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Trademark Appeal Case

不使用取消における使用事実

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30432(T2006−30432/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第3032847号商標(以下「本件商標」という。)は、平成4年9月29日に登録出願され、「SPN」の欧文字を横書きしてなり、第41類「経営に関する知識の教授,講習会の企画・運営」を指定役務として、同7年3月31日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張

請求人は、商標法第50条の規定により、本件商標の指定役務「経営に関する知識の教授,講習会の企画・運営」について、その登録を取り消す、との審決を求め、その理由を次のように述べた。

(請求の理由)

請求人において調べたところ、過去3年以上に亘って、本件商標が、その指定役務「経営に関する知識の教授,講習会の企画・運営」について使用された事実は見当たらない。

したがって、商標法第50条の規定に基づき、指定役務「経営に関する知識の教授,講習会の企画・運営」について、本件商標の登録の取消しを求めるものである。

3.被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。

(答弁の理由)

(1)本件商標は、被請求人である株式会社富士ゼロックス総合教育研究所が、本件審判請求の登録前3年以内に国内において指定役務「経営に関する知識の教授,講習会の企画・運営」について使用しているものであり、商標法の前記規定により、その登録が取り消されるべきものではない。

(2)本件商標の商標権者(被請求人)は、富士ゼロックス株式会社の教育事業部門から1989年に独立して設立された会社であって、企業人教育全般にわたるサービスを提供しているものである(乙第1号証)。

被請求人は、実績のある教育プログラムを数多く保有しており、オリジナルプログラムに加え、企業人育成で世界No.1の実績を持つアチーブグローバル社と提携し、欧米で高い評価を得ている同社のプログラムを日本の風土やビジネス環境にあわせてアレンジしている。被請求人も、こうした実践で磨かれた各種営業教育プログラムを他社では提供できないものと自負しているところであって、品質の高い教育を実現している(乙第2号証)。

被請求人が提供している「SPN」サービスもこのような教育プログラムの一つであって、世界で通用する普遍的な交渉スキルを習得することを目的とするものである。尚、「SPN」は、「Strategies for ProfessionaI Negotiation」に由来する言葉であって、被請求人の創作に係る造語である。

この「SPN」プログラムは、国内外を問わず、あらゆるシーンで異なる文化や言語を背景にもつ人々と交渉せざるを得なくなってきた今日、日本の企業人が、真の意味で交渉を成功に導けるよう、知識やスキルを体系的に学習してもらうもので、具体的には、交渉を進めるための周到な準備,交渉当事者間の異なる見解を知り、そのギャップをうめるためのツーウェイ・コミュニケーション、双方のニーズと制約条件に照らしてお互いに納得できる合意への到達、合意された内容の確実な実行といったスキルを身に付けてもらうための教育プログラムである。

この「SPN」プログラムは、大きく分けて「公開セミナー(複数の企業の方を対象として行うセミナー)」、「企業内セミナー(アドミニストレーターを被請求人会社から派遣し、同一企業の方を対象として行うセミナー)」、「プログラムライセンス契約に基づくセミナー(アドミニストレーターも顧客会社内の社員が担当して行う企業内セミナー)」の3種類の展開方法を持っている。

上記した「SPN」プログラムの内容は、乙第3号証として提出する役務パンフレットに記載されている通りである。

被請求人が、本件商標をその指定役務について使用していることについては、乙第3号証からも理解できるものであるが、直近3年以内に使用していることを明確にするため、価格表(乙第4号証)及び被請求人社内売上管理システム情報(乙第5号証)を提出する。

前者は、2006年2月1日現在における各プログラムの価格表であり、後者は、2003年12月度の「セールスのための条件交渉セミナー(企業内セミナー)」に関する契約成立事案についてのものであるところ、2006年4月21日が本審判請求の予告登録日であるから(乙第6号証)、これらが予告登録日前3年以内のものであることは明白である。

また、前者においては、その「プログラム名」の欄に本件商標「SPN」が表示されており、後者においては「商品内訳」の欄に本件商標「SPN」が記載されている。

以上の通り、被請求人が、本件商標を本審判請求の予告登録前3年以内に、日本国内において、請求に係る役務について使用していたことは明白であって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消されるべきものではない。

4.当審の判断

被請求人より提出された乙各号証によれば、以下のことが認められる。

(1)乙第1号証は、本件商標の商標権者(被請求人)のウェブサイト(会社情報)の写しと認められるところ、その沿革によれば、被請求人は「1989年9月に富士ゼロックス株式会社から、教育事業部を独立して設立され、同時に教育部門を新設し、企業人教育全般にわたる調査・研究を行い、人材教育の指針づくりに貢献することを目的としたものと認められる。

また、乙第3号証は、被請求人の発行に係る教育プログラム「SPN」のパンフレット(カラー)と認められるところ、この表紙の上部には大きく「SPN」の欧文字が表示され、その下部に被請求人の商号「株式会社富士ゼロックス総合教育研究所」が表示されている。また、裏表紙の中央部に「SPN」の欧文字と被請求人の商号「株式会社富士ゼロックス総合教育研究所」が住所等とともに表示されている。そして、その中頁には「SPNプログラムの構造」及び「SPNの展開方法」として、「公開セミナー」(複数の企業の方を対象として行うセミナー)、「企業内セミナー」(アドミニストレーターを当社より派遣し、同一企業の方を対象として行うセミナー)「プログラムライセンス契約に基づくセミナー」(アドミニストレーターも社内の方が担当して行うセミナー)が記載されている。

さらに、乙第4号証は、最上部に「2006年2月1日現在」と表示されている各プログラムの「価格表」(写し)と認められるところ、その第2頁(最上部には「2006年1月1日現在」と表示されている。)の下部にプログラム名として「SPN」が記載され、人数、教材使用料等のほか受講料が表示されており、各頁の最下部には被請求人の英文字表記の商号が表示されている。

(2)前記(1)で認定した事実によれば、被請求人は、企業人教育全般にわたる調査・研究を行い、企業の方を対象としたセミナーを行っていることが認められ、この行為は、本件商標の指定役務に含まれるものであり、これを紹介した前記パンフレット(乙第3号証)や価格表(乙第4号証)に表示された「SPN」の欧文字は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

さらに、前記価格表に記載されている年月日は、本件審判の請求の登録日(平成18年4月25日)前3年以内のものである。

そうすると、本件商標は、被請求人(本件商標権者)によって、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、本件商標の指定役務について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたものと認めることができる。

(3)したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により、その登録を取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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