Trademark Appeal Case
「黒」の識別力と品質表示
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90021(T2003−90021/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4612886号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成13年2月8日に登録出願され、第33類「しょうちゅう」を指定商品として、平成14年10月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
本件商標は、毛筆風に書してなる「黒」の漢字を普通に用いられる方法で表示してなるものであって、指定商品に係る「しょうちゅう」においては、「黒」の語が「黒麹」の略語を意味し、「黒麹を用いて醸造したもの」として一般に使用されているものであるため、本件商標に係る指定商品「しょうちゅう」に使用しても「黒麹」を用いて醸造した商品の品質を表示するにすきず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ない。また、該黒麹を用いて醸造した商品以外の商品に使用するときには、商品の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
3 当審の判断
本件商標は、別掲のとおり、「黒」の文字を特異な毛筆体で書してなるものであるところ、申立人の提出に係る甲各号証をみるに、「しょうちゅう」の原材料、製造方法及び品質等を表すために使用されている表示は、「黒麹」又は「黒麹仕込み」等であって、「黒」の語が「しょうちゅう」の原材料、品質等を直接に表示して使用されていると認めるに足りる証拠は殆ど見当らない。また、甲各号証は、甲第5号証及び甲第9号証を除き、本件商標の拒絶査定不服審判(審判2001−14300号)の審決後のものか、あるいは発行日が不明のものも多い。
そうすると、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の指定商品を取り扱う分野において、本件商標の審決時にすでに、「黒」の語が「黒麹」の略称として、商品の品質を表示するためのものとして、普通に使用されていたものと認めることは困難であるといわざるを得ない。
してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても商品の品質を直接的、かつ、具体的に表すものとは認めがたいところであり、また、本件商標を構成する文字は、別掲のとおり毛筆風に書され、その書体に特異性があることも相俟って、これに接する取引者、需要者は、該文字より、商品の品質を表したものとは、理解、認識し得ないというのが相当である。
そうすると、本件商標は、その指定商品に使用しても、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また、商品の品質について誤認を生ずるおそれもないものというべきである。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。