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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類否と要部

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−19550(T2005−19550/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成16年10月29日に登録出願されたものである。そして、指定商品については、当審において同17年12月19日受付けの手続補正書により、「コンピュータ用データ蓄積装置,コンピュータ用データカートリッジ」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2254536号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和61年11月7日登録出願、第11類「電子計算機(電子計算機用プログラムを記憶させた磁気デイスク・磁気テ−プを含む)」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録され、その後、同12年6月20日に商標の存続期間の更新登録の設定がなされ、現に有効に存続しているものである。

同じく、登録第4342982号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ターボ」の片仮名文字と「turbo」の欧文字とを上下2段に横書きしてなり、平成9年4月10日登録出願、第9類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同11年12月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

同じく、登録第4715721号商標(以下「引用C商標」という。)は、別掲(3)のとおりの構成よりなり、平成15年4月4日登録出願、第9類及び第28類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年10月3日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、その指定商品について前記1のとおり補正された結果、引用B商標の指定商品と同一又は類似の商品は、すべて削除されたものである。

その結果、本願商標の指定商品は、引用B商標の指定商品と類似しない商品になったと認められるものである。

(2)本願商標と引用A商標及び引用C商標との類否について

本願商標は、別掲(1)のとおり、図形と「Turbo」の文字の組合せよりなるところ、構成中の上部に表された図形部分と、その下部に普通に用いられる程度の装飾的な字体で書された文字部分とは、視覚的に分離して看取されるばかりでなく、これらを常に一体のものとみるべき特段の理由は認め得ないものであるから、図形部分と文字部分のそれぞれが独立して自他商品識別標識としての機能を果たし得るものといえる。

また、構成中の図形部分からは、なんら特別な観念も生じないものであるところ、簡易迅速を旨とする取引の実情においては、当該商標を称呼するにあたり、構成中の文字部分に着目しこれより生ずる称呼をもって取引に資する場合も少なくないといい得るものであるから、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、明瞭に記載された「Turbo」の文字部分に着目し、該文字より生ずる称呼をもって取引に資することも少なくないというのが相当である。

してみれば、本願商標は、「Turbo」の文字部分に相応して「ターボ」の称呼を生ずるものといわなければならない。

他方、引用A商標は、別掲(2)のとおり「TURBO C」の欧文字よりなるところ、商取引においては、商品の記号・符号としてアルファベット2文字及び1文字を当該商品の規格、型式等を表すための記号又は符号として商取引上類型的に採択、使用している実情が認められるものであって、構成中の「C」の文字は、その一類型といい得るものであるから、これを除いた「TURBO」の文字部分より生ずる称呼によっても取引される場合もあるといい得るものであり、引用A商標よりは「ターボシイ」の称呼と共に「ターボ」の称呼をも生ずるというのが相当である。

また、引用C商標は、別掲(3)のとおり「ターボ」の片仮名文字と「TURBO」の欧文字を2段に横書きしてなり、上段に記載された「ターボ」の文字は下段の「TURBO」の文字の読みを表しているものとみるのが自然であって、引用C商標よりは「ターボ」の称呼を生ずること明らかである。

してみれば、本願商標と引用A商標及び引用C商標は、「ターボ」の称呼を共通にする類似の商標であるといわなければならないものであり、また、それぞれの構成中の「Turbo」及び「TURBO」の文字部分からは、いずれも「ターボチャージャー」等の観念を生ずるものであるから、観念においても類似する商標である。

そして、本願商標の指定商品は、引用A商標及び引用C商標の指定商品と同一又は類似するものを含むものである。

したがって、本願商標と引用A商標及び引用C商標とは、「ターボ」の称呼及び「ターボチャージャー」等の観念を共通にする類似の商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用A商標及び引用C商標の指定商品と同一又は類似のものと認められる。

(3)請求人の主張について

(ア)請求人は、過去の審決例等を挙げて、本願商標の文字部分には自他商品識別力がなく、本願商標の自他商品識別力において重要な役割を果たす部分は図形部分であるから、本願商標の文字部分に識別力があることを前提に、引用各商標と類似すると判断し、商標の総合的、全体的考察を怠った原査定には判断の誤りがある旨主張している。

しかしながら、請求人提出の証拠(甲第17号証)等によっても「Turbo」又は「ターボ」の文字の各種商品についての使用状況は様々であり、これらの証拠をもって、特定の商品の品質表示、あるいは品質を誇称する語として普通に使用されているものとは直ちに認め難いものであり、特に該文字が本願指定商品「コンピュータ用データ蓄積装置,コンピュータ用データカートリッジ」を取り扱う業界において、特定の品質を表示、あるいは品質を誇称するものとして普通に使用されている事実があるとはいい得ないものであることから、本願商標の「Turbo」の文字部分は「自他商品識別力」を有するものであるといわなければならない。

また、本願商標の図形部分については、同様のものが1997年10月から2005年まで「コンピュータ用データ蓄積装置」等に使用されている事実(甲第1号証乃至同第6号証及び同第13号証)及び該図形と「Turbo」の文字を組み合わせた本願商標が2004年10月29日頃から使用されている事実(甲第9号証及び同第15号証)は伺えるものの、該事実のみによっては、本願の指定商品の需要者等にとって、本願商標の図形部分と文字部分が識別力において質的な軽重があり、図形部分によって識別される商品群の一つと認識、理解されるものとはいい得ないものであって、本願商標の構成からは、その文字部分に相応して「ターボ」の称呼及び「ターボチャージャー」等の観念を生ずる事は上記(2)で述べたとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(イ)また、請求人は、引用C商標(TURBO)の審査時において引用A商標(TURBO C)が引用されていない事実は、「TURBO C」の文字よりなる引用A商標は全体として一つの識別標識として機能し得ると判断されたものであり、また、該事実から、本願商標と引用A商標は類似しない旨主張する。

しかしながら、商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであり、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべく、しかもその商品の取引の実情を明らかにし得る限り、その具体的取引状況に基づいて判断すべきである(最高裁昭和43年2月27日第三小法廷判決・民集22巻2号399頁)ところ、本願商標と引用A商標又は引用C商標とが類似するか否かの判断は個別になされるべきであり、構成文字、判断時期又は指定商品等の相違等の事情の異なる登録例の存在を参酌し、それに従わなければならないものではなく、たとえ請求人が主張するように引用C商標(TURBO)の審査において、引用A商標(TURBO C)が引用されていないとしても、本願商標と引用各商標との類否については、上記(2)のとおりであるから、請求人の上記主張は採用できない。

(4)むすび

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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