオアンプ,ヘッドホン,オーディオスピーカーその他の電気通信機械器具及びこれらに類似する商品」ついての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、その理由を次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第4号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「時計付きラジオ,オーディオアンプ,ヘッドホン,オーディオスピーカーその他の電気通信機械器具及びこれらに類似する商品」については継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用されていない。
したがって、本件商標の指定商品中の上記商品についての登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁
ア 被請求人は、本件商標をその指定商品中「ヘッドホン」について使用していると答弁し、本件商標の使用の事実を証明するものとして、「ヘッドホン」(「CSH−50」・「ESH−66」)の写真と納品書(写)・受領書(写)を添付した「登録商標の使用説明書」を提出したが、証拠としての成立性・客観性が欠けたものであると言わざるを得ない。
イ 「ヘッドホン」の写真について
(ア)「CSH−50」の「ヘッドホン」について
ハウジングの中央部には、図形の下に「LESON」の文字を表示した略正方形の表示物が、また、その下には、「CSH−50」の文字を表示した曲線を含む長方形の表示物が貼り付けられている。
しかしながら、以下のように、不自然な点が多数存在する。
・ 略正方形の表示物において、下端面が右斜め上方に向って切断されており、そのため、「LESON」の文字のうち「ESON」の部分の下部が右斜め上方に向かって欠けている。
・ 略正方形の表示物において、右端面に白線状の余白部が残っている。
・ 曲線を含む長方形の表示物において、「CSH−50」の文字は機械で製版されたものではなく、スタンプ又は手書きのように見える。そのため、文字の大きさ、位置、書体が統一されていない。
・ 曲線を含む長方形の表示物において、内周面に下書きの跡と思しきものが残っており、そのため、ハウジングの孔にまではみ出している。
・ 曲線を含む長方形の表示物において、外周面の左側が一部欠けており、切り方がいびつである。
・ 曲線を含む長方形の表示物において、左端面がハウジングの孔の縦方向のラインに沿っていない。
(イ)「ESH−66」の「ヘッドホン」について
ハウジングの上部には、「ESH−66」の文字を表示した長方形の表示物が、また、その下には、図形の下に「LESON」の文字を表示した略正方形の表示物が貼り付けられている。
しかしながら、以下のように、不自然な点が多数存在する。
・ 長方形の表示物において、「ESH−66」の文字は機械で製版されたものではなく、スタンプ又は手書きのように見える。そのため、文字の大きさ、位置、書体が統一されていない。
・ 略正方形の表示物において、上端面が右斜め上方に向って切断されている。
・ 略正方形の表示物において、右端面に白線状の余白部が残っている。
(ウ)請求人に送達された「審判事件答弁書」の副本における写真のコピーを見ただけでも、これほど多くの不自然な点に気付くのであるから、「審判事件答弁書」の正本に貼り付けられているであろう写真の原本を見れば、より一層その不自然な点を看取できるはずである。1企業が行う作業としては非常に雑な感を払拭できず、急遽使用証拠を作成したのではないかとの疑問を抱かざるを得ない。しかも、この写真は、いつ・誰が撮影したのか不明であり、証拠力がない。
(エ)さらに、甲第1号証は、オランダのThe Audio Circuitという法人(所在地:Zesde Buitenpepers 15,5231 GD,Den Bosch,Netherlands)のサイトであり、同サイトには、Hans Stam氏が所有している「ヘッドホン」(Leson CSH−50)がイメージ画像とともに掲載されている。同氏は上記ヘッドホンをオランダ ユトレヒトのスタッフホルストで購入した後、1979年に修理をしているので、上記ヘッドホンは1979年以前に販売されたものであると推測される。甲第2号証は、上記イメージ画像の拡大コピーであり、鮮明ではないが、ハウジングの中央部の表示物は略四角形というよりは中央部全体を覆うほどの円形のもののようにも見て取れる。
そうすると、被請求人が提出した「ヘッドホン」の写真についての証拠としての成立性に加え、その「ヘッドホン」が現に販売されているものであるかどうかについても甚だ疑問である。
ウ 納品書と受領書について
取引書類として提出されたのは、わずかに平成17年11月21日付納品書と受領書各1通の写しのみである。
しかしながら、日付(平成17年11月21日)、取引先(千葉県四街道市みそら2−33−1 アイエスシー)、型名コード「CSH−50」、規格・商品名「コンデンサー ヘットホーン」等が記載されているものの、「No.」が付与されておらず、両社共に担当者等の氏名も押印もない。その他、製造者・製造年月日・製造個数も不明である。
ところで、被請求人が商品を販売したとする有限会社アイエスシーは、被請求人の関連会社であり、被請求人の取締役戸田光正が有限会社アイエスシーの代表取締役である(甲第3号証、甲第4号証)。
両社がこのような関係にあると、正規の取引をしていなくとも、取引をしているかのように装うのは至極容易である。しかも、納品書には単価は記入されているものの、金額及び合計金額が記入されておらず、支払書も領収書もないので、金銭の支払があったのかどうかも不明である。
また、「ヘッドホン」などの音響機器製品の取引にあっては、それなりの数量が製造され販売されるはずであるので、両社の関係を考えると、上記納品書と受領書のみでは、正規の取引が立証されたとは考えられない。
よって、本件商標の使用には第三者との正規の取引が立証されていない以上、商品の写真、納品書及び受領書のみで継続使用の事実を立証したことには到底なり得ない。
さらに、請求人が調査したところでは、商標の使用場所とされる被請求人の会社所在地には、会社の看板もなく、工場らしき場所も確認することはできず、かつ、人の出入りもなく、被請求人が業務を行っている状態には到底見えなかった。そのような状況にあるにもかかわらず、継続して「ヘッドホン」が製造され、商品の取引が行われているとは考えられないのである。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として登録商標の使用説明書を提出した。
(1)本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者がその指定商品中「ヘッドホン」について使用している。その事実を「登録商標の使用説明書」に従って立証する。
ア 登録商標の使用に係る商品写真
「登録商標の使用説明書」に添付の写真の商品は、「ヘッドホン」(型名コードがCSH−50とESH−66)で、これらには本件商標と同一の「LESON」の文字が鮮明に表されており、本件商標がその指定商品中「ヘッドホン」に使用されている。
イ 納品書伝票と受領書伝票
「登録商標の使用説明書」に添付の平成17年11月21日付納品書伝票は、型名コードがCSH−50とESH−66の商品(商標「LESON」が付された「ヘッドホン」)が、有限会社アイエスシーに譲渡されたことを示している。また、平成17年11月21日付受領書伝票は、型名コードがCSH−50とESH−66の商品(商標「LESON」が付された「ヘッドホン」)を、有限会社アイエスシーが11月23日に受領したことを示している。
(2)以上のとおり、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者により、指定商品中「ヘッドホン」に使用されており、本件取消請求に係る指定商品「時計付きラジオ、オーディオアンプ、ヘッドホン、オーディオスピーカーその他の電気通信機械器具及びこれらに類似する商品」について、その登録を取り消されるべきではない。
(1)被請求人の提出した証拠によれば、以下が認められる。
ア 登録商標の使用説明書に添付の上段の写真に現れた商品には、3個の円を波紋状に白抜きに描いた黒い四角形の下に「LESON」の文字が表示され、さらに、これらとは離れて「CSH−50」の文字が表示されている。また、同説明書添付の下段の写真に現れた商品には、上記と同様の図形の下に「LESON」の文字が表示され、さらに、これらとは離れて「ESH−66」の文字が表示されている。
そして、当該標章「LESON」は、上記の図形と常に不可分一体のものとして看取されるものとはいえず、独立して看取されるものであって、本件商標と同一の構成文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一と認められる商標といい得るものである。
また、上記の写真に現された商品は、「ヘッドホン」と認められ、この点については、当事者間に争いはない。しかして、「ヘッドホン」は、本件審判の取消請求に係る指定商品中「電気通信機械器具」に属する商品であること明らかである。
イ 登録商標の使用説明書に添付の納品書(控)写には、日付「平成17年11月21日」、被請求人の名称、住所・電話番号及びFAX番号が記載され、「千葉県四街道市みそら2−33−1」「アイエスシー 様」と記載されている。そして、その型名コード欄に「CSH−50」、規格・商品名欄に「コンデンサー ヘットホーン」、数量欄に「2」、単価欄に「5,200」の各記載があり、また、型名コード欄に「ESH−66」、規格・商品名欄に「エレクトレット・コンデンサー ヘットホーン」、数量欄に「2」、単価欄に「4,100」の各記載がある。そして、同使用説明書に添付の受領書写には、前記納品書(控)に記載された型名コード、規格・商品名、数量と同様の記載があり、その受領印欄には、「有限会社アイエスシー」及びその住所・電話番号及びFAX番号を表した印が押されているのが認められる。
しかして、これらによれば、前記年月日に前記アと型名コード「CSH−50」及び「ESH−66」において一致する商品「ヘッドホン」の納品があり、当該商品の受領があったと推認し得るものである。
(2)以上よりすれば、本件審判請求の登録前3年以内の前記年月日において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を表示した商品の引き渡しがあったと推認し得るというべきであり、本件商標が使用されたと認められるものである。
なお、請求人は、前記イの取引の当事者が取締役の一人を共通にする関連会社であること及び取引数量の少なさ等を挙げ、正規の取引が立証されていないという。
しかしながら、いわゆる関連会社間の取引であるとしても、また、取引数量が少ない部類のものであるとしても、それをもって、正規の取引がなされたものではないとすることはできないといわざるを得ない。
(3)以上、本件審判請求前3年以内に、商標権者が、取消請求に係る指定商品の一の「ヘッドホン」について、本件商標の使用をしたと認め得るものである。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品に使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条に照らし、その登録を取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。