Trademark Appeal Case
商標の類似性と混同の恐れ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年異議第91292号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4279696号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年10月27日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第7類「陸上の乗物用の動力機械の部品,緩衝器,ばね,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。)」を指定商品として、平成11年6月4日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
本件商標は、著名な自動車レース名を含み大会主催者等の承諾を得ていないものであり、自動車レースの信用を不当に利用しようとするものであって国際信義に反し、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であるから、商標法第4条第1項第7号及び同第19号に該当する。
また、別掲の(1)乃至(3)に示すとおりの構成よりなる商標(以下、これらを合わせて「引用商標」という。)は、申立人の業務に係る商品、役務を表示するものとして取引者、需要者の間において広く認識され、かつ、著名になっている商標であるところ、本件商標は、引用商標に類似する商標であり、かつ、本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第15号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり四角形の上段の黒塗り四角形内に「エー・アール・ティー・エー」の文字、「ARTA」の文字及び「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」の文字を三段に白抜きにて表し、下段の灰色内に「F1Project」の文字を表してなるものである。そして、該構成中の「エー・アール・ティー・エー」の文字部分及び「ARTA」の文字部分は、その下段に表された「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」の文字部分の頭文字とって構成されたものとして容易に認識されるもので、該「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」の文字部分中「AUTOBACS」の文字部分は、自動車関係の需要者の間に広く認識されているものであり、また、「AGURI」の文字部分は、元F1レーサー鈴木亜久里を表するものとして同じく広く認識されているから、「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」の文字部分は、全体として「オートバックス レーシング チーム アグリ」の称呼及び観念(レーシングチームの名称)を生ずるものというべきである。
また、本件商標構成中の「F1Project」の文字部分は、視覚的にも一体的に表されてなり、該構成文字に相応して「エフワンプロジェクト」の称呼及び観念を生ずるものであり、構成文字全体として把握、認識されるものと判断するのを相当とし、該構成中の「F1」の文字部分が独立して認識されるとみるべき特段の事由は見いだせないものである。
そうとすれば、本件商標は、全体として、「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」(「ARTA」)の「F1Project」を表したものとして把握、認識されるものというのが相当であって、本件商標の主たる要部は、「エー・アール・ティー・エー」、「ARTA」及び「AUTOBACS RACING TEAM AGURI」の各文字部分にあり、該構成中の「F1Projet」の文字部分は、記述的な表示であると理解されるものというべきである。
してみれば、本件商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、また、本件商標を指定役務について使用することが社会公共の利益、一般道徳観念に反するものではなく、他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められない。
また、申立人提出の証拠を徴するに、引用商標及び「F1」の語が取引者、需要者の間に広く認識され、かつ、著名になっていることを考慮するも、本件商標と引用商標とは、前記のとおりの構成よりなるものであり、その外観、称呼及び観念において類似するものでなく、本件商標をその指定商品について使用した場合、引用商標を想起させず、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生じさせるおそれのないものである。
さらに、本件商標は、引用商標と類似するものでなく、商標権者は、不正の目的(不正の利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他の不正の目的)をもって使用するものとは認められない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでない。
よって、結論のとおり決定する。
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