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Trademark Appeal Case

微弱音の有無と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90509(T2006−90509/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4966848号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4966848号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイムフォン」の片仮名文字を横書きしてなり、平成17年4月25日に登録出願、第9類及び第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同18年7月7日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)引用商標

本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る以下の(a)ないし(f)に示す登録商標(以下「引用商標」という。)と第3音「ム」の音の有無で相違するが、該音は、母音を伴わず極めて微弱に発音される鼻音にすぎず、その前後の音「アイ」及び「フォン」を全く同じくする引用商標の称呼と類似する商標である。

また、申立人は、本件商標の出願前から、引用商標を長年にわたり、商品「電話機械器具」中「インターホン」に使用しており、日本国内で周知性を獲得(甲第8号証ないし甲第41号証)しており、その周知性は現在においても継続している。

そうすると、本件商標と引用商標は、称呼上類似する商標であり、仮に非類似としても、引用商標の周知性により、本件商標が指定商品中「電話機械器具」に使用された場合は、直接的、かつ、狭義の出所の混同が生じるおそれがある。

のみならず、本件商標の使用に際し、引用商標と称呼同一と認められる表記「アイフォン」と誤記される状況が生じており(甲第46号証ないし甲第52号証)、引用商標との関係で、出所の混同が生じるおそれは、極めて高く、また、「電話機械器具」以外の指定商品又は指定役務に使用された場合でも、引用商標と広義の出所の混同を生ずるおそれがある。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。(a)「アイホン」の文字を横書きしてなり、昭和29年4月9日に登録出願、第69類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同30年2月16日に設定登録、その後、平成17年10月12日に第9類「電信機,電話機」とする指定商品の書換登録された登録第460472号商標

(b)別掲のとおりの構成よりなり、昭和41年11月18日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年2月19日に設定登録された登録第808389号商標

(c)「AIPHONE」の文字を横書きしてなり、昭和41年11月18日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同44年2月19日に設定登録された登録第808390号商標

(d)「アイホン」の文字を横書きしてなり、昭和63年9月22日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年2月28日に設定登録、その後、同14年1月30日に第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの指定商品に書換登録された登録第2382806号商標

(e)「アイホン」の文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年1月31日に設定登録された登録第3021222号商標

(f)「AIPHONE」の文字を横書きしてなり、平成4年9月28日に登録出願、第38類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、同7年1月31日に設定登録された登録第3021223号商標

これらの引用商標は、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、「アイムフォン」の文字よりなるところ、該文字に相応して「アイムフォン」の称呼を生じること明らかである。

他方、引用商標は、「アイホン」又は「AIPHONE」の文字に相応し「アイホン」又は「アイフォン」の称呼を生ずるものである。

そして、本件商標より生ずる「アイムフォン」の称呼と引用商標より生ずる「アイフォン」の称呼を比較するに、両者は、「ム」の音の有無に差異を有するものであり、「ム」の音自体は比較的弱い通鼻音であるとしても、両称呼が比較的短い音構成にあって、その構成音数を異にすることよりすれば、この差異が、両称呼に与える影響は大きいものとなり、それぞれを一連に称呼した場合には、語調語感が異なるものとなって十分に聴別し得るものといわなければならない。

また、本願商標と引用商標とは、外観においては、前記のとおりの構成よりなるものであるから、明らかに区別し得るものであり、観念についても、特定の観念を生じない造語であるから、比較すべくもないものである。

してみれば、本件商標と引用商標とは、その称呼において類似するものとはいい難く、外観及び観念において紛れるおそれのない非類似の商標とみるのが相当であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、引用商標が申立人の業務に係る「インターホン」を表示するものとして広く知られているとしても、上記したとおり、引用商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品及び役務が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

なお、申立人は、本件商標が「アイフォン」と誤って記載(甲第46号証ないし甲第52号証)されている事実がある旨主張するが、ほとんどが「電話番号は・・・発信はアイフォンのほか、一般固定電話、携帯電話、PHS、国際電話へ可能。」との同一の記載になっていることより、その文章の出所が同じものと推認でき、これをもって広く一般に間違っている状況に至っているとまではいい難い。

(3)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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