Trademark Appeal Case
著名人略称と商標類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年異議第91721号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4142729号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年3月13日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年5月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立の理由
本件商標は、他人の名声を利用し自己の利益を得ようとする不正競争行為であり、公正な競争に基づく秩序を目指す商標法の精神に反すもので、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標であり、かつ、他人の名称の著名な略称を含む商標であるから、商標法第4条第1項第7号及び同第8号に該当する。
また、本件商標は、昭和38年2月4日に商標登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和40年4月12日に設定登録されている登録第673178号商標、昭和38年2月4日に商標登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和40年4月12日に設定登録されている登録第673179号商標、昭和44年7月8日に商標登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和47年1月14日に設定登録、その後、指定商品については、商標登録の取消審判により、その指定商品中の「写真」についての登録を取り消す旨の審決がなされ、その確定審決の登録が平成11年5月26日になされている登録第944088号商標、平成4年9月30日に特例商標として登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年10月31日に設定登録されている登録第3091527号商標、平成4年9月30日に特例商標として登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成7年10月31日に設定登録されている登録第3091528号商標、平成4年9月30日に登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成8年3月29日に設定登録されている登録第3138449号商標及び平成4年9月30日に特例商標として登録出願され、別紙に示すとおりの構成よりなり、第41類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として平成8年7月31日に設定登録されている登録第3174259号商標(以下、引用に係る商標を一括して「引用商標」という。)と類似する商標であって、引用に係る指定商品及び指定役務と同一又は類似する商品について使用するものであるから、同法第4条第1項第11号に該当する。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別紙に示すとおりの構成よりなるところ、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものではなく、また、本件商標を指定商品について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものではなく、他の法律によってその使用が禁止されているものとは認められない。
さらに、申立人の提出に係る証拠を検討し、かつ、職権をもって調査したが、本件商標は、他人の名称の略称であって著名な略称を含む商標に該当するものとは認められない。
また、本件商標と引用商標とは、別紙に示すとおりの構成よりなるところ、その外観、称呼及び観念のいずれからしても類似しない商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号、同第8号、及び同第11号に違反して登録されたものではない。
なお、申立人提出の各証拠を徴するに、「Dale Carnegie」「DALE CARNEGIE」は、1995年に死去しており、当該者が著作した書籍日本語訳「人を動かす」が需要者に広く知られ、同氏が著名な人物の一人であるとしても、このことをもって、申立人の名称及びその略称が著名な名称及び著名な略称として需要者に広く認識されていることの証左とは認められない。
そして、「Dale Carnegie Course(デール カーネギーコース)」「Dale Carnegie Sales Course(デールカーネギーセールズコース」等の「Dale Carnegie(デールカーネギー)」の名称を冠した講座が設けられていることはパンフレットより認められるが、該「Dale Carnegie(デール カーネギー)」が役務の商標として把握、認識され、かつ、著名になっているものということはできない。
また、アメリカ合衆国における保健教育省による指定された団体である継続的教育の訓練のための推薦審議会によって許可されていることをもって、「Dale Carnegie(デールカーネギー)」が申立人の名称の略称であって、著名な略称であると認めることはできない。
さらに、「カーネギー(Carnegie)」の語に接する場合、一般には「カーネギー財団」、「カーネギーホール」鉄鋼王「アンドリュ・カーネギー」を想起させるとみるのが自然であり、「Dale Carnegie(デール カーネギー)」の著作物の紹介、「著作者名」、「書籍の題号」などの表示、記載において「D.Carnegie(D.カーネギー)」、「Carnegie(カーネギー)」の記載があるからといって、このことをもって、「Carnegie(カーネギー)」が「Dale Carnegie(デールカーギー)」の略称であるということはできず、かつ、著名な略称であるとは到底言い得ないものであり、当然、申立人の名称の略称であって、かつ、著名な略称と認めることはできない。
そして、引用商標を構成する「Dale Carnegie」、「DALE CARNEGIE」及び「デール・カーネギー」の文字部分は「デール カーネギー」の称呼を生じ、引用商標構成中の後半の「Carnegie」、「CARNEGIE」及び「カーネギー」の文字部分が独立して認識され、該文字部分に相応して生ずる「カーネギー」の称呼をもって取引に当たると認め得る証左は見いだせず、引用商標から、単に「カーネギー」の称呼を生ずるものということはできない。
その他、本件商標の登録を取り消すべき理由及び証拠は、発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
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