Trademark Appeal Case
記号図形の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90328(T2006−90328/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第4942731号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成15年5月30日に登録出願、第14類「時計」を指定商品として、同18年4月7日に設定登録されたものである。
第2 引用商標
登録異議の申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第1394700号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和50年6月13日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年10月30日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録が2回にわたりなされているものである。同じく、登録第3357045号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成6年11月29日に登録出願、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同9年11月7日に設定登録されたものである。
第3 登録異議の申立ての理由の要点
申立人は要旨以下のように主張し、証拠方法として、甲第1号証ないし同第7号証を提出している。
本件商標は、一段目に「Φ」、二段目、三段目にそれぞれ「Furbo」、「design」と表記されているが、文字間隔はそれぞれ相当離れており、「Φ」は他の文字と比べ特に大きく表記されていることから、文字通り「ファイ/フルボ/デザイン」の称呼が生ずる他に単独で「ファイ」の称呼が生ずる。
一方、引用商標1及び引用商標2に共通する「Φ」は多少変形されているものの、ギリシャ文字を構成する下部の横線が多少長いにすぎず、「Φ」と認識できないほど図案化されているとはいい難いので、単独で「ファイ」の称呼が生ずると考えるのが適切である。したがって、商標中「Φ」の文字を含み、「ファイ」の称呼を生ずる両商標は互いに類似するといえる。
ちなみに、この「Φ」は、1964年に「均衡と調和の美」を示すブランドシンボルとして採用されて以来、今日までの40年間、機能美と美しいデザインを追求する「BAUME & MERCIER」のシンボルマークとして腕時計の文字盤やケースに付され、販売者・需要者に広く知られるようになっている。
したがって、本件商標と引用商標は、外観・観念を論ずるまでもなく、称呼上類似する点において商標法第4条第1項第11号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
第4 当審の判断
1 本件商標について
本件商標は、別掲(1)に示したとおり、図形を上部に配し、そのやや離れた下部に「Furbo」と「design」の両文字を二段に表してなるものであって、その構成よりすると、図形部分のみでも独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものと認められる。
そして、本件商標の図形部分(以下「本件図形」という。)は、ギリシャ文字の「Φ」状の図形で、上部と下部の中央部付近が細線となる楕円図形を表し、その中心部を縦に貫通するように、上部と下部の外側に行くにつれて徐々に細くなるごく短い横線を有する縦線を配してなるものである。
2 引用商標1及び引用商標2について
引用商標1は、別掲(2)のとおり、太い線で描かれた縦線と、縦線の約2分の1の長さの横線を縦線の上端部に、縦線の約2倍の長さの横線を縦線の下端部に配してなる図形を表し、上部と下部の中央部付近がやや細線となる楕円図形を表し、その中心部を縦線が貫通するように縦線の中央部に配してなるものである。
また、引用商標2は、上記別掲(3)のとおり、引用商標1と同様の図形(以下「引用図形」という。)のすぐ下に「BAUME & MERCIER」(「&」を介した語頭の「B」と「M」の文字が他の文字よりやや大きく表されている。)の文字を配してなるものであって、その構成よりすると、図形部分と文字部分がそれぞれ独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえるものである。
そして、引用図形は、太い線で描かれた縦線と、縦線の約2分の1の長さの横線を縦線の上端部に、縦線の約2倍の長さの横線を縦線の下端部に配してなる図形を表し、上部と下部の中央部付近がやや細線となる楕円図形を表し、その中心部を縦線が貫通するように縦線の中央部に配してなる特異な幾何図形であって、これよりは、直ちに特定の称呼及び観念を生じないというべきである。
3 本件商標と引用商標1及び引用商標2との対比
(1)本件図形と引用図形の外観について
本件図形と引用図形とを対比すると、本件図形は、楕円と縦線とを組み合わせた上下、左右とも対称の図形よりなるものであって、丸みを帯びた柔らかい図形よりなるものという印象を受けるのに対し、引用図形は、縦線の両端に極めて長い横線と短い横線とを配した図形に、楕円図形を配した左右対称の図形よりなるものであって、どっしりした重みのある安定した図形よりなるものという印象を受けるものである。
そうすると、本件図形と引用図形は、両者の細部の構成及び全体の構成から受ける上記印象からすると、両図形は、これを時と所を異にして離隔的に観察しても、見誤るおそれのない別異の図形と認識されるものであって、外観において明瞭に区別し得るものといわなければならない。
他に、両図形が外観において彼此混同を生ずるとみなければならない理由も見いだせない。
してみれば、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、外観において類似するものではないといわなければならない。
(2)本件図形と引用図形の称呼、観念について
引用図形は、縦線の両端に極めて長い横線と短い横線とを配した図形に、楕円図形を配した左右対称の図形よりなるものであって、どっしりした重みのある安定した特異な図形といえるものであるから、かかる特異な図形よりは、直ちに特定の称呼、観念を生ずるものとはいえないというのが相当である。
そうすると、引用商標1及び引用商標2は、その「引用図形」より「ファイ」の称呼、観念を生ずるとはいえないものである。
してみれば、仮に本件図形より「ファイ」の称呼、観念を生ずるとしても、本件商標と引用商標1とは、称呼及び観念において比較することができないものであり、また、引用商標2とは、その構成中、文字部分の対比によれば、称呼において、明らかに聴別できるものであり、観念においては、共に造語と認められることから比較することはできないものである。
4 まとめ
本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、別掲(1)ないし別掲(3)のとおり、その外観において、明らかに区別し得るものであり、称呼及び観念においても、比較することができないものであるから、本件商標と引用商標1及び引用商標2とは、外観、称呼及び観念の相違する誤認混同をしない非類似の商標というべきである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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