Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出と定冠詞
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−21059(T2005−21059/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、標準文字で「FLORA」の文字を書してなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成16年12月13日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第3229995号商標(以下「引用商標」という。)は、「ラ・フローラ」の文字を横書きしてなり、平成4年9月24日登録出願、第42類「飲食物の提供」を指定役務として、同8年11月29日に設定登録され、その後、同18年11月7日に商標権存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応して「フローラ」の称呼が生ずるものである。そして、「FLORA」の語及びこれより派生した外来語である「フローラ」の語が、「植物相」又は「ローマ神話の、花と春と豊穣の女神」を意味する語として、あるいは、それに因んだ商品・役務に係る表示として、我が国の取引者、需要者に相当程度親しまれていることからすれば、これより、「植物相」又は「花と春と豊穣の女神」の観念を生ずるというのが相当である。
一方、引用商標は、上記2のとおりの構成よりなるところ、その構成中、語頭部の「ラ」と「フローラ」が「・(中黒)」で区切られていること、「
フローラ」の語が前記のとおり、「植物相」又は「ローマ神話の、花と春と豊穣の女神」を意味する外来語として、あるいは、それに因んだ商品・役務に係る表示として、我が国の取引者、需要者に相当程度親しまれていること、及び、語頭部の「ラ」の文字部分は、それ自体に格別の意味合いはなく、他の語に冠してその語を特定し又は強調する仏語の定冠詞と認められることも少なくないというべきことを考慮すれば、引用商標において自他役務の識別標識としての機能を果たす部分は、後半の「フローラ」の文字部分にあるというのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字全体に相応して「ラフローラ」の一連の称呼を生ずるほかに、後半の「フローラ」の文字部分に相応して、単に「フローラ」の称呼及び「植物相」又は「花と春と豊穣の女神」の観念を生ずるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違することを考慮しても、「フローラ」の称呼を共通にし、かつ、「植物相」又は「花と春と豊穣の女神」の同一の観念を生ずる類似の商標というべきである。そして、本願商標の指定役務は引用商標の指定役務と同一又は類似のものである。
なお、請求人は、英語の定冠詞「THE」又はその表音「ザ」の付く登録商標とこれら以外の構成要素が同じ登録商標が、同一又は類似の商品・役務において併存している事例を挙げ、本願商標についても、これらと同様に、登録が認められるべき旨主張している。
しかしながら、そもそも、登録出願された商標が登録され得るものであるか否かの判断は、当該商標の全体の構成に基づいて個々の商標ごとに個別具体的に検討判断されるべきであり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断が、他の登録事例に拘束されるものではない。加えて言えば、請求人が挙げた事例は、(仏語ではなく、)英語の定冠詞等の有無に係るものであるところ、同様の事案で、これらとは反対に登録が拒絶された審決事例も相当数存在するところである(例えば、平成10年審判第5775号、平成11年異議第91278号、不服2000−3498、不服2004−3534、異議2005−90205参照)。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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