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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠の評価

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30655(T2006−30655/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4183496号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は,被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4183496号商標(以下「本件商標」という。)は,「ペジーセージ」の片仮名文字を横書きしてなり,平成9年3月12日に登録出願,第3類「化粧品」を指定商品として,同10年9月4日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張

請求人は,請求の趣旨を「結論同旨の審決を求める。」とし,その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨以下のように述べた。

1 請求の理由

請求人において市場を調査したところ,本件商標が商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかにより,少なくとも,本審判の請求の登録前3年以内にその指定商品について使用された事実を発見することができなかった。

したがって,本件商標は,商標法第50条第1項によって,その登録が取り消されるべきものである。

2 答弁に対する弁駁

(1)請求人は,被請求人により提出された物件を精査したが,これらの物件によっては,本件商標が審判請求の登録日前3年以内に適法に使用された事実を立証するものと判断することはできない。

ア 登録商標の使用説明書について

本書面は,作成者が不明であり,作成の時期も不明である。

イ 商品写真

写真に示された商品包装には,商品の製造又は販売年月日の記載がなく,これ自体での使用の事実の立証には,ならないものといわざるを得ない。

ウ 納品書,請求明細書

平成16年9月21日付納品書及び請求明細書並びに平成17年9月25日付け納品書及び請求明細書は,いずれも被請求人発行の書面にすぎず,事実を推認させるに足る十分な証拠力を有するものと認めることはできない。

エ したがって,被請求人提出に係る物件すべてを総合しても,なお,被請求人主張の商標使用の事実は,立証されていないといわざるを得ない。

(2)仮に,上記(1)ウの納品書,請求明細書によって,商標使用の事実が認定されるとしても,なお,上記書面の示す合計販売数量は,VCローション80個,金額にして16万8千円であり,答弁書は,これ以上の販売のあった事実を立証していない。

そうすると,前記の数量,金額をもって3年間継続して使用した取引活動があったとの主張に十分見合う数量,金額とは,到底認めることができない。換言すれば,上記販売数量,金額によっては,試作用の商品の販売程度にすぎず,一般市場で実際に流通したものとは,到底認め難いもので,かかる使用は,商標法50条第1項にいう使用の範ちゅうに入らないものと考える。

(3)したがって,本件商標は,審判請求の登録の日前3年以内に日本国において,適法に使用されていたものと認めることはできない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求め,その理由を要旨以下のように述べ,証拠方法として「登録商標の使用説明書」(以下「使用説明書」という。)を提出している。

1 本件商標は,その指定商品中「化粧水」に使用されており,その事実は,使用説明書に添付した証拠に示すとおりである。以下,同書及び添付の証拠に従って使用事実を立証する。

(1)使用に係る商品

添付の商品写真に示すとおりの「化粧水」(以下「本件商品」という。)である。

(2)本件商標の使用

添付の商品写真に示すとおり,本件商品の容器(ポンプ式ボトル及び外箱)の表面に本件商標と同一の「ペジーセージ」の文字が顕著に表され,本件商品に本件商標が使用されている。

(3)商標の使用者

上記写真の容器の各背面及び添付の取引伝票に示すとおり,本件商標権者である「株式会社佳香園」が使用している。

(4)商品の販売事実

本件商品が実際に販売された事実の一例は,添付の「納品書」及び「請求明細書」に示すとおりである。これらの取引伝票は,本件商品が商標権者株式会社佳香園から,有限会社ジャパンコスメ(大阪府大阪市中央区淡路町在)に販売された事実を示す伝票であり,詳細は,以下のとおりである。

ア 平成16年9月21日付け「納品書」及び「請求明細書」は,本件商品(50本)が株式会社佳香園から有限会社ジャパンコスメ(大阪府大阪市中央区淡路町在)に販売された事実を示すものである。

イ 平成17年9月25日付け「納品書」及び「請求明細書」は,本件商品(30本)が株式会社佳香園から有限会社ジャパンコスメ(大阪府大阪市中央区淡路町在)に販売された事実を示すものである。

2 以上のとおり,本件商標は,継続して3年以上日本国内において商標権者が指定商品中「化粧水」について使用しており,本件商標の登録は,取り消されるべきでものではない。

第4 当審の判断

1 被請求人の提出に係る使用説明書によれば,以下の事実が認められる。

(ア)使用説明書には,その作成者及び作成年月日の記載がない。

(イ)使用説明書に添付された商品の写真は,本件商品の容器及びその包装箱を撮影したものと認められるところ,そのいずれにも,表側に本件商標と社会通念上同一と認められる「ペジーセージ」の文字が表示され,その下段に「VC LOTION」の文字が表示され,さらに,その下段に「KAKOEN」の文字が表示されている。また,これらの裏側にも,上記「ペジーセージ」の文字が表示され,その下段に「VCローション」,「(化粧水)」,「NET.40ml.」の文字が表示され,さらに,商品説明等が記載され,製造販売元として「株式会社 佳香園」の文字が住所と共に記載されている。本件商品の容器及びその包装箱自体には,製造又は販売の年月日は,表示されていない。また,この写真の撮影者,撮影日,撮影場所についての記載はない。

(ウ)使用説明書に添付された平成16年9月21日付け及び平成17年9月25日付けの2通の「納品書」は,被請求人から「有限会社ジャパンコスメ」に宛てられたものと認められ,いずれも,品名欄に「ペジーセージVCローション40ml」と記載されているほか,数量,単価及び金額がそれぞれの欄に記載されている。これらの納品書には,被請求人による押印はない。

(エ)使用説明書に添付された平成16年9月21日付け及び平成17年9月25日付けの2通の「請求明細書」は,被請求人から「有限会社ジャパンコスメ」に宛てられたものと認められ,いずれも,品名欄に「ペジーセージVCローション40ml」と記載されているほか,数量,単価及び金額がそれぞれの欄に記載されている。これらの請求明細書には,鮮明ではないものの被請求人の印章らしきものが付されている。

(オ)上記(ウ)の納品書と上記(エ)の請求明細書とは,それぞれの日付に対応して記載された品名,数量,単価及び金額が一致している。

2 上記認定事実によれば,上記(イ)の写真に撮影された商品と上記(ウ)及び(エ)の書面に記載された商品とは,同一のものを指しているものといえなくもない。

しかしながら,上記(ウ)の納品書は,発行者たる被請求人の印章がないばかりでなく,本来,納品書は,その性格からして,納品物(商品)とともに相手方に引き渡されるべきものである。仮に,これが被請求人の控えであるとしても,その主張も立証もなく,確認はできない。そして,上記(ウ)及び(エ)の書面は,いずれも被請求人が一方的に作成発行したものであって,相手方が受け取ったことを示す証左はなく,客観性に乏しいものである。また,上記(ウ)及び(エ)の書面には担当者を示すと思われる欄があるにもかかわらず,そこには,何らのチェックもなく,商品取引場裏におけるかかる書面の慣行とも相いれないものである。そうすると,これらの書面は,信憑性に乏しいものといわざるを得ず,その記載内容を直ちに信ずることはできない。

さらに,上記(イ)の写真は,商標及び商品が明らかであるところから,これが商標法にいう商品又は商品の包装に標章を付する行為に当たり,標章についての使用に当たるとしても,その撮影者,撮影日,撮影場所が明らかでなく,この写真のみによっては,本件審判の請求の登録日前3年の期間における本件商標の使用があったと認めることはできない。

その他,本件商標がその指定商品について使用されていることを認めるに足る証拠はない。

以上を総合勘案すると,被請求人は,本件審判の請求の登録前3年以内に本件商標がその指定商品について使用をしていることを証明していないものといわざるを得ない。

また,その使用をしていないことについて正当な理由があると被請求人が述べるものでもない。

したがって,本件商標は,本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても,その指定商品について使用をされていないものであるから,商標法第50条第1項の規定に基づき,その登録を取り消すべきものである。

よって,結論のとおり審決する。

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