Trademark Appeal Case
称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90416(T2006−90416/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4956849号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年9月30日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年6月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下(ア)及び(イ)に示す登録第1395506号商標(以下「引用商標1」という。)及び登録第1445349号商標(以下「引用商標2」という。)と「ピアジェ」の称呼を同一にする類似の商標であって、本件商標の指定商品中の「つけづめ,つけまつげ」は、引用商標1の指定商品中の「化粧用具」と、また、引用商標2の指定商品中の「携帯用化粧道具入」と同一又は類似の商品であるから、本件商標の登録は、その指定商品中「つけづめ,つけまつげ」について、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(ア)引用商標1は、「ピアジエ」の文字を横書きしてなり、昭和47年3月7日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和54年10月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(イ)引用商標2は、「PIAGET」の文字を横書きしてなり、昭和49年2月18日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和55年11月28日に設定登録され、その後、平成12年9月6日に、指定商品を第6類、第14類、第18類、第21類、第25類及び第26類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
「PIAGET」の文字よりなる商標(以下「申立人商標」という。)は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の業務に係る高級腕時計及びジュエリーについて、1874年の創業以来使用され、1950年代にはその名声が確立された。
申立人商標を使用した上記商品は、わが国では、昭和35年ころから販売が開始され、積極的に宣伝、広告をした結果、申立人商標及びその片仮名表記である「ピアジェ」は、申立人の上記商品を表示するものとして、本件商標の登録出願前までに、わが国の需要者の間に広く知られることとなった(甲第1号証)。
本件商標は、申立人商標と称呼を同一にするものであり、企業の多角経営化が拡大している状況にあることを考慮すれば、本件商標をその指定商品について使用すれば、該商品が申立人の業務に係る商品であると誤認、混同を生じるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中の欧文字部分は、わが国において親しまれた語ではなく、造語と理解されるから、その上段に書された片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定したものと理解されるというのが相当である。
そうすると、本件商標は、構成全体として、「パイアージュ」の称呼のみを生ずる造語よりなる商標といわなければならない。
これに対して、引用商標1は、前記のとおり、「ピアジエ」の文字を書してなるものであるから、これより「ピアジエ」若しくは「ピアジェ」の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、特定の観念を生じない造語よりなるものと認められる。また、引用商標2は、前記のとおり、「PIAGET」の文字を書してなるものであるから、これより「ピアジェ」の称呼を生ずるものとみるのが相当であり、特定の観念を生じない造語よりなるものと認められる。
してみると、本件商標より生ずる「パイアージュ」の称呼と、引用商標1より生ずる「ピアジエ」若しくは「ピアジェ」の称呼及び引用商標2より生ずる「ピアジェ」の称呼は、構成する音数の差、各音の音質の差等により、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、互いに紛れるおそれはないものというべきである。
また、本件商標と各引用商標は、別掲(1)又は前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上明らかに区別し得るものである。
さらに、本件商標と各引用商標は、前記認定のとおり、いずれも造語よりなるものであるから、観念上比較することはできない。
したがって、本件商標と各引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
甲第1号証によれば、別掲(2)の構成よりなる申立人商標は、申立人の業務に係る商品「装飾用時計」等について使用され、「(甲第1号証における)本願商標の商標登録出願がなされた昭和46年9月6日以前より、装飾用時計に興味を有する階層の人々に周知著名となっていた」ことが認められる。
しかしながら、前記(1)で認定したとおり、本件商標は、各引用商標と非類似の商標であるから、申立人商標及びその片仮名表記である「ピアジェ」とも非類似の商標ということができる。
加えて、本件商標の指定商品は、せっけん類、化粧品等の化学製品や研磨材、あるいは「つけづめ,つけまつげ」等、一般の消費者を主たる需要者とし、日常的に使用される商品であって、申立人商標が使用される商品「装飾用時計」等とは、商品の品質、用途、原材料等を著しく異にするばかりでなく、生産者、販売場所、取引系統、需要者等においても相違する商品である。
そうすると、企業の多角経営化が進む状況にある取引業界の実情を考慮しても、本件商標に接する需要者が直ちに申立人商標を想起又は連想することは考え難く、したがって、本件商標をその指定商品について使用しても、該商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、他人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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