Trademark Appeal Case
健康海藻粒の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−12152(T2005−12152/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第29類「海藻を主原料とする顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品,食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」を指定商品として、平成16年8月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、ありふれた輪郭図形と認められる長方形内に『健康海藻粒』の文字を書してなり、当該文字部分には、文字が浮き出るように影の装飾を施してるものの、普通に用いられる方法で表してなる書体、文字装飾の範囲を脱し得ないものと認められる。そして、本願商標の構成文字中『健康』の文字部分は、『身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと』の意味を、『海藻』の文字部分は、『海に生える藻類の総称』を意味を、そして『粒』の文字は、『まるくて小さいもの』を意味するものであるところ、これらを一連に表した本願商標は全体として『海藻を原材料とし粒状にした健康によい商品』であることを記述的に表したものと認識させるにとどまるから、本願商標をその指定商品中、『海藻を主原料とする顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品』に使用するときは、単に商品の原材料、形状、品質を表示すると理解するに止まり、自他商品識別の標識としては認識し得ないものといわなければならない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記指定商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、黒色横長四角形内に「健康海藻粒」の文字を横書きで白抜きにより表してなり、また、該文字には、影の装飾を配してなるところ、該影の装飾は、明確に表示されているとはいい難いから、本願商標は、一見すると、黒色横長四角形内に「健康海藻粒」の文字を横書きで白抜きにより表してなるものと認識されるものである。
そして、本願商標の構成文字は、「身体に悪いところがなく心身がすこやかなこと」を意味する「健康」の文字と、「海に生える藻類の総称」を意味する「海藻」の文字、及び、「まるくて小さいもの」を意味する「粒」の文字を組み合わせて一連に表したものと認識されるものであって、例えば、健康によい茶が「健康茶」、健康によい野菜が「健康野菜」、「健康志向の食用油」を「健康オイル」等と称し、使用されていることにより、また、表意文字である漢字で表されていることから、これに接する需要者、取引者は、構成各語の前記意味合いを直ちに理解し、指定商品との関係において、「海藻を原材料とする粒状の健康によい商品」を認識するというのが相当である。
ところで、近年、かつてないほど健康に関心が寄せられ、各種健康関連の商品が多数市場に流通するようになり、多種多様のいわゆる「健康食品」が販売されている実情がある。そして、その形状は、体内に吸収しやすくするために、粉状、液状にしたものが多く、さらに、これを摂取しやすくするために、顆粒状、錠剤状、タブレット状、カプセル状等の小さい粒状に加工したものが販売されていることは周知の事実である。
中でも、普段の食生活で十分に摂取することが困難な食物繊維やミネラルを豊富に含有する「海藻」は、いわゆる健康食品の原材料として多用されており、これらの事実は、例えば、次の(A)ないし(F)の新聞記事及びインターネットの情報によっても裏付けられるものである。
(A)1999.04.21 日本食糧新聞には、「ミネラル10種入サプリメント『Actio必須ミネラル』発売(アサヒビール薬品)」の見出しのもと「『必須ミネラル』の原料は、天然の海藻、大豆、胚芽、トウモロコシ、牛レバー、魚肝油などすべて天然素材。・・・一日の目安量は一粒。」との記載
(B)2002.11.14 日刊工業新聞 29頁には「山和エンヂ、桑の葉粉末で体質改善の健康補助食品を発売」の見出しのもと「...同社は野菜や海藻などの食素材を粉末にした栄養補助食品『天然家族』シリーズを展開。」との記載
(C)2002.12.17 日刊工業新聞 39頁には「ダングルウッド、海藻成分『フコイダン』を量産−健康食品市場に照準」の見だしのもと「・・・海藻に含まれる成分『フコイダン』の量産と加工食品開発に乗り出す。抽出率が高く低コストなフコイダンの製法を確立、健康食品市場を開拓する。・・・先行して健康食品ジャンルで数点を販売した。さらに、フコイダンを含むスープやみそ汁などの発売も予定している。」との記載
(D)2003.07.02 毎日新聞 地方版/奈良 21頁には「[イチ押し]清栄薬品『スキっと松』腸掃除の健康食品 松やにに海藻成分/奈良」の見出しのもと、「・・・松やにを主体に特殊加工を施し、海藻成分などを加えた健康食品。・・・より飲みやすくした細粒タイプを今年5月に発売開始。」との記載
(E)http://www.kenko.com/product/seibun/sei_755008.htmlのホームページには、「昆布」の見だしのもと、「7.ニッケン 根昆布粒 360粒/そのままでは、硬くて食用には適さない部分を、食べやすい錠剤にしました。」との記載、「13.クロス 根昆布粒 312g/根昆布末を飲みやすい粒状に加工した栄養補助食品です。」との記載
(F)http://www.iimonokenko.com/kenkoshokuhin/product/pf300050.htmlのホームページには「フコイダン粒」として「沖縄産のモズクから抽出したフコイダンを1日目安の8粒中に400mgと豊富に含んでいます。」との記載
以上のように、「海藻」がいわゆる健康食品の原材料として一般に使用されていること、その商品には粒状のものがあることからすると、これらを組み合わせた「海藻粒」の文字は、「海藻を原材料とした粒状の商品」であることを表したものと容易に認識、理解されるものであるといえる。
してみれば、本願商標の構成文字は、全体として「海藻を原材料とする粒状の健康によい商品」であることを記述的に表したものと認識させるにとどまるから、別掲のとおりの構成よりなる本願商標をその指定商品中、「海藻を主原料とする顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品」に使用するときは、単に商品の原材料、形状、品質を表示したものと認識されるものとみるのが相当であり、前記商品以外の商品について使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人(出願人)は、本願商標を特定の指定商品に付して使用しており、出所の混同などは特に生じていないことから、本願商標は、請求人(出願人)の商標として認識され、商標法第3条第2項に該当するに至っている旨主張し、甲第5号証及び甲第6号証を提出しているものであるが、本願商標は、前記のとおり「海藻を主原料とする顆粒状・カプセル状・錠剤状の加工食品」に使用しても自他商品の識別標識としての機能を有するものとはいえないものであるから、請求人(出願人)の主張は採用することができなく、また、その証拠は、ウェブサイトの検索結果及びgooショッピングのホームページであって、本願商標の使用は認められるとしても、本願商標が、例えば「海藻を主原料とする粒状の加工食品」に使用された結果、需要者が請求人(出願人)の業務に係る商品であることを認識することができるものであるとする証拠としては不十分であり、商標法第3条第2項に該当するものとも認められない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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