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Trademark Appeal Case

称呼類似性判断の要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90460(T2006−90460/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4962193号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4962193号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成17年11月17日登録出願、第16類「青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,ラベル印刷機,紙製包装用容器,荷札,紙類,文房具類,印刷物」を指定商品として、平成18年6月16日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下(1)ないし(6)のとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。

(1)登録第2081504号商標は、「POST―IT」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年10月15日登録出願、第25類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同63年9月30日に設定登録されたものである。

(2)登録第3251867号商標は、「POST‐IT」の欧文字を横書きしてなり、平成5年12月10日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年1月31日に設定登録されたものである。

(3)登録第3338554号商標は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、平成7年5月25日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同9年8月8日に設定登録されたものである。

(4)登録第4505271号商標は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成12年11月13日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同13年9月7日に設定登録されたものである。

(5)登録第3200996号商標は、「ポスト・イット」の片仮名文字を横書きしてなり、平成5年6月3日登録出願、第16類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同8年9月30日に設定登録されたものである。

(6)登録第4206827号商標は、「ポスト・イット」の片仮名文字を横書きしてなり、平成9年6月27日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。

(以下、これらを総称するときには単に「引用商標」と表示する。 )

3 登録異議申立ての理由の要点

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、引用商標と「ポスト」の称呼を同一にする類似の商標であって、その指定商品も同一又は類似の商品である。

(2)商標法第4条第1項第15号について

引用商標は、申立人の商標として著名である(甲第8号証及び甲第9号証)から、これがその指定商品中特に「文房具類,紙類」に使用された場合、申立人の業務に係る商品と出所について混同を生じさせるおそれがある。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録を取り消されるべきである。

4 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標と引用商標の類否について判断するに、一般に欧文字と片仮名文字を併記した構成の商標において、その仮名文字部分が欧文字の部分の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るときは、仮名文字部分より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。

そうとすると、本件商標は、別掲(1)のとおりの構成からなるところ、「POST AD」の欧文字と「ポスト アド」の片仮名文字を上下二段書されてなり、下段の「ポストアド」が上段の「POST AD」の称呼を特定すべき役割を果たすものと無理なく認識し得るものであり、「ポストアド」より生ずる称呼がその商標より生ずる自然の称呼とみるのが相当である。そして、これより生ずると認められる「ポストアド」の称呼も格別冗長なものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであるから、その構成中の「POST」の文字部分のみ分離抽出して観察しなければならない格別の理由は見いだせない。

してみると、本件商標は、「ポストアド」の一連の称呼のみを生ずる特定の観念を有しない造語というのが相当である。

他方、引用商標は、「POST―IT」、「POST−IT」、「ポスト・イット」若しくは「Post‐it」の文字と図形の組み合わせよりなるものであるから、それぞれの構成文字に相応して、いずれも「ポストイット」の称呼を生ずる特定の観念を有しない造語というのが相当である。

そして、本件商標から生ずる「ポストアド」の称呼と引用商標から生ずる「ポストイット」の称呼とは、語尾部分の「アド」と「イット」の音に顕著な差異を有するものであるから、それぞれを一連に称呼した場合、語感・語調が明らかに異なり、十分に聴別し得る称呼上、相紛れるおそれのないものである。

また、本件商標と引用商標とは、それぞれの構成に照らし、外観上明確に区別し得る差異を有しており、かつ、両者は共に特定の観念を有しないから、観念上比較することができないものである。

してみれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲第8号証及び甲第9号証によって、開発経緯等及び「貼ってはがしてまた貼れる。」等から、繰り返しはったりはがしたりできる付箋紙の商標として、「ポスト・イット」、「ポストイット」及び「Post‐it」が使用されていることは認められるとしても、これらはいずれも一連一体に「ポスト・イット」、「ポストイット」及び「Post‐it」として用いられており、「ポスト」あるいは「Post」のみで使用されているものではない。

加えて「ポスト」、「Post」は、「地位、職」等を意味する外来語、又は英語としてよく知られているうえ、本件商標と引用商標は、上記(1)のとおり、類似しない別異の商標でもある。

以上を総合すると、本件商標は、たとえ引用商標の一部分の綴り字をその構成中に含んでいるとしても、これをその指定商品に使用した場合、これに接する取引者・需要者が申立人の使用に係る引用商標を連想、想起するようなことはなく、本件商標を使用した商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように出所について混同を生ずるおそれはないというべきである。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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