Trademark Appeal Case
称呼の要部抽出の可否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90377(T2006−90377/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4950531号商標(以下「本件商標」という。)は、「マグナムイフリート」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成17年10月13日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年5月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人ハイーテック・スポーツ・ピー・エル・シー(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由として引用する登録第4880985号商標は、「MAGNUM」の欧文字を標準文字で表してなり、平成16年7月12日に登録出願、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年7月15日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標構成中の「マグナム」の語は、英語の「MAGNUM」を指す馴染みのある語であるのに対し、「イフリート」は一般に馴染みのある語とはいえないから、本件商標は、「マグナム」と「イフリート」に分断されやすいものである。また、全体の称呼も9音であり、一連一気に称呼するにはあまりにも冗長であり、本件商標を全体として一連一体にのみ称呼されるべき特段の事情も存在しない。
したがって、本件商標は、「マグナムイフリート」の称呼の他に「マグナム」の称呼も生じるものである。
一方、引用商標は、「MAGNUM」の文字からなるものであるから、これより「マグナム」の称呼が生じるのは明らかである。
したがって、本件商標と引用商標とは、「マグナム」の称呼を共通にし、かつ、両者の指定商品も同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、スカッシュ専門シューズで大成功を収め現在もスカッシュの世界では最も名の知れたブランドの一つとなっているところ(甲第3号証)、引用商標は、特に、コンバットブーツのブランドとして世界各国で広く知られているものである(甲第4号証及び甲第5号証)。
我が国においても、引用商標を付したブーツは約8年程前から販売された結果、少なくとも本件商標の出願日には、需要者の間で広く認識されていたものであり、インターネット検索エンジンGoogleによれば、約2万4千件ものページが検索される(甲第6号証)。そして、本件商標の指定商品中には「コンバットブーツ」と密接に関連する「運動用具」を含むものである。
したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、構成各文字は、同書、同大、同間隔をもって外観上まとまりよく一体的に表現されており、「マグナム」の文字部分と「イフリート」の文字部分との間に特に軽重の差は認められない。そして、これより生ずる「マグナムイフリート」の称呼もよどみなく一気一連に称呼し得るものであって、他に構成中の「マグナム」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって不可分一体の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であり、該構成文字全体に相応して「マグナムイフリート」の称呼のみを生ずるものであって、単に「マグナム」の称呼が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「マグナム」の称呼をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用商標とが該称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものである。加えて、申立人は、引用商標の周知・著名性を証明するものとしてカタログと関連ウェブサイトの写しを提出しているが、これらの証拠によれば、引用商標が「コンバットブーツ」の商標として使用されていた事実は認められるにしても、引用商標に係る商品の販売数量、売上高、広告宣伝の状況等、引用商標の周知・著名性を具体的に裏付ける証拠が何ら提出されていないため、申立人の提出に係る証拠をもってしては、本件商標の登録出願時において、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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