Trademark Appeal Case
称呼類似性: PBAとPPA
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−15362(T2005−15362/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「PBA」の欧文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載の商品を指定商品として、平成16年7月30日に登録出願され、その後、指定商品については、同16年8月4日及び同17年4月6日付けの手続補正書により、最終的に第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料,医療用腕環,はえ取り紙,防虫紙,乳糖,人工受精用精液」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第4782984号商標(以下「引用商標」という。)は、「PPA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成15年9月30日登録出願、第1類「化学品,植物成長調整剤類,写真材料」を指定商品として、同16年7月2日設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記1に表示するとおり、「PBA」の文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「ピービーエー」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、「PPA」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ピーピーエー」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「ピービーエー」と、引用商標より生ずる「ピーピーエー」の両称呼を比較すると、両称呼は、共に3音構成(長音を含む)からなるところ、第1音の「ピー」及び第3音の「エー」の各音を同じくし、異なるところは第2音の「ビー」と「ピー」の差異にすぎない。
しかして、「ビー」と「ピー」とは、同じ音節「ヒ」の濁音と半濁音としての差異にすぎない同じ音質のものであって、共に両唇破裂音であり母音「i」を共通にする音であることから、その語調、語感が近似し、通常の日本人にとって、両者は相紛らわしい近似した音として聴取されやすいものということができ、かつ、上記差異音は、比較的聴取し難い中間に位置する音である。
また、本願商標と引用商標のそれぞれから生ずることが明らかな「ピービーエー」と「ピーピーエー」の称呼も、語呂よくスムーズ、かつ、平坦に称呼し得るものであって、アルファベットから生ずる音であることを考慮したとしても、殊更これを区切って発音しなければならないというほどのものではなく、上記のとおり、第1音の「ピー」及び第3音の「エー」の各音を同じくし、第3音の「ビー」と「ピー」が相紛らわしい以上、これらの差異が称呼全体に及ぼす影響は少ないものというべきであって、その称呼において酷似しているものであり、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、語調、語感が相似たものとなって彼此聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。
(2)請求人は、本願商標と引用商標は、アルファベット文字3文字を平易に羅列してなるものであるから、全体を一気一連に発音されるものではなく、一文字一文字を区切って明確に発音されるから、両商標は称呼上相紛れることなく明瞭に聴別し得るものであること、及び、請求人出願の「PBAの文字を含む商標」(以下「PBA商標」という。)の商標出願において、「PBA」の部分が、引用商標と類似するとされたが、その後、登録されたので本願商標も登録されるべきである、旨主張している。
しかしながら、商標の類否判断における基準の一つとして用いられる商標の称呼は、当該商標が付された商品の取引において、取引者、需要者が当該商標をどのように称呼するのが通常であるかという観点から決せられるべきである。
そして、この観点からみた場合、商標の構成においてアルファベットが羅列してあるからといって、常に一文字一文字区切って、これから生ずる称呼を一音一音明確な意思をもって、明瞭に発音しなければならない理由は存在せず、むしろ、簡易、迅速を尊ぶ取引の実情を考えれば、これを常に一文字一文字区切って明瞭に発音する者ばかりでなく、これを一気一連に発音する者も少なくないこと、及びこれを聴取する者も慎重に注意深く聴取する者ばかりでないことは、想像をするに難くないところである。
さらに、本願商標が一音ずつ区切って発音されるものとして一般に知られているというような特別の事情も認められず、また、本願商標と引用商標のそれぞれから生ずることが明らかな「ピービーエー」と「ピーピーエー」の称呼も、殊更これを区切って発音しなければならないというほどのものではないことは、既に認定したところから明らかというべきである。
また、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かは、過去の審決例等の判断に拘束されることなく、本件の事案に即して当該出願に係る商標と特定の他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断されるべきものである。
そうすると、本願商標とその構成態様を著しく異にする請求人の出願に係るPAB商標が引用商標と類似しないとされているからといって、本願商標も引用商標と類似しないということはできない。
上記のとおり、本願商標は、引用商標と類似するものであって、このことはPAB商標の構成からなる商標が登録されていることによって左右されるものではないから、請求人の上記の主張は採用することができない。
(3)したがって、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較すべきところがないとしても、称呼において類似する商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似するものであるから結局、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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