Trademark Appeal Case
複合商標の称呼一体性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90381(T2006−90381/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4951859号商標(以下「本件商標」という。)は,「apart by lowrys」の文字を横書きしてなり,平成17年10月12日に登録出願,第18類,第24類及び第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同18年5月12日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2013722号商標は,「Apart」の文字を横書きしてなり,昭和61年4月7日に登録出願,第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同63年1月26日に設定登録,その後,平成9年8月26日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく,登録第2024873号商標は,「Apart」の文字を横書きしてなり,昭和61年4月7日に登録出願,第17類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同63年2月22日に設定登録,その後,平成10年3月17日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく,登録第2083179号商標は,「Apart」の文字を横書きしてなり,昭和61年4月7日に登録出願,第22類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同63年10月26日に設定登録,その後,平成10年6月2日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく,登録第2128601号商標は,「Apart」の文字を横書きしてなり,昭和61年4月7日に登録出願,第26類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,平成元年4月28日に設定登録,その後,同10年12月1日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。
同じく,登録第4701636号商標は,「APART」の文字を標準文字により表してなり,平成14年12月6日に登録出願,第14類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として,同15年8月15日に設定登録されたものである。
以下,これらをまとめて「引用商標」という。
3 登録異議の申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは,称呼上類似するものであり,本件商標の指定商品は,引用商標の指定商品と同一又は類似のものを含むものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)申立人は,1975年に西ドイツにおいて,被服の通信販売について「APART」の商標(以下「引用使用商標」という。)の使用を開始して以来,現在までその使用を継続しており,引用使用商標は,被服をはじめ,日常品,特に女性が頻繁に使用する商品について,遅くとも,本件商標の登録出願時には,我が国において,その称呼「アパート」と共に著名な商標となっている。
そして,本件商標は,引用使用商標と称呼上類似するものであり,本件商標の指定商品の中には,引用使用商標の顧客と同じ女性向けの商品も少なくないから,本件商標をその指定商品に使用すると商品の出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当する。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標との類否について検討するに,本件商標は,上記1のとおり,同じ書体,同じ大きさの文字を外観上まとまりよく一体に表してなり,これより生ずると認められる「アパートバイローリーズ」の称呼も,冗長というほどのものでなく,よどみなく,一気一連に称呼し得るものであるり,「apart」又は「lowrys」の文字部分のみを分離抽出して観察すべき格別の理由は,見いだし難いものであるから,かかる構成においては,本件商標は,全体として一体不可分の一種の造語として,認識し,把握され,「アパートバイローリーズ」の一連の称呼のみを生ずるものというのが相当である。
他方,引用商標は,それぞれの構成文字に照応して,いずれも「アパート」の称呼を生ずるものである。
そして,本件商標から生ずる「アパートバイローリーズ」の称呼と引用商標から生ずる「アパート」の称呼とは,構成音数を異にするばかりでなく,「バイローリーズ」の音の有無という顕著な差異により,明らかに区別し得るものである。
そして,本件商標と引用商標とは,それぞれの構成に照らして,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,また,本件商標は,親しまれた既成の観念を有する成語を表したものといえないから,観念上引用商標と比較すべくもない。
してみれば,本件商標と引用商標とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点から見ても,何ら相紛れるおそれのない,非類似の商標といわざるを得ない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第10号について
申立人は,「APART」の文字からなる引用使用商標が被服をはじめ,日常品,特に女性が頻繁に使用する商品について,我が国において,需要者間に広く認識されているとして,証拠を提出している。
しかしながら,提出された証拠によっては,引用使用商標が使用されていることが認められるとしても,その使用の期間・規模,宣伝広告の事実・規模,売上高,市場占有率等が明らかでなく,引用使用商標が我が国の取引者,需要者間において,申立人の業務に係る商品について使用する商標として,広く認識されているものということはできない。
また,引用使用商標と引用商標とは,社会通念上同一といい得るものであり,上記(1)認定のとおり,本件商標と引用商標とは,相紛れるおそれのない,非類似の商標である。
してみれば,引用使用商標が使用されている被服等の商品が本件商標の指定商品に含まれているとしても,本件商標をその指定商品に使用した場合に,これに接する取引者,需要者が引用使用商標又は申立人を連想,想起することはないというべきであり,商品の出所について混同を生ずるおそれもないというのが相当である。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。
(3)結び
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び第10号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
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