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Trademark Appeal Case

商標不使用の証拠偽造

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30413(T2006−30413/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4288194号商標の第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ・記念たて,キーホルダー」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4288194号商標(以下「本件商標」という。)は、「REUGE」の文字を横書きしてなり、平成10年6月12日に登録出願、第14類、第15類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成11年6月25日に設定登録され、その後、平成13年8月8日に、指定商品中の第15類「楽器,演奏補助品,音さ」及び第28類「遊戯用器具,囲碁用具,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,マージャン用具,ビリヤード用具,おもちゃ,人形,運動用具,釣り具」についての登録を取り消す旨の異議決定の確定登録がされているものである。

2 請求人の主張の要点

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁の理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第6号証を提出している。

(1)請求の理由

(ア)商標権者である被請求人は、正当な理由なく、本件商標を、継続して3年以上、日本国内において、その指定商品中、第14類の「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ・記念たて,キーホルダー」のいずれについても使用していないものである。

(イ)商標登録原簿によれば、本件商標には、専用使用権も通常使用権も登録されておらず、かつ、登録されていない使用権者も全く存在しておらず、又は、仮に登録されていない使用権者が存在している場合であっても、かかる使用権者は、正当な理由なく、本件商標を、継続して3年以上、日本国内において、その指定商品中の上記商品のいずれについても使用していないものである。

(ウ)よって、商標法第50条の規定により、本件商標の指定商品中の上記商品についての登録は、取り消されて然るべきである。

(2)弁駁の理由

(ア)被請求人は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して、あたかも被請求人が「宝石箱 ジュエリーボックス」や「胡椒入れ」を通信販売に供しており、通信販売の案内に「REUGE」と記載しているかの如く装っている。

しかしながら、乙第1号証も乙第2号証も、本件審判の請求書副本が被請求人に送達された後になってから、もっともらしく作成された偽造証拠であり、被請求人は、「宝石箱 ジュエリーボックス」や「胡椒入れ」を通信販売に供しておらず、本件商標を使用していない、というのが真実である。以下、乙第1号証及び乙第2号証が偽造証拠であることを説明する。

(イ)請求人が調査したところでは、これまでに被請求人が出願して登録した商標は、本件商標「REUGE」及び登録第4808738号商標「リュージュミュージック」の2件のみとなっている。

いうまでもなく、「REUGE」は、請求人の会社名称の略称であり、「リュージュミュージック」は、請求人が「オルゴール」に付して使用していて有名な商標「REUGE/図/MUSIC」を片仮名にて記載したものであって(甲第3号証)、いずれについても請求人の営業と密接な関連性のある商標であり、かかる商標のみを被請求人は、選択して出願し、登録しているのである。

被請求人が、まっとうに自社の営業をしているのであれば、上記2件のみが出願商標・登録商標ということはありえず、請求人とは全く無関係な商標についても、幾つか出願し、登録していて然かるべきである。被請求人の商標出願・商標登録の行為は、請求人を狙い撃ちにし、請求人の業務を妨害する目的で商標登録制度を悪用しているものであり、請求人が被請求人に買取を申し込んでくるなら高額にて売却する予定で商標登録をしたものではないかと推定され、被請求人自身は、本件商標の使用を予定しておらず、現実にも使用していないものである。

なお、登録第4808738号商標に対しては、請求人が申し立てた登録異議により、すでに商標登録を取り消すとの決定がされている(甲第3号証)。

(ウ)乙第1号証及び乙第2号証を吟味するに、パソコンとプリンターさえあれば、誰でも容易に作成できる程度の簡易な書面である。現在では、多数の者がパソコンやプリンターを持っているという事実に照らせば、本件審判の請求書副本が被請求人に送達された後になって、被請求人が上記書面をそれらしく作成することは実に容易なことである。

仮に、乙第1号証及び乙第2号証が、被請求人の商品の「通販案内」であると仮定するならば、これら「通販案内」は、どのような方法で「商品の潜在的需要者(購入するかもしれない人々)」に提示され、頒布されたのかが示されていなければならないし、提示方法・頒布方法を主張し、これを裏付ける証拠を提出するのは、決して難しくないはずであるが、提示方法・頒布方法について、被請求人は、立証はおろか主張すらしておらず一切不明なままである。

請求人は、本件審判を請求する前に、事前調査として徹底して被請求人のインターネット・ホームページを捜したが発見できず、また、本件答弁書を受領した後にも、再度徹底して被請求人のインターネット・ホームページを捜したが、ついに発見できずに終っていること、仮にインターネットを通じての通信販売であれば、その旨の答弁があって当然であるのに、かかる主張は全く無いこと、乙第1号証や乙第2号証に、ホームページ・アドレスが記載され、インターネットを通じての商品の発注方法について記載されているはずであるのに、かかる記載が無いこと、乙第1号証や乙第2号証に(現実の銀行振込に加えて)、簡易迅速なネットバンク等ネットを通じての代金決済が支払方法として記載されているのが通常であるのに一切無いこと、など考え併せれば、被請求人がインターネットを通じて、潜在的需要者に対して「通販案内」を提示しているものではない。

また、乙第1号証及び乙第2号証の体裁からは、いずれも、新聞の折込広告として頒布された類のものとは見受けられないこと、仮に新聞の折込広告として頒布されたのであれば、被請求人と折込広告代理業者との間の委託に関する文書(折込広告代理業者からの受注書や請求書など)が、乙第1号証や乙第2号証を裏付ける補助証拠として提出されていて然かるべきであるのに全く提出されていないこと、からして、新聞の折込広告として「通販案内」が頒布されたものでもない。

乙第1号証又は乙第2号証が新聞や雑誌に掲載した広告であるならば、掲載された新聞や雑誌の名称や発行年月日について、本件答弁書中に記載があって当然であるのにかかる主張は全く無いこと、被請求人と代理店との間の取次に関する文書(代理店からの受注書や請求書など)が、乙第1号証又は乙第2号証を裏付ける補助証拠として提出されていて然かるべきであるのに全く提出されていないこと、被請求人が直接に新聞や雑誌の出版社に広告掲載を申し込んだ場合であっても、被請求人と出版社との間の広告の掲載に関する文書(出版社からの受注書や請求書など)が、乙第1号証又は乙第2号証を裏付ける補助証拠として提出されていて然かるべきであるのに全く提出されていないこと、からして、新聞や雑誌の掲載広告として潜在的需要者に対して「通販案内」を提示したのではない。

さらに、乙第1号証又は乙第2号証が、郵送によるダイレクト・メール広告であるとするには、あまりにも印刷の質が「おそまつ」であり(特に、「宝石箱」を販売するには「豪華」な印象を購入者である女性に与える必要があり、グラビア印刷にするのが通例であるにもかかわらず)、簡易過ぎること、それ以上に、郵送のダイレクト・メール広告の場合には、広告主が専門の発送業者に委託するのが通常であるから、被請求人と発送業者との間の発送に関する文書(発送業者からの受注書や請求書など)が、乙第1号証又は乙第2号証を裏付ける補助証拠として提出されていて然かるべきであるのに、これらの提出は全く無いこと、からして、ダイレクト・メール広告として「通販案内」が頒布されたものとも思われない。

以上のように、「商品の潜在的需要者」に対する具体的な提示方法・頒布方法が欠落している「通販案内」など、虚偽であって、現実にはありえないのである。

(エ)さらに、乙第1号証を精査してみると、通信販売においては、商品の購入者は、商品を現実に見て確かめてから購入するわけではないので、「通販案内」には、商品についての重要事項が総て記載されていなければならないところ、乙第1号証の記載内容では、商品に関する重要事項が甚だしく欠落しており、乙第1号証が「通販案内」たりえないことが判明する。

(A)商品の購入者にとり、購入する予定の商品がどの程度の大きさであるかは重要事項である。現実に通信販売で「ジュエリーケース」(甲第4号証)、「アクセサリーボックス」(甲第5号証)、「ジュエリーボックス」(甲第6号証)を販売している例を証拠をもって示すが、いずれも「価格」と共に「幅×奥行×高さ」がセンチ・メートル単位で表記され、商品の潜在的需要者に提示されている。

しかるに、乙第1号証に掲載されている商品を見るに、当該商品が具体的にどの程度のサイズなのか不明で、「幅×奥行×高さ」が表示されているものは皆無である。「大」「L」「M」などの表記が付してある商品も若干含まれてはいるものの、それぞれがどの位の大きさなのか全く説明がない上に、商品サイズを示すのであれば、「大・中・小」か「L・M・S」かのいずれかに表示方法が統一されているのが普通であって、同じ「通販案内」中で表示が不統一とはありえない。

(B)商品の購入者にとり、購入する予定の商品の素材が何であるのかも重要事項である。現実に通信販売で販売している例では、「価格」と共に「素材が何であるか」が記載されている。

しかるに、乙第1号証に掲載されている商品を見るに、透明と思われる部分が「ガラス」なのか、「透明アクリル樹脂」なのか、茶系の色となっている本体部が「木製」なのか、「茶系の色に着色したプラスチック製」なのか、全く記載がなく不明である。

(C)商品の購入者にとり、入手する商品の色が何色であるかも重要事項である。現実に通信販売で販売している例では、同じ商品であっても色違いのものがある場合は、「『申込商品番号』に『申込色記号』を付す」(甲第4号証)とか、「異なった『商品番号』にする」(甲第6号証)といった方法によって明確に区別している。

しかるに、乙第1号証を見るに、掲載されている「商品コード0314−10」の商品は、茶色のものと赤茶色のものとがあるにもかかわらず、全く区別することなく単一の「商品コード0314−10」を割り振っている。

(D)乙第1号証に掲載されている14の商品のうち8の商品については、「オルゴール付」である旨が明記されている。商品の購入者にとっては、購入する予定の「オルゴール付宝石箱」の「オルゴールの曲目が何であるか」は、購入するかどうかを決意する際に考慮に入れる重要事項の一つであるにもかかわらず、乙第1号証では、「オルゴール付」とある8件の商品のいずれについても、「オルゴールの曲目」が何かは、全く記載されていない。

このように、内容からしても、乙第1号証が現実の通信販売に用いられる「通販案内」たりえないことからすれば、被請求人が通信販売で「宝石箱」を販売していることは無く、乙第1号証は、取消しを免れようとして、もっともらしく作成された偽造証拠以外の何物でもないことが判明する。

(オ)次いで、乙第2号証を精査してみると、同様に乙第2号証も「通販案内」たりえないことが判明する。

(A)乙第2号証では、乙第1号証と同様に、商品の具体的大きさという重要事項が記載されておらず、また、素材(「陶器製」にも「着色したプラスチック製」にも見える)という重要事項も記載されていない。

(B)乙第1号証には記載があった「商品コード」が、乙第2号証には無い。「商品コード」という重要事項が欠落していては、誰も商品の発注ができないし、被請求人の受注処理作業上も困難が発生する。

(C)商品を仕入れて販売しているのが事実であれば、商品が一体何であるかは仕入先が納品先に教えるので、小売業者が商品を誤って表示することはない。しかるに、乙第2号証では、商品を「胡椒入れ」とし「一対」としている。西洋の食卓上には、調味料としては、「食塩」と「胡椒」とが備えられているのであり、この商品は「胡椒入れ2個一対の組み」ではなく、「調味料入れのセット(「塩入れ」と「胡椒入れ」の組み)」であって、「振出穴が1つなのが『塩入れ』」で、「振出穴が複数なのが『胡椒入れ』」である。このことは、まともに商品を仕入れていれば、仕入先が「この商品は『洋式の卓上調味料入れセット』であって、振出穴が1つなのが『塩入れ』、振出穴が複数なのが『胡椒入れ』である」と納品先に教えているものである。したがって、被請求人がまともに商売をしていて、商品として仕入れて販売しているのであれば、乙第2号証の商品は、「調味料入れセット」又は「塩入れと胡椒入れの組み」との表示になっているはずである。

(D)さらに、価格が不自然であるという問題がある。被請求人は、「通信販売」で商品を販売していると称しているので、商品の潜在的需要者は、一般家庭の人であって、レストラン開業予定者のような業者ではない。商品の性質上、レストラン開業予定者ならば、複数を同時に購入することもあり得るであろうが、一般家庭では、食卓上に1セットあれば十分足りる商品である。そうすると、この商品は、1セットづつ販売されて1セットづつ購入者に送付される商品となるが、「全商品送料無料」との記載があることからして、送料は被請求人が負担することとなる。この商品の単価は、1000円であり、この単価から消費税を減じ、送料を減じ、仕入値を減じ、販管費を減ずれば、一体全体、被請求人の手元に幾ら残るというのであろうか。合理的に考えれば、「赤字販売」となっているはずであるが、そうでなくとも商業ベースではとても割りに合わない程度の微々たる利益しかあげられないはずである。慈善事業でもなく営利を求める者がこんな商売を行なっているはずはない(ちなみに、一般に通信販売業者は、「送料は購入者が負担」とするか、送料を販売業者負担とする場合には、「一回の合計金額が一定額以上の場合には、送料は通信販売業者が負担」としていて、安価で小額の商品の小口販売につき送料を販売業者が負担してしまい赤字となってしまう事態を避けている)。

(E)価格設定が不自然であるという問題もある。小売業の販売価格の設定としては、ディスカウント価格設定の、いわゆるキュッパー・プライス(例えば、通常10000円の商品を9980円と値引して価格の桁を下げ、消費者に安く思わせて販売促進をするような値引表示のこと。)の場合を除けば、(a)本体価格を端数のない数字にし、消費税込価格が端数のある数字にする、又は、(b)本体価格を端数のある数字にして調整し、消費税込価格が端数のない数字にする、のどちらかが通例であり、この2つの方法をごちゃごちゃにして商品の価格を設定するとなると商業帳簿の経理処理が複雑になるので、商人としては、このどちらか一方の方法に統一して販売価格を設定しているのが通例である。

被請求人は、乙第1号証の「宝石箱」については、上記(a)の方法で小売値を設定しているにもかかわらず、乙第2号証の「胡椒入れ」については、上記(b)の方法で小売値を設定しているというのは、商人の経理処理の観点からして不合理・不自然な小売値の設定と思料される。

(F)仮に被請求人が真実商売をしていると仮定してみて、被請求人の主力商品は、乙第1号証及び乙第2号証からすれば、「宝石箱」のはずである。被請求人が商品の多角化をするとなれば、これまでに消費者との間で築いた「宝石箱」の通信販売実績の評判をベースに、これと関連性のある商品に広げていくのが自然であり、「メイクボックス」(甲第5号証)とか、「ジュエリークリーナー」(甲第6号証)といった商品に多角化して商品展開して行くのであれば納得はできる。しかしながら、突如として、これまでに消費者との間で築いた評判をベースにすることなく、全く関連性がなく、商品の仕入れルートも異なる「胡椒入れ」の販売を開始するなど、商売の常識を逸脱している商品展開であって不自然極まりないものである。

このように、内容からしても乙第2号証が現実の通信販売に用いられる「通販案内」たりえないことからすれば、被請求人が通信販売で「胡椒入れ」を販売していることは無く、乙第2号証は、取消しを免れようとして、もっともらしく作成された偽造証拠以外の何物でもないことが判明する。

(カ)仮に、乙第1号証及び乙第2号証が偽造証拠ではないとの反実仮想に立ってみても、以下のとおり、取消しを免れることはできないものである。

(A)乙第1号証の商品は「木製又はプラスチック製の宝石箱」であり、乙第2号証の商品は「陶器製又はプラスチック製の胡椒入れ」であり、本件審判の取消対象となっている商品の範囲に含まれる商品ではないことが明らかである。

(B)乙第1号証及び乙第2号証が、いつの時点の「通販案内」であるか、全く年月日が立証されていない。被請求人は、「継続して使用しており」と主張するが、これは、単なる被請求人の一方的な(かつ、時期の特定がなされていない「不完全な」)主張のみであって、使用時期の主張を裏付ける証拠は、一切無く、この立証が欠落している。

3 被請求人の答弁の要点

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審判を求め、その理由として「被請求人は、本件商標を継続して使用しており、請求人の請求には根拠がない。」と述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第2号証を提出している。

そして、被請求人は、前記2(2)の請求人の弁駁に対しては、何らの答弁もしていない。

4 当審の判断

(1)被請求人は、本件商標を継続して使用していると述べ、証拠を提出しているので、提出に係る各乙号証について検討する。

(ア)乙第1号証は、2枚の書面からなるものであって、その1枚目に本件商標と社会通念上同一といい得る「REUGE」の文字が大きく横書きされ、その下に「REUGE宝石箱 ジュエリーボックス 商品リスト」の文字が横書きされると共に、被請求人の住所、名称、電話番号、送料、支払い方法、ラッピング、配達日等について記載されていることが認められる。また、その2枚目には、各種宝石箱の写真が掲載され、それぞれの宝石箱について、「引出し5段 縦長宝石箱(オルゴール付)」、「半円型・宝石箱 オルゴール付ジュエリーボックス・大」等の表示が付され、価格及び商品コードが記載されていることが認められる。

しかしながら、被請求人は、乙第1号証について具体的に説明するところがなく、その1枚目の書面と2枚目の書面との関係は必ずしも明らかでないし、「REUGE」の文字は、2枚目のいずこにも表示されていない。そもそも、乙第1号証がどのような性格の書面であるかも明らかでない。

1枚目には、「REUGE宝石箱 ジュエリーボックス 商品リスト」の表示がされ、被請求人の会社名の下に「REUGE通販事業部」と記載されていることからして、乙第1号証は、被請求人が2枚目に掲載された各種宝石箱を通信販売するための商品のリストであると善解したとしても、この書面には、個別商品の詳細説明やその指定・注文の方法、納品の方法等についての具体的な記載はないし、この書面がいつ作成され、需要者にどのように頒布されたかも一切不明である。また、現実に商品が販売されたことを示す納品書、請求書、領収書等の提出もない。

そうすると、乙第1号証の書面のみによって、直ちに被請求人の業務に係る商品「宝石箱」が、現実に取引されていたものということはできないし、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内にその請求に係る商品について、被請求人によって使用されていたものと認めることはできない。

(イ)乙第2号証は、2枚の書面からなるものであって、その1枚目に本件商標と社会通念上同一といい得る「REUGE」の文字が大きく横書きされ、その下に「REUGE胡椒入れ 商品リスト」の文字が横書きされると共に、乙第1号証と同様に、被請求人の住所、名称、電話番号、送料、支払い方法、ラッピング、配達日等について記載されていることが認められる。また、その2枚目には、商品の写真が掲載され、その下に「ニュージーランド製」、「価格:一対で1,000円」、「とてもキュートな胡椒入れです。」及び「きっと食卓を盛り上げてくれるでしょう。」の語句が、4段に記載されていることが認められるものの、「REUGE」の文字は、2枚目のいずこにも表示されていない。

乙2号証も、乙第1号証と同様、どのような性格の書面であるか明らかでないし、その発行日等も一切不明であり、これをもって、直ちに被請求人の業務に係る商品「胡椒入れ」が現実に取引されていたものということはできないし、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内に、その請求に係る商品について被請求人によって使用されていたものと認めることはできない。

(ウ)付言するに、宝石箱及び胡椒入れについてみれば、本件請求に係る商品は、貴金属製の宝石箱及び貴金属製の胡椒入れというべきものであるところ、乙第1号証及び乙第2号証に示された商品は、その形態、状態、価格等からすれば、貴金属製とはいい難いものであって、本件請求に係る商品の範ちゅうに属するものとはいえない。ちなみに、貴金属製でない宝石箱は、第20類に属する商品であり、貴金属製でない胡椒入れは、第21類に属する商品である。

(2)以上によれば、被請求人は、本件審判請求の登録日である平成18年4月21日前3年以内の期間内に被請求人が本件商標をその請求に係る指定商品に含まれるべき「宝石箱及び胡椒入れ」について使用していたことを証明したものということはできない。

その他、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内にその請求に係る指定商品について使用されていたことを認めるに足る証拠はない。

(3)したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その請求に係る指定商品第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ・記念たて,キーホルダー」のいずれについても使用されていなかったものというべきであり、また、その使用をしていないことについて正当な理由があるものとも認められないから、商標法第50条の規定に基づき、上記指定商品についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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