Trademark Appeal Case
接頭語Qの有無と称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90378(T2006−90378/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4950715号商標(以下「本件商標」という。)は、「キューライオン」の片仮名文字と「Q−LION」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成17年7月13日に登録出願、第3類、第5類、第10類、第16類、第20類、第21類、第29類、第30類及び第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年3月23日に登録査定、同年5月12日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)引用商標
登録異議申立人株式会社ライオン事務機(以下「申立人」という。)が本件商標についての取消理由として引用する登録第1738746号商標は、「ライオン」の片仮名文字と「LION」の欧文字とを二段に横書きしてなり、昭和55年7月15日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同60年1月23日に設定登録されたものであり、指定商品については、その後、平成17年10月19日に指定商品の書換登録により、第6類、第7類、第8類、第9類、第11類、第12類、第15類、第16類、第17類、第19類、第20類、第21類、第26類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品となっている。
また、申立人は、その外に、別掲(1)ないし(11)に示したとおりの11件の登録商標を引用している(以下、上記商標を含めて、これらの商標をまとめて「引用各商標」という。)。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成態様からみて、「Q−LION」が主体となり、「キューライオン」は、その読み方を示す付記的部分であるといえる。そして、「Q−LION」の文字は、特定の意味を生ずる熟語ではなく、「Q」の文字と「LION」の文字との間は、ハイフンにより分離されている。また、アルファベットの一字は、商品の品質、等級、規格等を表わす記号として取引上一般に使用されているものであり、しかも、「LION」は、国民に親しまれた動物であって識別力の強いものである。
そうすると、「Q」の文字は、「LION」に付記した商品の品質、等級、規格等を表わす付記的部分であって、自他商品の識別機能を果たす部分は「LION」の部分にあるといえる。
したがって、本件商標に接する需要者は、「LION」の文字部分を主要部とみて、この部分から「ライオン」とのみ称呼、観念する場合もあるものというべきである。
一方、引用各商標は、何れも「ライオン」の称呼及び観念を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、「ライオン」の称呼、観念を共通にし、かつ、両者の指定商品も同一又は類似のものである。
(3)商標法第4条第1項第15号について
申立人は、明治時代より文房具類に関して「ライオンマーク」を使用し、現在では多くの「ライオン」関係の登録商標を有している。引用商標の中には「日本国周知・著名商標」に掲載されているものもあり、「文房具類」の商品分野にあっては、我が国において周知・著名な商標であることは、顕著な事実である。
これに対し、本件商標が「キューライオン」とのみ一連に称呼されるとしても、本件商標が文房具類に使用されたときは、構成中の「LION」部分の「ライオン」の称呼・観念が取引者及び需要者の注意を特に強く引き、申立人又は申立人と営業上の関係を有する営業主の業務に係る商品の如く、出所の混同を生ずるおそれが十分存する。
したがって、本件商標をその指定商品に使用した場合には、申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある。
(4)以上のとおり、本件商標は、その指定商品中の第10類「業務用美容マッサージ器,医療用機械器具,しびん,病人用便器」、第16類「製図用具,紙製包装用容器,型紙,紙製テーブルクロス,紙類,文房具類」及び第20類「巣箱,美容院・理髪店用いす,プラスチック製きょう木,プラスチック製包装用葉,コルク製栓,プラスチック製栓,プラスチック製ふた,木製栓,木製ふた,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く),家庭用水槽(金属製又は石製のものを除く),工具箱(金属製のものを除く),家具,屋内用ブラインド,つい立て,ベンチ,木製又はプラスチック製の看板,揺りかご,幼児用歩行器,スリーピングバッグ」について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記したとおりの構成からなるところ、これを構成する片仮名文字及び欧文字の各構成文字は、いずれも同書、同大に外観上まとまりよく一体的に表現されており、これより生ずる「キューライオン」の称呼もよどみなく一連に称呼し得るものである。そして、たとえ、構成中の「Q」の文字部分が商品の品質、等級、規格等を表わす記号として使用される場合があるとしても、かかる構成においては、特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然である。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字全体に相応して「キューライオン」の称呼のみを生ずるものであって、単に「ライオン」の称呼・観念が生ずることはないものといわなければならない。
してみれば、本件商標から単に「ライオン」の称呼・観念をも生ずるものとし、そのうえで、本件商標と引用各商標とが称呼及び観念において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標と引用各商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
上記したとおり、本件商標と引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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