sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「保証人BANK」の結合商標の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第6号|審判不服2005−21993(T2005−21993/J1))

審判番号
不服2005−21993(T2005−21993/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「保証人BANK」
争点(論点)
結合商標の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第6号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2005−21993(T2005−21993/J1)・不服)は、本件商標「保証人BANK」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第6号への該当性が争われた事例です。主な争点は「結合商標の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は,成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は,成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「保証人BANK」の文字を標準文字で書してなり,第36類「債務の保証」を指定役務として,平成15年11月27日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由

原査定は,要旨「本願商標は,『保証債務を負う人』等の意で一般に理解されている『保証人』と,『銀行,特定のものや情報を集め必要に備えて蓄えておく機関』等の意でも用いられている『BANK(バンク)』とを『保証人BANK』の標準文字にて書してなるところ,その指定役務に使用の場合,『保証人に関する情報を集め,必要に備えて蓄えておく機関による役務の提供』程度の意味合いを容易に把握させ,結局,取引者・需要者をして,何人かの業務に係る役務であるを認識することができないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当し,前記役務以外の役務に使用の場合,役務の質に誤認を生じさせるおそれがあるから,商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定,判断して,本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は,上記1のとおり「保証人BANK」の文字を横書きしてなるところ,構成中「保証人」の漢字部分は「身元などを保証する人。保証債務を負う人。」の意味を有し(岩波書店「広辞苑」第5版「保証人」の項参照),「BANK」の欧文字部分は「特定の者や情報を集め,必要に備えて,蓄えておく機関」の意味を有する親しまれた外来語「バンク」(岩波書店「広辞苑」第5版「バンク【bank】」の項参照)に通じる英語であって,いずれも親しまれた語であるといえるものであることから,「保証人」の漢字と「BANK」の欧文字とを組み合わせたにすぎない本願商標は,取引者・需要者にとって,「身元や債務の保証人を集め,必要に備えて蓄えておく機関」程の意味合いを容易に理解,認識させるものというべきである。

そして,「保証人バンク」(「保証人バンク」の語は「保証人BANK」の同義語と認められる。)の文字が,身元や債務に関する保証人やその情報を集め,必要に備えて蓄えておく機関を表すものとして広く一般に使用されている事実を,例えば,以下の新聞記事情報(株式会社ジー・サーチの提供に係る「G−Search新聞記事情報データベース」)やインターネットのホームページ情報から,十分に裏付けられるところである。

(1)「ペルー物産展 現地の子ら支援,絵画も展示−−24日,橿原 /奈良」の見出しの下「県内外で暮らす外国人を支援する『外国人労働者奈良保証人バンク』などが24日,かしはら万葉ホール(橿原市小房町)で『ペルーの子どもたちの絵画展とペルー物産展』を開く。(中略)同バンクは92年に結成。在日外国人の保証人を引き受けるとともに,日常生活を手助けしてきた。」との記載がある。 (毎日新聞記事情報2004.10.21 地方版/奈良 21頁)

(2)「ホームレス支援の連合会発足 民間4団体,入居保証人を紹介/福岡」の見出しの下「県内でホームレス支援活動をしている四つの団体が,支援を全県的に広げるため連合会を発足させる。民間賃貸住宅に入居できるよう保証人を確保する制度を導入するなど,ホームレスからの脱却支援を手厚く進めるのがねらい。(中略)独自に『県ホームレス自立支援保証人バンク』を立ち上げ,民間の賃貸住宅に入居する際に保証人となるボランティアを確保。ホームレスの自立を促しながら,家賃が未払いになった場合はバンクが保証するシステムを構築する。」との記事がある。(朝日新聞記事情報2004.02.13 西部地方版/福岡 31頁)

(3)「きずな活動案内」中に「保証人バンク 私たちの活動の一つに『保証人バンク』があります。これは,生活に困窮している方がアパート等の契約をおこなう際に必要な連帯保証人を提供する事業です。」との記載がある。(http://www.geocities.jp/sls_kizuna/kizuna.htm)

(4)「活動内容のご紹介」中に「『もやい』の最大の事業としては『保証人バンク』。ホームレスであったり外国人労働者であったりDV被害者であったり,自立のためにアパートを借りるにあたって,障害になるのが保証人問題だ。社会的に孤立したり,身を隠しながら生活しなければならない人たちにとって,就職が見つかったり,まとまったお金が貯まったとしても,保証人がいないことで諦めなくてはならなくなる。そんな人達が会費制で互助会に入り,保証人バンク登録者の中から保証人になってもらえる。入居後,年4回郵送で安否を確認。保証人に登録している人達は今5・6名,600名ほどの保証人になっている。」との記載がある。(http://www.bikoh.biz/archives/2005/04/npo.html)

(5)「会報 おにぎり」に「『保証人バンク』はこうしてできた 福岡おにぎりの会のなかに保証人バンクを開設しました。ホームレスの人たちが自らの意志と力で生活を立て直し,新しい一歩を踏み出すために住居を借りようとする時,賃貸契約の保証人が必要となります。しかし多くの人との関係性を断っている彼らには保証人となってくれる人がなく,せっかくの自立の意志が疎外されることは容易に想像できます。その保証人となることによって,ホームレスの自立支援に関わろうとするものです。」との記載がある。(http://www7a.biglobe.ne.jp/~nfc/kaiho6.pdf)

してみれば,「保証人BANK」の文字からなる本願商標をその指定役務に使用しても,これに接する需要者は,「保証人や保証人に関する情報を集め,必要に備えて蓄えておく機関」程度の意味合いを認識するにすぎず,需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができないものであり,また,前記の役務以外の役務に使用するときは,その役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって,本願商標が,商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことができない。

なお,請求人は,登録例を挙げて本願商標も登録されるべき旨述べるところがあるが,それらは,商標の具体的構成等の点において,本件とは事案を異にするものであり,本願商標については前記のように判断すべきものであるから,当該請求人の主張は,採用することができない。

よって,結論のとおり審決する。

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