Trademark Appeal Case
称呼の類似性と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90542(T2006−90542/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4973445号商標(以下「本件商標」という。)は、「ジェミードレス」「JEMMY DRESS」の文字を二段に書してなり、平成17年11月30日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料類,つけまつ毛」を指定商品として、同18年7月28日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由の要点
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下に示す各登録商標(以下、一括して「引用商標」という。)と「ジェミー」の称呼、観念を共通にする類似の商標であり、その指定商品も引用商標のそれと抵触するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)商標法第4条第1項第15号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)及びその関連会社である株式会社クリスタルジェミーが使用する引用商標は、甲第11号証ないし甲第60号証のとおり本件商標の出願日前に需要者のみならず、女性誌等のメディアを介して全国的に広く知られる著名商標であったことは明らかである。
また、本件商標の指定商品中「歯磨き,つけまつ毛」は、「化粧品,せっけん類,香料類」と人体の健康または外観の美的向上に資するという点において関連性の深い商品であり、「歯磨き,つけまつ毛」が通常「化粧品,せっけん類,香料類」と同じ店舗内において陳列、販売されているのは周知の事実である。
以上の事実に加え取引上の事情も踏まえれば、本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、該商品が申立人又はその関連会社の取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)引用商標
登録第3139392号商標は、「クリスタルジェミー」の文字を書してなり、平成5年9月13日に登録出願、第3類「香料類,化粧品」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録され、同17年11月22日に存続期間の更新登録がされたものである。
登録第4313150号商標は、「ジェミー」の文字を書してなり、平成5年9月6日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同11年9月10日に設定登録されたものである。
登録第4792939号商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、平成15年12月11日に登録出願、第3類「化粧品」を指定商品として、同16年8月6日に設定登録されたものである。
登録第4821616号商標は、「ジェミーチェンジ」「Jemmy Change」の文字を書してなり、平成16年4月19日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」を指定商品として、同年11月26日に設定登録されたものである。
登録第4821617号商標は、「Jemmy Change Shop」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月19日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」を指定商品として、同年11月26日に設定登録されたものである。
登録第4821618号商標は、「クリスタルジェミー チェンジシリーズ」の文字を標準文字で書してなり、平成16年4月19日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」を指定商品として、同年11月26日に設定登録されたものである。
登録第4871504号商標は、「ジェミーカリスマ」の文字を標準文字で書してなり、平成16年10月12日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,香料類」を指定商品として、同17年6月10日に設定登録されたものである。
登録第4887908号商標は、「JEMMY CHARISMA」「ジェミーカリスマ」の文字を二段に書してなり、平成16年11月19日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品,香料類」を指定商品として、同17年8月12日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、前記のとおりの構成よりなるものであるところ、「JEMMY」と「DRESS」の文字間に半角程度の間隔を有するものの、それぞれの両文字は、いずれも同一の書体をもって書され、構成全体としてまとまりよく一体的に表されているものであり、また、上段の「ジェミードレス」の片仮名文字が欧文字部分の称呼を特定するものと無理なく看取でき、これより生ずると認められる「ジェミードレス」の称呼も冗長というものではない。
そうすると、本件商標は、構成文字全体をもって一体不可分の造語を表したと理解されるとみるのが相当であり、他に、本件商標より「JEMMY」、「ジェミー」の文字部分のみを分離、抽出して、称呼、観念しなければならない特段の理由は見出せない。
したがって、本件商標は、その構成文字に相応して、「ジェミードレス」の一連の称呼のみを生ずる造語よりなるものといわなければならない。
一方、引用商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応し「クリスタルジェミー」、「ジェミー」、「ジェミーチェンジ」「ジェミーチェンジショップ」及び「クリスタルジェミーチェンジシリーズ」「ジェミーカリスマ」の称呼を生ずるものである。
してみると、本件商標より生ずる「ジェミードレス」の称呼と引用商標より生ずる「クリスタルジェミー」、「ジェミー」、「ジェミーチェンジ」「ジェミーチェンジショップ」、「クリスタルジェミーチェンジシリーズ」及び「ジェミーカリスマ」の称呼は、音数、音構成を異にするから、それぞれを一連に称呼した場合に、明瞭に聴別し得るものである。
また、本件商標は、前記のとおり、造語よりなるものであるから、観念上、引用商標と比較することはできない。
さらに、本件商標と引用商標は、それぞれ前記した又は別掲の構成よりみて外観上明らかに区別し得るものである。
以上のとおり、本件商標は、引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲第11号証ないし甲第60号証によれば、申立人及び申立人の関連会社は、「化粧品」等について引用商標を使用し、美白用の化粧品等について雑誌等で紹介あるいは宣伝、広告された事実は認められるが、「JEMMY」「ジェミー」の文字を以て紹介あるいは宣伝、広告された事実は認められない。
してみれば、「JEMMY」「ジェミー」の文字のみが本件商標の登録出願前及び登録査定時において、わが国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものであると認めることは、困難であるといわざるを得ない。
加えて、本件商標は、全体として一体の商標であって、その構成中の「JEMMY」「ジェミー」の文字部分のみが独立して把握、認識されるものではないこと前記(1)で認定したとおりであるから、本件商標をその指定商品について使用しても、取引者、需要者をして、該商品が申立人又は同人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標ということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反してされたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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