結論テキスト
審判費用は,被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30116(T2006−30116/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第4639914号商標(以下「本件商標」という。)は,「YOKOMO」の欧文字と「ヨコモ」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり,平成14年5月23日に登録出願,第28類「おもちゃ,人形,スキーワックス,遊園地用機械器具(業務用テレビゲーム機を除く。),愛玩動物用おもちゃ,囲碁用具,歌がるた,将棋用具,さいころ,すごろく,ダイスカップ,ダイヤモンドゲーム,チェス用具,チェッカー用具,手品用具,ドミノ用具,トランプ,花札,マージャン用具,遊戯用器具,ビリヤード用具,運動用具,釣り具,昆虫採集用具」を指定商品として,同15年1月24日に設定登録されたものである。
請求人は,請求の趣旨を「結論同旨の審決を求める。」とし,その理由及び答弁に対する弁駁(「口頭審理陳述要領書」を含む。)を以下のように述べ,証拠方法として,甲第1号証ないし甲第7号証(枝番号を含む。)を提出した。
本件商標は,その指定商品について,商標権者,専用使用権者及び通常使用権者のいずれもが継続して3年以上日本国内において使用した事実がない。したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定に基づき,その登録は,取り消されるべきものである。
被請求人は,その答弁書において,本件商標は,本件審判請求登録日以前より商品「人形」において使用していたと主張しているが,そのような事実はない。被請求人の主張は,虚偽であると同時に,証拠として提出した乙各号証のパッケージに表現されている「YOKOMO」なる文字の記載及び人形のブーツに表現されている「YOKOMO」なる文字の記載は,偽造したものである。さらに,その偽造した人形本体をパッケージとともに自社のサービスショップ(神奈川県厚木市船子153)にて販売しているとしているが,そのような事実もない。また,納品書,注文書及び請求明細書における品名「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」あるいは「1/8フィギュア(完成品)YOKOMO」との記載あるいはそれら書類に記載されている日付等もすべて偽造したものである。
以下,被請求人の主張が虚偽であること,及び,証拠として提出した「商品パッケージ」,「人形」,「納品書,注文書及び請求明細書」に記載されている「YOKOMO」なる文字等の記載は,偽造したものであること,並びに,サービスショップにて販売されていた事実もないことを以下に証明する。
(1)商品パッケージ
ア 乙第1号証の1ないし4の商品パッケージ写真に「YOKOMO」の文字を含め各種文字及び図形が表現されているが,このパッケージ写真は他社より発売されているパッケージの正面,側面及び上蓋面に表現されている記載を自社のものとして偽造したものである。
審判請求人は,乙第1号証に相当する実際に発売された商品パッケージ及びその中身の商品について入手している。手元にある実際のものを偽造した乙第1号証の1ないし4との相違が明確となるようにほぼ同一の角度から撮った写真及びその他の角度からの写真を甲第1号証の1ないし5として提出する。
イ 具体的な偽造点
(ア)甲第1号証の1,2及び4で明らかなように,実際のパッケージの正面は,「AIZUコールドキャスト製塗装済み完成品1/12スケール記号(マルにS)(マルにU)(マルにE)(バイクガールVer)1 of 200 pcs.」と表現されているのに対し,乙第1号証の対応する正面は,「1/12フィギュア塗装済み完成品YOKOMO」と表現し,甲第1号証のものを偽造している。
(イ)パッケージの側面に表現されている「注意書」は,甲第1号証の2及び5から明らかなように,対象年齢「14歳以上」を「15歳以上」とした点を除き,同一内容である。
(ウ)パッケージの側面に表現されている発売元は,「有限会社アイズプロジェクト(神奈川県厚木市岡田2−8−28天幸ビル44−201)」となっているのに対し(甲第1号証の2及び5),乙第1号証の2では,発売元を「京商株式会社」と偽造している。
(エ)パッケージの上蓋面の実際のものは,左上に「MADE IN CHINA」の文字が表現されているのみであるのに対し(甲第1号証の3),乙第1号証の3では「60111 5800 1/12フィギュア(完成品)YOKOMO1/12Scale Doll YOKOMO・・・京商株式会社・・・」なるシール状のものを貼付して偽造している。
ウ 上記事実より,答弁書の「本件商標の使用形態は,乙第1号証商品パッケージ写真に示されるように,欧文字にて「YOKOMO」とややグラデーションを用いた燈色にて,パッケージ正面に顕著に表現されている。」との主張は,偽造した商品パッケージに基づく,虚偽の主張である。
(2)人形
ア 甲第2号証の1の人形は,その全体の形状及び色彩より,被請求人が証拠として提出した乙第2号証の人形とブーツの文字を除いて,同一のものである。
イ 乙第1号証の1,2,4,乙第2号証及び乙第3号証の人形の左右のブーツの側面に「YOKOMO」なる文字が表現されているが,上記甲第1号証の商品パッケージに収められている実際の人形は,甲第2号証の1のものであり,そのブーツには,文字の表現は,一切ない。甲第2号証の2は,人形のブーツ部分のみを拡大した写真であるが,そこには,文字が表現されていない事実が明確である。このことは,上記甲第1号証の商品パッケージにおける人形のブーツの表現からも明らかである(甲第1号証の1,2及び4)。被請求人の提出した証拠は,実際のブーツに上記「YOKOMO」の文字を加えたものである。
ウ 上記事実より,答弁書の「乙第2号証人形本体写真に示されるごとく,該人形のブーツにも欧文字にて『YOKOMO』と商標が直接表現されている。」は,偽造した商品に基づく,虚偽の主張である。
(3)人形とバイク
ア 甲第3号証の1は,セット販売されているオートバイ模型と上記甲第2号証の人形とを組み合わせ,被請求人の提出した乙第3号証のものと同一角度より撮った写真である。バイク及び人形の形状並びにその色彩より乙第3号証のものとブーツの文字を除いて,同一のものである。
イ 本件に係る「人形とバイク」の商品は,被請求人が主張している発注先となっている有限会社アイズプロジェクトがセット商品として2006年2月19日より直接販売している。その事実は,インターネットにおけるホームページから明らかである(甲第3号証)。
ウ 被請求人は,「当該人形は,需要者が家庭やオフィスでダイキャスト製オートバイ模型を飾る際,そのオートバイ模型に華を添えるような意味合いをもった人形にして,その飾り方(オートバイ模型との組み合わせ)の実際の状態を乙第3号証写真をもって示す。」と主張しているが,乙第3号証は,人形の飾り方を示しているものではなく,上記のとおり,他社のインターネット販売において,セット価格が12,600円(甲第3号証の2)と記載されていることからも明らかなとおり,有限会社アイズプロジェクトがオートバイ模型と人形とをセット販売しているものであり,そのセット販売がゆえに,すべてオートバイ模型と人形とを組み合わせた写真が表現されているものである(甲第3号証の2ないし5)。人形のみの販売であれば,甲第3号証の4及び5の他の人形のように背景のない状態のものが示されるはずである。仮に背景があった場合,その背景には,様々な形態が考えられるはずであり,背景のすべてが996Rのダイキャストカーとなることは,有り得ない。セット販売であることは,明確である。甲第3号証の2ないし5のホームページあるいは関連する他の資料を見ても,人形のみを単独で表現している写真は,一切なく,且つ当該人形を単独で販売しているという記載もない。請求人は,有限会社アイズプロジェクトに「人形のみを購入したい」旨の購入依頼をしたが「人形のみでは販売していない」と断られた。
(4)サービスショップ及び被請求人の会社内容
ア 被請求人は,被請求人のサービスショップ(神奈川県厚木市船子153)(乙第4号証)において,乙第1号証に示す商品パッケージに包装して乙第2号証の人形を販売していると主張しているが,この場所は,京商株式会社の敷地内のビル2階の京商社屋の一部に存在し(甲第4号証の1),その展示品については,被請求人は,いつでも自由に操作できる立場にある。また,該サービスショップは,自社のラジコンの競技施設の敷地に隣接したビル内にある関係上,ラジコンカー及びその関連部品のみを取り扱う専門ショップであり,被請求人が主張しているようなラジコンカーと関係のない「オートバイ模型に華を添える」目的の人形を単独で販売するショップではない。したがって,当該場所において人形のみを6,090円で販売することは,有り得ず,被請求人は,ショップの棚上に偽造した商品パッケージと偽造した人形をバイクとともに見本として展示配置し,当該人形を販売したあるいはしているように見せかけた写真を乙第4号証の1及び2として提出したものである。
イ 被請求人のインターネットにおけるホームページに被請求人の会社案内(甲第4号証の2)が示されているが,その組織図から営業本部は,ラジコンカーのようなリモコン操作により可動可能な車やその関連部品等を扱う「R/C(ラジコンカー)営業本部」と乙第3号証に写真として撮られている996Rのようなダイキャストカー等の走行させない車等の飾って楽しむコレクター用商品を扱う「ホビー営業本部」とよりなり,人形を扱う組織はない。そのような部署分けの関係上,被請求人が主張する当該人形あるいは人形とバイクが販売されるのであれば少なくともダイキャスト製ミニカー等のダイキャストモデル専門の直営店である「MINICAR GALLERYPIT」において展示販売されるはずである(甲第4号証の3)。被請求人の会社組織及び被請求人に係る製品の販売ルートからして本件の「人形」が乙第4号証に示すR/Cを専門に取り扱うサービスショップで販売される必然性は,全くない。
ウ 被請求人に係るレース・イベントのホームページ(甲第4号証の4)には,「京商サーキット横に,R/Cユーザーのための専門ショップがついにオープン!レースで必要なあのパーツ,前から欲しかったあのパーツがきっとみつかる。京商ならではの,総点数3,000点以上の豊富な品揃え。しかも,事前にお電話を頂くことで商品の予約・取り置きが可能に!これで欲しい商品が見つからない,ということが無くなります。京商は,今後も様々な形で,すべてのR/Cユーザーをバックアップして参ります!!」と掲載されており,乙第4号証のサービスショップは「サーキットパーツショップ」というラジコンカー及びその関連部品を取り扱う専門ショップであり,「人形」を単独で販売する形態のショップではない。
エ 被請求人の主張及び提出された証拠を時系列で示すと以下のとおりとなる。
イ.2005年12月13日
有限会社アイズプロジェクトに「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」を2006年1月13日を納期として10体発注した(乙第6号証及びその主張)。
ロ.2006年1月17 日
有限会社アイズプロジェクトが「1/8フィギュア(完成品)YOKOMO」を納品場所「京商厚木倉庫」に納入数「10」を納品した(乙第7号証及びその主張)。
ハ.2006年1月20日
売上伝票(納品書)には,商品「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」を1体,価格5,800円で一般需要者に販売した(乙第5号証及びその主張)。
ニ.2006年2月21日
乙第1号証ないし乙第5号証に示す写真は,被請求人に審判請求書の副本が到達した後の2月21日に撮影した写真である(被請求人の主張)。
上記より,被請求人は,「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」が10体,2006年1月17日に被請求人に納品され,同1月20日に一般需要者に1体販売されたことを主張し,その証拠として,乙第5号証ないし乙第7号証を提出している。ところが,1体販売した後となる同2月21日に撮った写真の乙第4号証の1及び2には,棚上に商品パッケージを前後方向に3パッケージ立て置きにしたものが2列,及び,その左側には,横に寝かせた状態で2段重ねた商品パッケージが2列並べて展示されており,棚上には,合計10体の商品パッケージが明確に写し出されている。1体を販売した後の写真となるので商品パッケージは9体となるはずである。当該写真が事実に基づくものでないことは,明らかである。
オ 上記事実より,乙第4号証の1及び2の写真は,商品パッケージ及び人形を偽造し,その偽造した商品を自社のサービスショップで販売しているかのように見せかけたねつぞう写真であり,かつ,被請求人の「乙第1号証商品パッケージに包装されて販売に供される乙第2号証人形本体は,乙第4号証に示すように,被請求人のサービスショップ(神奈川県厚木市船子15 3)にて,一般需要者を対象として販売されている。」との主張は,虚偽である。
(5)サービスショップの実態
請求人の代表者は,2006年3月21日(火曜,祭日),乙第4号証のサービスショップへ出掛けた。甲第5号証の1は,京商株式会社内の建屋2階にあるサービスショップへの案内を示す1階での写真である。そこには ,「CIRCUIT PARTS SHOP」と記載され,隣接するサーキット場(甲第5号証の2,奥の建屋2階にサービスショップが写し出されている)のR/Cに関連したもののショップであることを示している。甲第5号証の3は,乙第4号証の3とほぼ同じ角度から撮ったサービスショップ入口の写真である。乙第4号証の1,2の商品見本及び商品パッケージを載置しているとする棚は,甲第5号証の4に示すように,別の状態となっており(棚は,この壁面にしかなく,且つガラス棚であること及びその棚の支持具の位置並びに右側に位置している3段積みにされている車のパッケージ及びその中身等より,乙第4号証の1及び2と同一箇所であることが確認できる。),その他の場所を含め本件の商品見本及び商品パッケージは,どこにも存在しなかった。代表者は,当該商品がすべて完売されたことあるいはそれら商品を他の場所へ移設したこと等の被請求人の虚偽の主張が有り得るかと思い,本件商品につき店員に尋ねたところ「そのような商品は扱ったことがない」とのことであった。店員によれば「当ショップはラジコン模型関係の専門ショップであり,それ以外の製品は置いていない」とのことであった。この事実に反し,すべてが短期間において売却済であると被請求人が主張するのであれば,レジスターに記録されている領収書の控えである巻き取り式レシートの提出を求める。
比較的狭いショップ(甲第5号証の5)なので請求人の代表者は,取り扱い商品のすべてを確認してきたが,店員の言うとおり,ラジコン模型に関係のない商品は,一切展示されていなかった。
(6)納品書,注文書及び請求明細書
納品書(乙第5号証),注文書(控)(乙第6号証)及び請求明細書(乙第7号証)は,すべて被請求人の京商株式会社が印刷されている社内書類であり,自らいつでも自由に内容を改ざんすることができ,証拠としての信憑性は全くない。したがって,当該書類は,採用されるべきものではない。
(7)被請求人の他の主張
被請求人は,答弁書第3頁第7行目から12行目において「当該商品は,被請求人が有限会社アイズプロジェクト(東京都多摩市落合1丁目1番19号)に平成15年12月13日に発注して製作依頼した商品であり,前記販売に供された「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」,商品コード「60111」は,平成15年12月13日に発注し,平成16年1月17日に被請求人に納品されたフィギュア10体の内の一つである。」と主張しているが,発注や納品の日付が意味不明な主張であり,反論する内容のものではない。また,仮に,平成15年は2005年,平成16年は2006年の間違いだとしても,上記のとおり,納品書等は,社内書類であり,証拠には,成り得ない。
(8)有限会社アイズプロジェクト
甲第6号証は,有限会社アイズプロジェクトの会社案内である。模型,玩具及びキャラクターグッズ等の企画,製造,販売を事業内容の一つとしており,甲第3号証の2ないし5が事実であることが明白である。また,当該会社の主要取引先には被請求人の記載はなく,本件の人形のような商品が被請求人から有限会社アイズプロジェクトへ発注して製作依頼するようなルートを有するものでない事実が明らかである。
(9)結論
ア 上記事実より,下記のことが明白である。
イ.オートバイ模型とセット販売されている甲第2号証の人形は,有限会社アイズプロジェクトで製造,販売しており,被請求人が販売した事実はない。
ロ.本件に係る人形は,他社において「ミニチャンプス社製ドカティ996R」のオートバイ模型とセット販売されている。したがって,他社の商品の一部を被請求人のものに改ざんし,その人形のみを自社のものとして単独で販売することは,正当な商行為ではない。
上記人形が他社において販売されたのは,「2月19日WF2006冬」の時点あるいはそれ以降であり,本審判請求書提出の後である。なお,甲第3号証の5で「ワンフェス夏にて発表しました・・・」との記載は,来たる冬に発売することを予告したことを意味している。
ニ.人形の名称は「3(マル)17(マル)12(マル)<バイクガールVer>」,「SUE/バイクガールVer」あるいは「1/12SUEバイクガールVer」,「1/12スケールSUEバイクガール」等であり「YOKOMO」ではない。
ホ.人形のブーツには,何らの文字も記載されていない。
等の事実が明らかである。
イ 以上のとおり,被請求人の主張が虚偽であること,及び,被請求人より提出された証拠は,すべて本件審判請求書の副本の到達後に偽造したものであり,それらは証拠として採用することができるものではない。上記事実より,「YOKOMO/ヨコモ」なる登録商標を被請求人が人形あるいはそれに関連する商品において使用した事実がなかったことは,明確であり,少なくとも雑誌や新聞等の信憑性のある証拠類が提出されていない以上,本件商標を取り消すとの審決を希求する。
(1)被請求人は,「フィギュア完成品を10体有限会社アイズプロジェクトに正式に発注している」とし,「人形のブーツに名前を印刷し,被請求人指定のパッケージシールを作成・貼着する一連の作業すべてを有限会社アイズプロジェクトによって行い,被請求人に納品されたものである」としている。しかし,商取引の常識上,有限会社アイズプロジェクトにおいて,既に「SUEバイクガール」なる標章が付与されている商品あるいはそれが決定している商品に対し,商品10体のみを販売する目的のために同一商品に対して該標章とは異なる自社の登録商標を有限会社アイズプロジェクトにおいて付与させる作業を行わせまでして販売をする合理的理由はない。「SUEバイクガール」で十分なはずである。被請求人は,何故に当該同一商品に有限会社アイズプロジェクトの標章とは異なる登録商標を付与したのか,並びに,「YOKOMO/ヨコモ」なる登録商標を商品10体の量及び金額が極めて些少な取引においてのみ使用したにとどまり,今後の該登録商標使用の説明もなく,該登録商標を商品を限定した販売目的のためにのみ使用したとする合理的根拠が全くない。
(2)請求人は,先の弁駁書(第1回)において,人形とバイクとをセットにした商品が有限会社アイズプロジェクトより2006年2月19日から直接販売された事実を明らかにしたが,有限会社アイズプロジェクトが自社のものとしてのみ宣伝している標章を付した商品に対し,同一商品で全く宣伝していない商品(パンフレットさえない。)に異なる登録商標を付して有限会社アイズプロジェクトの販売日より前となる同1月20日には,一般需要者に販売したとの主張は,商取引の常識を逸脱しており,有り得ない取引である。有限会社アイズプロジェクトが標章とともにインターネットのホームページ上で販売日を特定して宣伝したことの合理的説明がつかないし,また,他社における同一商品の契約や発注は,主たる販売元の売り上げ動向を確認した上で行うものであり,被請求人が主張及び提出した証拠の発注日,納期日,展示日及び販売日は,それらがすべてが虚偽であることを証明しているにすぎない。
(3)被請求人から提出の乙第1号証ないし乙第3号証である「パッケージ写真」,「人形本体写真」及び「人形とオートバイ模型との組み合わせ写真」は,いずれも本件審判請求日の後の2006年2月21日に撮影した写真であり,本件審判請求事件とは,関係なく撮影されたものではなく,これらの請求後に撮影されたものが証拠と成り得ないことは,過去の審決及び判決を示すまでもない。このことは,検乙第1号証として提出された現物においても同様である。
(4)被請求人は,先の答弁書(第1回)において「1/12フィギュア(完成品)YOKOMOは,・・・フィギュア10体の内の一つである」とし,サンプル品のことについては,何ら主張していなかったが,請求人より「1体を販売したにもかかわらず依然として10体がその後に撮影されている」事実を指摘されると,10体の納品に対し,サンプル品がケースを含めて別に1体納入されていたという不自然極まりない虚偽の主張をしている。10体のみの些少販売に対し,同一商品1体をサービス品として無料提供する商行為は,通常の取引としては,有り得ない。
また,被請求人は,自ら「平成17年の秋頃にフィギュアの製造販売を主としている有限会社アイズプロジェクトとフィギュア(YOKOMOちやん人形)のデザイン(ブーツへの名前入れ)やパッケージデザインの相談,打ち合わせをなし」とし,商品の発注に際して有限会社アイズプロジェクトと十分な相談,打ち合わせを行っている主張をしており,サンプル品は販売商品の確認を含め事前に受け取るものであること及び上記のように被請求人が主導的立場で且つ商品を熟知した上で発注していると主張していることから考え合わせれば,被請求人が有限会社アイズプロジェクトからサンプル品の提供を受けなければならない合理的理由はない。このことは,有限会社アイズプロジェクトの所在地が被請求人の会社から徒歩数分の場所に位置しており,事前にサンプル品を得る必要もなく,販売商品を直接確認するに容易な位置関係にあったことからも明らかである。
さらに,仮に,パッケージを含め販売商品と同一のサンプル品が提供されたとするならば(被請求人は,同一であることを主張。),10体仕入れるのが目的なのだから9体分を金銭をもって購入し,1体分が金銭の支払いが生じなかったサンプル品取引となるはずである。また,被請求人は乙第6号証の注文書及び乙第7号証の請求明細書を各々証拠として提出しているが,それらにおける商品の注文数,納入数は,いずれも10体となっており,且つ摘要には,サンプル品のことについて一切記載されていない。これでは,被請求人及び有限会社アイズプロジェクトは商品の在庫管理が不可能となる。通常,注文書あるいは請求明細書には,金銭発生の有無を問わず数量に関しては取引対象となった数が記入されるはずである。そうでなければ11体を販売(販売目的で展示したと主張している。)する被請求人における商品の入荷数と在庫数とが合わなくなり,在庫管理がなり立たない。このことは,有限会社アイズプロジェクトにおいても同様であり,出荷数を差し引く在庫数が合わなくなる。乙第6号証,乙第7号証及び被請求人の主張とが矛盾しており,該乙第6号証及び乙第7号証に信憑性は,全くない。
(5)乙第8号証及び乙第9号証を提出しているが,これらは上記証拠と同様,被請求人が作成した虚偽の資料であり,信憑性は,全くない。
(6)販売に供する目的で自社のサービスショップに陳列したとする当該商品は,同ショップ内の店員が語ったことを含め該ショップにもともと存在しておらず,写真撮影をするためだけの目的で陳列されたこと,さらに,2006年3月21日に該ショップに請求人の代表者が訪れた時には,当該商品が存在しなかった事実を指摘すると,販売を開始したばかりで1体が売却されている事実があり,販売行為が継続しているにもかかわらず該商品すべてを倉庫に移送したとし,その移送の合理的理由を何ら示すこともなく不自然極まりない主張を重ねている。
上記に係る当該商品の陳列を示した写真を証拠として提出しているが,その撮影日は,2006年2月21日であり,本件審判請求日の後である。したがって,この乙第4号証が証拠となり得ないことを付け加えておく。
(7)被請求人は,有限会社アイズプロジェクトの代表者である赤石沢賢樹社長の証明願を乙第10号証として提出しているので,請求人は,この証拠には何ら信憑性がないことを以下に主張し,甲第7号証を証拠として提出する。
甲第7号証は,2006年3月29日付の有限会社アイズプロジェクトに関する株式会社帝国データバンクの「調査報告書」である。同調査報告書第5頁に,有限会社アイズプロジェクトの代表取締役社長であり,乙第10号証の証明願における証明者である赤石沢賢樹氏が過去において被請求人の社員であった事実が明らかである。また,被請求人が答弁書(第2回)において,「有限会社アイズプロジェクトとフィギュアのデザインやパッケージデザインの相談,打ち合わせをした」,「正式注文に先立ち,有限会社アイズプロジェクトと取決めした」,「パッケージは被請求人と有限会社アイズプロジェクトとの間の打ち合わせに基づき,人形のブーツに名前を印刷し,被請求人指定のパッケージシールを作成・貼着する一連の作業すべてを有限会社アイズプロジェクトによって行い,被請求人に納品された」と主張していること,及び,既に使用する標章が決まり,インターネットのホームページ上に出所表示を宣伝していたにもかかわらず,その独占機能を失って出所混同が生じることになる同一商品に対し,被請求人の登録商標を同商品に付与する作業を何らの契約書を取り交わすこともなく(OEM契約等の契約書が証拠として提出されていないし,OEM契約にしては,対象と成る商品数が些少すぎる。)有限会社アイズプロジェクトに行わせ,被請求人の登録商標を使用させることを認めさせたと主張している事実,並びに,同調査報告書第9頁の主要得意先に被請求人の会社名が挙げられているにもかかわらず,甲第6号証に示すように,有限会社アイズプロジェクトにおいて作成したインターネットのホームページ上の主たる取引先には,被請求人の会社名が掲載されていない事実,等々から判断するならば,有限会社アイズプロジェクトは,被請求人と極めて親密な関係を有する関連会社であることが容易に推察でき,そのような関係が生じている代表取締役社長から提出された乙第10号証は,信憑性のある証拠には,なり得ない。
(8)先の弁駁書(第1回)において主張した「雑誌や新聞等の信憑性のある証拠類」の提出に全く応じていないばかりか,被請求人であれば提出可能な「レジスターに記録保存されている当該商品を販売した事実を証明する証となる巻き取り式レシート控」あるいは自社ブランドで販売する商品に対し,被請求人が毎年発行している「京商製品カタログ集」,自社のパンフレット及び広告類等さえも提出していない事実からも,被請求人の主張及びその証拠類は,本件商標の使用事実を立証する意図のためだけの虚偽の主張及び偽造資料であり,すべてにおいて信憑性のないことは,明白である。
なお,上記のとおり,現金売りとした納品書の証の裏付けとなるレシート控えさえも提出していない乙第5号証に証拠能力のないことは,言うまでもない。
(9)請求人は,有限会社アイズプロジェクトより被請求人が登録商標を付したとする該商標が付されていない同一商品を本件審判請求日後に入手していると同時に,2006年3月21日にサービスショップのカウンター内にいた者が「フィギュアは販売していない」旨を述べた録音テープを用意しているので,提出する用意がある。
(10)商標法第50条第2項は,不使用取消審判の請求があった場合においては,審判の請求日前にその登録商標を使用している事実を被請求人が証明しない限り,取消しを免れることはできない規定である。上記のように,被請求人は,虚偽が明白である主張並びに本件審判請求日後に撮影された写真である乙第1号証ないし乙第4号証,被請求人が作成した書類である乙第5号証ないし乙第9号証及び本件審判請求日後における被請求人の関係者からの証明である乙第10号証は,いずれも「YOKOMO/ヨコモ」なる登録商標を本件審判請求日前に当該商品に使用した事実を証明するものではなく,該登録商標を当該商品に使用した事実を立証する証拠には,なり得ない。したがって,本件商標は,取り消されるべきものである。
<省略>
被請求人は,本件審判の請求は成り立たない,審判費用は請求人の負担とする,との審決を求める,と答弁し,その理由を以下のように述べ,証拠方法として,乙第1号証ないし乙第10号証(枝番号を含む。)及び検乙第1号証を提出した。
(1)本件商標は,被請求人において,本件審判の請求の登録日以前より,商品「人形」について使用をしているものであり,請求人が主張するような不使用の事実は,存在しない。
本件商標の使用形態は,乙第1号証商品パッケージ写真に示されるように,欧文字にて「YOKOMO」とややグラデーションを用いた橙色にて,パッケージ正面に顕著に表現されている。
また,乙第2号証人形本体写真に示されるごとく,該人形のブーツにも欧文字にて「YOKOMO」と商標が直接表現されている。
当該人形は,需要者が家庭やオフィスでダイキャスト製オートバイ模型を飾る際,そのオートバイ模型に華を添えるような意味合いをもった人形にして,その飾り方(オートバイ模型との組み合わせ。)の実際の状態を乙第3号証写真をもって示す。
乙第1号証商品パッケージに包装されて販売に供される乙第2号証人形本体は,乙第4号証に示すように,被請求人のサービスショップ(神奈川県厚木市船子153)にて,一般需要者を対象として販売されている。
なお,乙第1号証ないし乙第4号証に示す写真は,被請求人に審判請求書の副本が到達した後の平成18年2月21日に撮影した写真であるが,審判請求登録日以前から前記のような販売形態をもって,一般需要者を対象として販売に供してきたものである。
(2)次に,前記「YOKOMO」人形の平成18年1月20日付の販売売上伝票の写しを乙第5号証に示す。
当該売上伝票(納品書)には,商品として「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」,商品コード「60111」と記載され,価格「5800」とともに,販売日付「06年01月20日」の記載があり,当該商品が本件審判の請求の登録日以前に一般需要者に販売された事実が示されている。
なお,「1/12フィギュア」の記載は,人形のモデルとなった女性の12分の1の大きさであることを示している。
(3)当該商品は,被請求人が有限会社アイズプロジェクト(東京都多摩市落合1丁目1番19号)に発注して製作依頼した商品であり,前記販売に供された「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」,注文数「10」,商品コード「60111」と記載され,納品場所を「京商厚木倉庫」とするとともに,発行日付「05年12月13日」の記載があり,当該商品が「人形」について,本件審判の請求の登録日以前に取引者間において使用されていた事実が示されている。
なお,品名に「1/8フィギュア(完成品)YOKOMO」となっているが,初期品名登録する際にこのように規格サイズについて誤登録してしまったものであり,当該コード「60111」の商品は,実際には「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」を特定するものである。
また,乙第7号証は,有限会社アイズプロジェクトが被請求人に対して発行した前記注文品の請求明細書であり,該請求明細書には,品番「60111」,商品として「1/8フィギュア(完成品)YOKOMO」,注文数「10」と記載され,納品場所を「京商厚木倉庫」とするとともに,納入日付「06年1月17日」,納入数「10」及び納入金額「25,000」との記載があり,当該商品が平成18年1月17日に納品された事実が示されている。
なお,前記したごとく,品名欄には「1/8フィギュア(完成品)YOKOMO」とあるが,実際の商品の規格は「1/12フィギュア(完成品)YOKOMO」である。
請求人は,平成18年4月3日付け弁駁書において,被請求人が申し述べた使用事実の内容は,すべて虚偽であるとし,提出証拠に関しては,偽造したものであると断定し,公然と被請求人を侮辱している点に関して強い憤りを覚えるところであるが,事実関係に特許庁の誤解がなきよう証拠の補足説明をするとともに,請求人の弁駁に対する反論を申し述べる。
(1)被請求人販売にかかる人形本体と商品パッケージが,「有限会社アイズプロジェクト」の商品(バイクガール)と基本的に同じであることは,人形の製造元が同一であるから当然のことであり,兎や角言われる筋合いはない。
被請求人は,被請求人が販売するダイキャストバイクを需要者がサイドボードなどで飾るときに,華を添える意味合いでフィギュアを組み合わせることで装飾価値が高まり,需要者のニーズがあるものと考え,フィギュアの販売を計画し,平成17年の秋頃にフィギュアの製造販売を主としている有限会社アイズプロジェクトとフィギュア(YOKOMOちやん人形)のデザイン(ブーツへの名前入れ)やパッケージデザインの相談,打ち合わせをなし,平成17年12月13日(平成18年2月28日付審判事件答弁書第3葉10行目の「平成15年12月13日 」は,「平成17年12月13日 」の誤記である。)に「フィギュア完成品『ヨコモ』」を10体有限会社アイズプロジェクトに正式に発注したものである(乙第6号証)。
正式注文に先立ち,有限会社アイズプロジェクトと取決めした内容で「製品原価計算書」(乙第8号証)を平成17年12月12日付けをもって作成してあることを補足しておく。
前記取引伝票に記載された事実をもって,被請求人が商品「人形」について「ヨコモ」商標を平成17年12月13日に使用した事実が既に存在しているのである。
(2)次に,有限会社アイズプロジェクトから被請求人に納入されたフィギュア(YOKOMOちやん人形)が,あたかも,被請求人の手で偽造したかのごとく請求人が主張しているので,現物を検乙1号証として提出する。
当該フィギュア(YOKOMOちやん人形)及びパッケージは,被請求人と有限会社アイズプロジェクトとの間の打ち合わせに基づき,人形のブーツに名前を印刷し,被請求人指定のパッケージシールを作成・貼着する一連の作業すべてを有限会社アイズプロジェクトによって行い,被請求人に納品されたものである。もちろん,表面シールに掲載されているダイキャストバイクは,被請求人会社がドイツのポールズモデルアート社から日本の正規代理店として輸入販売している製品である。
なお,有限会社アイズプロジェクトが同じフィギュアを何体製造したかは,被請求人の知るところではないし,いつどれだけ販売したかも被請求人には,全く関係のないところである。つまり,当該人形自体の版権は,有限会社アイズプロジェクトが所有するところであり,被請求人の指定にかかる名前ロゴの印刷,ラベル以外は被請求人が関与するところでないことは,当然である。
(3)被請求人は,乙第5号証「納品書写し」をもって,人形「YOKOMO」(「1/12 フィギュア(完成品)YOKOMO」,商品コード「 60111」)が平成18年1月20日に一般顧客に販売された事実を立証したが,当該事実を裏付ける証拠として,当該納品書に対応する売上伝票(伝票番号007729 )を乙第9号証として提出する。
(4)請求人は,被請求人が有限会社アイズプロジェクトに人形「YOKOMO」の製作依頼した事実はなく,審判請求書の副本受領後に,有限会社アイズプロジェクトの製品を購入して,証拠の偽造,ねつぞうを図ったと主張しているので,有限会社アイズプロジェクト代表者赤石沢賢樹社長の証明書(乙第10号証)をもって,被請求人の主張が真実であることを立証する。当該証明書には,有限会社アイズプロジェクト代表者赤石沢賢樹社長自身によって,平成18年1月17日に被請求人に納品された人形及びパッケージ並びに印刷ラベル,注意書きシールがすべて平成17年12月13日の被請求人の注文に応じて,有限会社アイズプロジェクトによって製造された(京商品番シールを除く)ものであることが証明されている。
また,請求人は,乙第4号証の1及び2の写真にサンプル品のケースが含まれていることを知らずに,数が合わない旨を声高に主張したり,たまたま商品の販売場所を移動させるために一旦倉庫にYOKOMO人形を移送した時に,被請求人サービスショップに請求人代表者が訪れ,その際に店頭にYOKOMO人形がなかったから,販売状況を示した写真は虚偽のものであると勝手に想像して乱暴な反論を主張している。
(5)以上,追加立証したごとく,被請求人は,本件「YOKOMO」商標を,商品人形に関して審判請求登録日以前である平成17年12月13日から公然と使用しており,請求人の本審判請求は,理由がなく,棄却せられるべきものである。
商標法第50条第1項の商標登録取消しの審判にあっては,その第2項において,その審判の請求の登録(本件の場合,平成18年2月12日)前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを被請求人が証明しない限り,使用していないことについて正当な理由があることを明らかにした場合を除いて,商標権者は,その指定商品又は指定役務に係る商標登録の取消しを免れない。
そこで,被請求人の提出に係る乙各号証を徴するに,乙第1号証は,商品パッケージの外部写真及び内部展開写真である。
乙第2号証は,人形本体写真である。
乙第3号証は,オートバイ模型と人形との組み合わせ写真である。
乙第4号証は,被請求人のサービスショップの状況写真である。
乙第5号証は,相手先不明の「納品書」写しである。
乙第6号証は,有限会社アイズプロジェクトへの「注文書(控)」写しである。
乙第7号証は, 同「請求明細書」写しである。
乙第8号証は,人形の「製品原価計算書」の写しである。
乙第9号証は,1/12フィギュア(完成品)YOKOMOの「売上伝票」写しである。
乙第10号証は,有限会社アイズプロジェクト代表者赤石沢賢樹の証明書である。
検乙第1号証は,検証したところによれば,乙第1号証(枝番号を含む。)の現物である。
そこで,上記各証拠を検討するに,乙第1号証ないし乙第4号証並びに乙第6号証ないし乙第8号証,乙第10号証及び検乙第1号証によっては,被請求人(商標権者)が請求外「有限会社アイズプロジェクト」に人形の製造を依頼し,これが納入されたことを認め得るにとどまるものである。
また,乙第5号証は,相手先不明の「納品書」写しであり,乙第9号証は, 同「売上伝票」写しであるところ,被請求人は,乙第5号証は,「『YOKOMO』人形の平成18年1月20日付の販売売上伝票の写し」であるとし,乙第9号証は,「商品として『1/12フィギュア(完成品)YOKOMO』,商品コード『60111』と記載され,価格『5800』とともに,販売日付『06年01月20日』の記載があり,当該商品が本件審判の請求の登録日以前に一般需要者に販売された事実が示されている。」としているが,当該販売事実は,一品の現金売りであることにかんがみれば,「納品書」を作成すること自体が取引上不自然なばかりでなく,「納品書」は,納入物と同時に相手方に引き渡し,引き渡した側には,「納品書の控え」が残るのが取引の実際に照らして自然であるから,使用したとする被請求人が「納品書」を保有しているのは,不自然であり,また,「売上伝票」は,商品を引き渡した側の整理のために作成されるものであって,被請求人において自在に作成され得るものであるから,乙第5号証及び乙第9号証は,証拠力が希薄であり,その他,答弁の全趣旨に照らして,これを本件商標の使用を証明する証拠として採用することができないものである。
してみれば,被請求人提出の証拠によっては,請求外「有限会社アイズプロジェクト」から被請求人に対し,当該人形が納品されたことを認め得るとしても,本件商標が商品について,被請求人によって使用されたとする事実を認めることができないところである。
そうとすれば,本件商標は,その審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者,専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしたことを被請求人が証明していないものであり,また,被請求人が使用していないことについて正当な理由があると述べるものでもない。
したがって,本件商標は,商標法第50条第1項の規定により,その登録を取り消すべきものである。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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