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Trademark Appeal Case

スターターボックスの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90480(T2006−90480/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4963711号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4963711号商標(以下「本件商標」という。)は、「スターターボックス」の片仮名文字と「STARTER BOX」の欧文字とを上下二段に書してなり、平成17年12月1日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年6月23日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)本件商標を構成する「STARTER BOX」は、「STARTER」の第1の意味が「始める人〔物〕、出発するひと;第一歩、手始め、皮切り、;初心者、新米」であり、「BOX」の第1の意味は、「(通例、ふた付きで四角な)箱」であるから、これより生ずる観念は、「初心者が手始めに使う箱」または「初心者が手始めに使うものが入っている箱」である。

本件登録異議申立に係る指定商品「遊戯用カードゲーム」は、一般的には「トレーディングカードゲーム」と呼ばれ、トレーディングカードとして販売されている専用のカードを用いて行うカードゲームのことをいう。このトレーディンクカードの販売形態は主に「スターターパック」と「拡張パック(ブースターパック)」がある。上記「スターターパック」は箱に梱包されて販売される場合が多く、通常、これを「スターターボックス」「STARTER BOX」と称して当業者が販売している事実がある。

「トレーディングカードゲーム」の分野において、「スターターボックス」「STARTER BOX」の語は、「未経験者が一番最初に買うことを想定しているトレーディングカードのセット、すなわち、ゲームをするための必須アイテムが、箱に梱包されているもの」という意味内容を有し、本件商標の出願前から現在に至るまで、その需要者および取引業者において商品の品質、用途を表す語としてしか認識されず、自他商品識別機能を有しない商標である。

また、前記の如く「スターターボックス」「STARTER BOX」の語は、単にその商品の品質、用途を表示するにすぎないものであるから、これ以外の遊戯用カード、例えば拡張パック(ブースターパック)等に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定商品中、第28類「遊戯用カードゲーム」について登録を取り消されるべきものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「スターターボックス」の文字と「STARTER BOX」の文字を書してなるところ、構成各文字は軽重の差なく一連一体に書してなるものであって、該構成中の「スターター」「STARTER」の文字部分が「始める人〔物〕、出発するひと;第一歩、手始め、皮切り、;初心者、新米」等の意を、また、「ボックス」「BOX」の文字部分が「(通例、ふた付きで四角な)箱」等の意をそれぞれ表すとしても、これらを結合した全体の文字からは、登録異議申立人(以下「申立人」という。)が主張する如き特定の意味合いを看取することができないばかりでなく、本願指定商品の品質、用途を直接的、かつ、具体的に表示するものとは認められないところである。

申立人は、「トレーディングカード」の分野において、「スターターボックス」「STARTER BOX」の語が、「トレーディングカードの必須アイテム等がセットになった箱」を表し、単にその商品の品質、用途を表示する語として、取引者、需要者において認識され、幅広く使用されている旨主張し、証拠として甲第4号証ないし同27号証を提出している。

そこで、申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実を窺うことができる。

甲第4号証ないし同5号証は、漫画雑誌において、申立人の販売するトレーディングカードの宣伝、広告の記事。

甲第7号証ないし同8号証は、検索サイトによる「トレーディングカードスターターボックス」をキーワードとした検索結果。

甲第9号証ないし同27号証は、申立人の販売するトレーディングカードの広告、宣伝等のチラシ、カタログ。(但し、甲第22号証ないし同26号証は申立人以外の販売するトレーディングカードの広告、宣伝用のチラシ)

しかしながら、トレーディングカードゲームの販売形態としては、「スターターパック(未経験者が一番最初に買うことを想定しているセット)」と「拡張パック(ブースターパック、ゲームに慣れ、より面白いプレイを求めるプレイヤーが購入することを想定したセット)」と呼ばれる形式で販売(市販)されている事実(甲第3号証)が認められるので、申立人等の前記広告、宣伝又は販売促進の事実をもってして、ただちに一般需要者に本件商標自体が、商品の品質、用途を表示するものとして行き渡っていることを証明するものとは認め難いところである。

そして、他に本件商標そのものが、商品の品質、用途を表示するものとして取引者、需要者間に広く認識されるに至っている事実を認めるに足りる証拠は見出し得ない。

そうすると、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、商品の品質、用途を表示したものとは認識し得ず、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものと認められる。また、指定商品中のいずれの商品について使用しても、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはないものといわざるを得ない。

(3)してみれば、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品について、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものではなく、申立人の主張は理由がない。

したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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