Trademark Appeal Case
著名商標SEIKOの類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90421(T2006−90421/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4957514号商標(以下「本件商標」という。)は、「DAIKYO SEIKO」の文字を横書きしてなり、平成17年10月5日に登録出願、第10類、第16類、第17類及び第20類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成18年6月2日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、その構成中に、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の英文字表記である「SEIKO CORPORATION」の著名な略称である「SEIKO」を含み、かつ、申立人の承諾を得ていない商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標は、その構成中の「SEIKO」の文字部分は、申立人及びそのグループ会社の取扱いに係る商品又は名称の略称を表示したものとして、本件商標の登録出願時にはすでに周知著名になっていたものであるから、本件商標をその指定商品に使用すれば、その商品が申立人又は申立人と組織的・経済的に密接な関係がある者の業務に係る商品であるかのように、その出所の混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その構成中の「SEIKO」の文字部分より、「セイコー」の称呼が生ずるものであるから、以下(ア)ないし(カ)に示す登録商標(いずれも現に有効に存続しているものである。)と「セイコー」の称呼を共通にする類似の商標であり、その指定商品も同一又は類似のもである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(ア)登録第730784号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和39年3月11日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和42年1月23日に設定登録されたものである。
(イ)登録第1784258号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和57年7月30日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年6月25日に設定登録され、その後、平成18年1月18日に、指定商品を第1類、第5類、第9類、第10類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(ウ)登録第4720091号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、平成15年4月15日に登録出願、第16類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年10月24日に設定登録されたものである。
(エ)登録第1946045号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和59年3月2日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和62年4月30日に設定登録されたものである。
(オ)登録第2073638号商標は、「SEIKO」の文字を横書きしてなり、昭和60年8月12日に登録出願、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和63年8月29日に設定登録されたものである。
(カ)登録第2603946号商標は、「SEIKO」の文字及び「セイコー」の文字を二段に横書きしてなり、昭和61年1月31日に登録出願、第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録され、その後、平成16年11月17日に、指定商品を第1類、第17類、第18類、第19類、第20類、第21類、第22類及び第31類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする指定商品の書換の登録がされたものである。
(上記登録商標をまとめて、以下「引用商標」という。)
(4)商標法第4条第1項第19号について
商標権者は、製品案内には、「Daikyo Resin CZ」商標を使用しているにもかかわらず、本件商標は、申立人及びそのグループ会社の取扱いに係る商品又は商号の略称を表示した周知著名な商標を含むものであるから、出所表示機能を希釈化させ、その名声等を毀損させる目的があると推認し得るものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記1のとおり、「DAIKYO SEIKO」の文字を書してなるものであるところ、該文字は、「DAIKYO」と「SEIKO」の各文字との間に半字程度の間隔があるとしても、同一の書体をもって、外観上まとまりよく表されているばかりでなく、これより生ずると認められる「ダイキョーセイコー」の称呼もよどみなく称呼し得るものである。そして、上記「ダイキョーセイコー」の称呼からは、全体として、商号の略称を表したと容易に認識されると同時に、本件商標中の「SEIKO」の文字部分は、わが国における企業が商号の一部として広く採用している「精工」等の文字を想起させるものといえる。
そうすると、本件商標は、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるとみるのが相当であるから、その構成文字に相応して、「ダイキョーセイコー」の一連の称呼のみを生ずるものであって、構成全体として、商標権者の商号を英文字表記したと理解されるものである。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して、「セイコー」の称呼を生ずるものであって、申立人の商号の略称ないしその英文字表記をしたと理解されるものである。
してみると、本件商標より生ずる「ダイキョーセイコー」の称呼と引用商標より生ずる「セイコー」の称呼は、前半部分において「ダイキョー」の音の有無の差異を有するものであるから、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、明瞭に聴別し得るものである。また、本件商標と引用商標は、前記したぞれぞれの構成よりみて、外観上見誤るおそれはないものであり、さらに、それぞれ前記のとおりの観念を有するものであるから、観念上明らかな差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第8号、同第15号及び同第19号について
本件商標は、前記認定のとおり、構成全体をもって一体不可分の商標を表したと理解されるものであるから、その構成中の「SEIKO」の文字部分のみが独立して認識されるものではない。
したがって、本件商標より「SEIKO」の文字部分のみを分離、抽出し、本件商標が申立人の著名な略称を含む商標であるとする申立人の主張は、前提において誤りがあるというべきである。
また、本件商標と引用商標は、前記認定のとおり、商標それ自体非類似のものであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する需要者は、引用商標を想起又は連想するものとはいえず、本件商標を使用した商品が申立人又は申立人と営業上何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれはないのみならず、本件商標は、不正の目的をもって使用するものということもできない。
(3)むすび
以上によれば、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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