結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての商標登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 異議2005−90537(T2005−90537/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4879411号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成17年1月7日に登録出願、第37類「建設工事,建設工事に関する助言,電気通信機械器具の修理又は保守」、第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの提供,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,光ファイバーによる通信,データ通信に関する情報の提供,人工衛星による通信,電子メール通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,付加価値通信網による通信」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成または保守,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機用プログラムの提供,電子計算機の貸与」を指定役務として、同17年7月15日に設定登録されたものである。
登録異議申立人の引用する登録第4322504号商標(以下「引用商標」という。)は、「DataSync」の文字を書してなり、平成10年7月28日に登録出願され、第9類「測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気磁気測定器,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,盗難警報器,録画済ビデオディスク及びビデオテープ,金銭登録機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成11年10月8日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の商標として需要者の間に広く認識されている引用標章(左下から右上方向に弧を描く流線型の形状を、その幅が端部から左下方向に向けて広がるように描き、ここからさらに該図形を右やや上方向に向けて幅を狭めて終部で収斂させるように描いてなる)と類似の図形をその構成中に含むものであるから、本件商標が指定役務について使用された場合には、異議申立人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあり、商標法第4条第1項第15号に該当する。
(2)本件商標は、引用商標と同一の「DataSync」の欧文字を含むものであって、その称呼を引用商標と同じくする類似の商標であり、その指定役務は引用商標の指定商品と類似のものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
当審において、平成18年6月27日付けで商標権者に対し通知した取消理由は、要旨次のとおりである。
本件商標は、別掲のとおり、図形と文字との組合せよりなるところ、該図形と文字が一体となって特定の称呼、観念を有するものとはいい難く、しかも常に一体のものとしてのみ把握しなければならないとする理由を見出せないものであるから、簡易迅速を尊ぶ取引の場において、これに接する取引者、需要者は構成中の「DataSync」の文字部分に着目して、これより生ずる「データシンク」の称呼をもって取引にあたることも決して少なくないものとみるのが相当である。
そうすると、本件商標は、その構成中の文字部分に相応して「データシンク」の称呼を生ずるものと認められる。
他方、引用商標は、その構成文字に相応して「データシンク」の称呼を生ずるものと認められる。
また、本件商標の指定役務中第42類「電子計算機用プログラムの提供」と引用商標の指定商品に含まれているものと認められる「電子計算機用プログラム」とは、(1)役務と商品の用途(内容)(2)役務の提供者と商品の製造・販売者(3)需要者等を共通にすることが少なくないといえることから、両者は類似するものと認められる。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観及び観念上の相違点を考慮しても、「データシンク」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定役務中第42類「電子計算機用プログラムの提供」は、引用商標の指定商品に含まれる「電子計算機用プログラム」と類似するものである。
したがって、本件商標は、その指定役務中第42類「電子計算機用プログラムの提供」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
前記4の取消理由に対する商標権者の意見は、要旨次のとおりである。
(1)本件商標に係る指定役務「電子計算機用プログラムの提供」は、「電子通信回線を通じて電子計算機用プログラムを利用させる役務」とされており、主にビジネス用のアプリケーションソフトウェアをインターネットを通じて顧客にレンタルするサービスが該当し、この役務の提供を受ける者は、提供者が運営するサーバー内でのみ、そのアプリケーションソフトウェア等を利用することが可能となる。また、役務の提供を受けるのはプログラムであるが、実際に受けるサービスはそのプログラムによって実現されるサービスである。例えばテレビ会議システムの提供を受ける場合、そのプログラムのソースコード等の提供を受けるのでは無く、そのプログラムにより実現されるテレビ会議サービスの提供を受けることである。そのため、その需要者は一般企業や役所などの法人であり、その提供業者は通信事業者であるのが一般的である。
(2)引用商標に係る指定商品「電子計算機用プログラム」を購入する者は、一般消費者であり、その販売業者は家電販売店や百貨店、オンラインショップ等であり、通常の流通経路により販売されるのが一般的である。
(3)両役務・商標を対比すると、購入者や需要者は同一であるとはいい難く、またこの役務を提供する提供者とこの商品の販売を行う販売業者も同一であるとはいい難いものであり、さらにこの役務より提供される役務の内容は、この商品により販売等される商品の内容も相違するものである。よって、役務及び商品の出所の混同を生じるとするような取引の実情はないというべきである。
(4)以上のように、本件商標と引用商標とはそれぞれ指定する商品・役務が非類似の関係にあることから、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(1)前記4の取消理由通知で示したとおり、本件商標と引用商標とは、外観及び観念上の相違点を考慮しても、「データシンク」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定役務中「電子計算機用プログラムの提供」は、引用商標の指定商品に含まれる「電子計算機用プログラム」と類似するものである。
したがって、本件についてした先の取消理由は、妥当なものというべきである。
(2)ところで、商標権者は、意見書において、本件商標に係る指定役務「電子計算機用プログラムの提供」を行う提供業者及びその需要者と、引用商標に係る指定商品「電子計算機用プログラム」を販売する販売業者及びその需要者が異なるから、役務及び商品の出所の混同を生じるとするような取引の実情はないと主張し、その根拠として、テレビ会議サービスの提供をあげているけれども、「電子計算機用プログラム」の用途は、企業のみではなく、今日のパーソナルコンピュータ及び通信網の普及状況からすれば、個人をも対象とした多種多様の機能を有する「電子計算機用プログラム」が存在し、そして、それが電子媒体に記録され店頭にて流通されるのみならず、その電子情報あるいは、その機能が通信回線を通じて提供されていることは一般に知られているところであり、それを否定する証左もないものであるから、上記の主張は認められない。
(3)してみれば、本件商標の登録は、その指定役務中第42類「電子計算機用プログラムの提供」については、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものと認められる。
しかしながら、本件商標の登録は、その指定役務中、上記以外の第37類「建設工事,建設工事に関する助言,電気通信機械器具の修理又は保守」、第38類「電気通信(放送を除く。),放送,報道をする者に対するニュースの提供,電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与,光ファイバーによる通信,データ通信に関する情報の提供,人工衛星による通信,電子メール通信,電子計算機端末による通信ネットワークへの接続の提供,付加価値通信網による通信」及び第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成または保守,ウェブサイトの作成又は保守,電子計算機・自動車その他その用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,電子計算機の貸与」については、引用商標の指定商品と非類似のものと認め得ることから、商標法第4条第1項第11号には該当しない。
(4)したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、結論掲記の指定役務について、その登録を取り消すべきものとし、その余の指定役務については、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
(別掲)本件商標
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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