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Trademark Appeal Case

複合商標の称呼・観念の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90384(T2006−90384/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4952473号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4952473号商標(以下「本件商標」という。)は,「カクテルパラダイス」の文字を標準文字により表してなり,平成17年4月26日に登録出願,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,同18年5月12日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2034411号商標(以下「引用商標1」という。)は,「PARADIS」の文字を横書きしてなり,昭和54年5月21日に登録出願,第28類「コニヤツクブランデー,その他本類に属する商品」を指定商品として,同63年3月30日に設定登録,その後,平成10年2月24日に商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

同じく,登録第1363105号商標(以下「引用商標2」という。)は,「パラディ」の文字を横書きしてなり,昭和50年4月14日に登録出願,第28類「酒類(薬用酒を除く)」を指定商品として,同53年12月22日に設定登録,その後,平成元年1月27日及び同11年1月26日の二回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

3 登録異議の申立ての理由の要点

(1)本件商標は,申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者,需要者の間に広く認識されている引用商標1と称呼及び観念上類似するものであり,また,引用商標2とは,観念上類似する商標であって,同一又は類似の商品について使用をするものであるから,本件商標は,商標法第4条第1項第10号及び同第11号に該当する。

(2)申立人の業務に係る商品「ブランデー,コニャック」等の酒類に使用される著名な引用商標1及び2と類似する本件商標が,引用各商標の指定商品と高い関連性を有する本件商標の指定商品に使用された場合には,商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当する。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第10号及び同第11号について

本件商標と引用商標1及び2との類否について検討するに,本件商標は,上記1のとおり,同じ書体,同じ大きさの文字を等間隔で外観上まとまりよく一体に表してなるものであり,これより生ずる「カクテルパラダイス」の称呼も冗長というほどのものでなく,よどみなく,一気一連に称呼し得るものである。

そして,その構成中の「カクテル」の文字は,「2種類以上のアルコール又はソフトドリンクを混ぜ合わせたもの」,「ある酒に別の酒を混ぜたり,何かを加えて新しい味を創作した飲み物」を意味する場合があるとしても,例えば,岩波書店発行「広辞苑第5版」によれば,「いろいろなものを混ぜあわせたもの。『フルーツカクテル』『カクテル光線』」,「オードブルの一種。カキ・エビ・カニなどをカクテルソースで和え,カクテルグラスに盛り冷やして供する。コクテール。」の意味をも有する語であり,「パラダイス」の文字は,「エデンの園。天国。また,悩みや苦しみのない楽しい所。楽園。」を意味する語として一般に親しまれているものである。

そうすると,本件商標は,全体として「カクテルの天国,カクテルのある楽しい所」ほどの意味合いを暗示ないしは想起させる一種の造語として認識し,把握されると見るのが自然である。

他方,引用商標1は,英語にはない語であるばかりでなく,「パラディ」と発音されるフランス語であって,「天国,エデンの園」等の意味を有する語であるから,「パラディ」の称呼を生ずるものともいえるが,我が国において最も普及している外国語は,英語であるところから,引用商標1が英語風に発音される場合があることは,あながち否定できないところ,その場合にあっては,「パラディス」と称呼されるといえるものである。

また,引用商標2は,その構成文字に相応して,「パラディ」の称呼を生ずることが明らかであり,「天国,エデンの園」の観念を有するものといえるものである。

そして,本件商標から生ずる「カクテルパラダイス」の称呼と引用商標1及び引用商標2から生ずる「パラディ」の称呼並びに引用商標1から生ずる「パラディス」の称呼とは,構成音数が大きく異なるばかりでなく,「カクテル」の音の有無という顕著な差異,及び,「ダイス」と「ディ」又は「ディス」の音の差異により,明瞭に聴別し得るものである。

また,本件商標と引用商標1及び2とは,それぞれの構成に照らし,外観上判然と区別し得る差異を有するものであり,さらに,それぞれの上記意味合いに照らして,観念上も明白に区別することができるものである。

してみれば,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,その外観,称呼及び観念のいずれの点から見ても,何ら相紛れるおそれのない,非類似の商標といわなければならない。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第11号及び同第10号のいずれにも該当するものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る証拠によれば,「HENNESSY」及び「ヘネシー」の商標は,本件商標の登録出願時には,既に申立人の業務に係るブランデー,コニャックについて使用する商標として,我が国において,取引者,需要者間に広く認識されていたものといえる。

しかしながら,引用商標1及び引用商標2は,常に,申立人の主たるブランドである「HENNESSY」又は「ヘネシー」と共に使用されており,それが単独で用いられることは,ほとんどなく,その使用に係る商品の多くは,「ヘネシーパラディ」,「ヘネシーのパラディ」のごとく称して取引されているものである。

そうすると,引用商標1及び引用商標2は,取引者,需要者間にある程度知られているとしても,「HENNESSY」及び「ヘネシー」の商標に比べ,その周知性の度合いは,低いものというべきである。

加えて,本件商標と引用商標1及び引用商標2とは,相紛れるおそれのない,非類似の商標である。

してみれば,本件商標をその指定商品に使用しても,これに接する取引者,需要者が引用商標1及び引用商標2又は申立人を連想,想起するようなことはないというべきであり,該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。

したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当するものでもない。

(3)結び

以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第10号,同第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから,同法第43条の3第4項の規定に基づき,その登録を維持すべきものである。

よって,結論のとおり決定する。

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