Trademark Appeal Case
塩の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−9307(T2005−9307/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、「塩お好み焼き」の文字を標準文字で表してなり、第30類「お好み焼き,たこ焼,おこのみ弁当,冷凍お好み,調味料,香辛料,ピザ,しゅうまい,菓子パン,もんじゃ焼き,お好み焼のもと,その他小麦粉製品」を指定商品として、平成15年9月12日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、同16年5月27日付け手続補正書をもって、第30類「冷凍お好み焼き,お好み焼き弁当」に補正されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『塩味(塩風味)のお好み焼き』であることを容易に認識させる『塩お好み焼き』の文字を書してなるから、これをその補正後の指定商品に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
当審において、本願商標「塩お好み焼き」が、その指定商品について、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べを行ったところ、下記の事実を発見したので、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知し、期間を指定して、意見を述べる機会を与えた。
1.本願商標の構成中「塩」及び「お好み焼き」の文字に関して広辞苑等辞書によれば、以下の事実が認められる。
(1)「塩」について
(a)「塩」:「塩化ナトリウムを主成分とする、しおからい味のある白色の結晶。食用・工業用に重要。清めにも使われる。一般に、食塩。塩加減。しおけ。」(株式会社岩波書店 「広辞苑第五版」)との記載がある。
(b)「塩」:=「しょくえん(食塩):食用となる塩。・・・調味料として、また、生理的にも大事な物質であり、歴史的に見ても人間の食物に用いられた古くからある重要な物質の一つである。」(「改訂 調理用語辞典」編集発行人 社団法人 全国調理師養成施設協会 平成10年12月25日発行)との記載がある。
(2)「お好み焼き」について
(a)「御好み焼」:「水で溶いた小麦粉に魚介類・肉・野菜など好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で思いのままに焼きながら食べる料理。」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)との記載がある。
(b)「御好み焼き」:「水溶きした小麦粉に、卵、肉、エビ、イカ、野菜など好みの材料を加え、鉄板で焼きながら食べる料理。具、調味料など好みに合わせて思いのままに作ることができるのでこの名がある。江戸末期、水溶きした小麦粉を焼き鍋に薄く流して焼き、みそを塗って巻いたのが始まりといわれる。・・・」(「改訂 調理用語辞典」編集発行人 社団法人 全国調理師養成施設協会 平成10年12月25日発行)との記載がある。
(c)「御好焼」:「小麦粉を水または牛乳でといた種に、好みの材料をまぜて焼く。鉄板焼きの1種。〔つくり方〕種は1人前小麦粉100gに水または牛乳を加えてとき・・・・・薬味はもみのり、みじん切り紅しょうがなどを用意し、仕上げる前に振る。醤油、ソース、ケチャップなど好みのものをかける。」(「総合食品事典 ハンディ版」発行所 株式会社 同文書院 平成10年4月5日発行)との記載がある。
2.「塩」の文字が料理名・食品名等と一体に使用されている実情について
(1)「[味な交差点]『信濃屋』 西川きよしらもファン」(読売新聞 2000.07.26 東京夕刊)の見出しのもと「・・・・店の一番人気は『上ロースカツ』(1500円)、通称『塩とんかつ』。なじみの取引先から仕入れた黒豚、特注のパン粉などを使い、塩を盛った皿を一緒に出す。とんかつはソースをかけるもの、という先入観はここで覆される。・・・・」との記載がある。
(2)「TOKYO発 味な主役 塩 手作りから外国産まで...商品数1500種以上」(2001.08.20 東京新聞 朝刊)の見出しのもと「・・・・『高級てんぷら店は塩で食べさせる。ならば天丼にも塩があっていい』と“たれ一辺倒”だった天丼に国内産天然塩を用い、ニューウエーブに。今年度中に二十店舗に拡大する方針という。主力は『元祖塩天丼』(四百八十円)。」との記載がある。
(3)「広がる塩味ワールド 塩天丼・塩にぎり、大ヒット 自由化で種類豊富に 素材生かす しょうゆに無い魅力」(2002.03.20 中国新聞 朝刊)の見出しのもと「・・・・塩で味付けした商品の大ヒットに声を弾ませる。『塩こそ素材を生かす調味料。しょうゆに無い魅力があります』と語るのは、東京・神田の『すし昌』板長、新津豊さん。四種類の塩を使い分ける名物“塩にぎり”を目当てにした客が、この一年で急増したという。・・・・」との記載がある。
(4)「郷土の味に児童ら舌鼓 宇多津の学校給食に地元食材=香川」(2003.01.25 読売新聞 大阪朝刊)の見出しのもと「献立は、・・・・高菜の一種のマンバのゴマあえ、藻塩を使った塩アイスなど。・・・・」との記載がある。
(5)「『月島シーフードもんじゃ焼』発売(ブルドックソース)』(2003.12.15 日本食糧新聞)の見出しのもと「『月島シーフードもんじゃ焼』は、基本の材料(あげ玉・もんじゃ焼ミックス粉・切りイカ・青のり)をベースにフリーズドライシーフード具材(イカゲソ・エビ・カニ風味カマボコ)をセット。水とキャベツを用意するだけで手軽に楽しめる。風味豊かなシーフードとさっぱりとして食べ飽きない控えめな塩味が特徴。塩もんじゃソース20g・もんじゃ焼ミックス粉20g・・・」との記載がある。
(6)「エスフーズ、鍋シーズンに向け『鍋用スープ』シリーズ4品を全国発売」(2003.09.19 日本食糧新聞)の見出しのもと「・・・・(3)長期熟成により味に深みが増した味噌を合わせ、まろやかさにこだわった味噌味の『豚みそ鍋スープ』(4)鶏がらスープをベースに、素材の味が引き立つすっきりとした塩味に仕上げた『塩ちゃんこ鍋スープ』」・・・・」との記載がある。
(7)「(うまいものが食べたい)塩たこ焼き 素材の良さじっくりと /北海道」(2005.08.13 朝日新聞 北海道朝刊 )の見出しのもと「・・・・それも最近はソースではなく『塩たこ焼き』がちょっとした人気だ。・・・・ここの売りは「北海塩たこ焼き」。大玉のたこ焼きに塩をふりかけ、マヨネーズ、青ネギ、網エビ、白ごまをまぶし完成。・・・・」との記載がある。
(8)「ミニニュース」(2005.11.19 中日新聞 朝刊 東三河版)の見出しのもと「・・・◇ヤマサちくわが新商品 沖縄県の天然塩と利尻昆布で作るつゆで煮込む『塩おでんセット』(2000円)・・・」との記載がある。
3.ソース以外のお好み焼きの味付けについて
(1)「NAGOYAフードビジネスショー閉幕」(2000.10.06 日本食糧新聞)の見出しのもと「・・・・今回の目玉であるイベント会場には昭和30年代を再現した屋台村が設置され、当時の味を楽しめるとあって大勢の参観者が集まり、ロバのパン、うどん、中華そば、カレーお好み焼きなど、なつかしの味に舌鼓を打った。・・・・」との記載がある。
(2)「『控えめに』と言われがちな 塩*国産の8割道内産なのに 砂糖*業界が隠れた良さPR」(2001.10.25 北海道新聞朝刊地方)の見出しのもと「・・・・・ 来年四月から、塩の輸入は完全自由化される。食品PRを手がけるスーパーピーアール(東京)の蓮香尚文社長は『完全自由化で塩焼きそばや塩お好み焼き、塩天丼(てんどん)など塩メニューはますます広がるのでは』と見ている。・・・・」との記載がある。
(3)「[情報ひろば]ヒガシマル醤油 お好み焼き用『お好みしょうゆ』 2月3日に発売」(2003.01.28 毎日新聞 大阪夕刊)の見出しのもと「■お好み焼き用しょうゆ ヒガシマル醤油は、お好み焼き用『お好みしょうゆ』=写真=を2月3日に発売する。昭和初期にはお好み焼きはしょうゆで食べるのが一般的だったといい、かつおだし、鶏がらだし、野菜のうまみを加えて、コクのある味にしたという。・・・・」との記載がある。
(4)「カラフル薬膳お好み焼レシピ:ヨモギとトロロの玄米味噌お好み焼」(2003.05.10 百歳元気新聞)の見出しのもと「◆肩こり ヨモギとトロロの玄米味噌お好み焼 ふっくら焼き上げ、みたらしあんで 〈材料・2人分〉【生地】・『発芽玄米粉』 大さじ2・・・・だし汁 1/3カップ ・味噌 大さじ1/4 ・ヤマイモ 10グラム・・・・」との記載がある。
(5)「若竹調理学園」のホームページにおいて「お好み焼きコース一覧」中、「お好み焼き・鉄板焼店開業パワーアップコース」に「お好み焼き応用編〈山かけ焼き、カレーお好み焼き、スペシャル焼き〉」との記載がある(http://www.wakatakegakuen.co.jp/okonomi-main.html)。
(6)「グルメウォーカー」のホームページにおける「お好み焼 門」の「おすすめメニュー」に「豚としめじガーリックしょうゆお好み焼き 950円」との記載がある(http://www.okonomiyaki-mon.kansai.walkerplus.com/osusume.html)。
(7)「グルメウォーカー」のホームページにおける「お好み焼 いっぱち」には、「カレーお好み焼は、手作りカレーを好きなお好み焼にかけて味わう(プラス¥200)」との記載がある(http://www.ippati.kansai.walkerplus.com/)。
第4 職権証拠調べに対する請求人の意見
前記「証拠調べ通知」に対して、請求人からは何らの意見、応答はなかった。
第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり「塩お好み焼き」の文字を書してなるところ、その構成中「塩」の文字は「食塩、しおけ」を表す語として、また、「お好み焼き」の文字は「水で溶いた小麦粉に魚介類・肉・野菜など好みの材料を混ぜて、熱した鉄板の上で思いのままに焼きながら食べる料理」を意味する語として、それぞれ、一般に親しまれた語であることから、これら「塩」の文字と「お好み焼き」の文字とを連綴してなると容易に理解、認識されるものである。
そして、食品を取り扱う業界においては、商品の品質、食味等を表示する語として、食味や風味を表す語と料理名や食品の名称を表す語とを一連に表示して、「その味又は風味の食べ物」であることを表すものとして普通に使用されているところであって、味付けに使用される「塩」の文字が料理名又は食品の名称と一体に使用されている実情については、前記第3の証拠調べ通知中の2.で通知した新聞記事情報の記載のとおりであり、また、お好み焼きについて、一般的なソース以外の味付けの実情については、同証拠調べ通知中の3.で通知した新聞記事情報及びインターネット情報の記載のとおりである。
そこで、上記実情を総合的に勘案すると、調味料の一種である「塩」の文字と一般に親しまれた料理名といえる「お好み焼き」の文字を一連に表した「塩お好み焼き」の文字に接する取引者、需要者は、全体として「塩味のお好み焼き」の意味合いを認識、理解するとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、これをその補正後の指定商品に使用するときは、該商品が「塩味の冷凍お好み焼き、塩味のお好み焼き弁当」であることを認識させるにとどまるものであって、自他商品を識別するための標識としての機能を有せず、単に商品の品質、食味を表示してなるにすぎないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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