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結論

敗訴(請求棄却)

商標「不動産Web」の不動産Webの識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判不服2005−10069(T2005−10069/J1))

審判番号
不服2005−10069(T2005−10069/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「不動産Web」
争点(論点)
不動産Webの識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2005−10069(T2005−10069/J1)・不服)は、本件商標「不動産Web」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「不動産Webの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「不動産Web」の文字を標準文字により書してなり、第36類及び第42類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成16年9月21日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、『土地及びその定着物』を意味する『不動産』の文字と『世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信可能なシステム』を意味する『World Wide Web』の略語である『Web』の文字を連ねた『不動産Web』の文字を書してなるところ、指定役務との関係から『インターネット等による不動産に関するサービス』の意味合いを有するものであるから、これを本願指定役務に使用しても、これに接する取引者・需要者は『インターネット等による不動産に関するサービスあるいはこれらを行うための電子計算機の貸与及びコンピュータプログラムの設計・作成・保守・提供』であることを理解するに止まり、単に役務の質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質(内容)の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、「不動産Web」の文字を標準文字で書してなるところ、その構成中の「不動産」の文字が、「〔法〕民法上、土地及びその定着物(建物・立木など)のこと。」(広辞苑第5版)の意味を有し、「Web」の文字が、「世界規模で情報を検索し、入手あるいは発信可能なシステム」を意味する「World Wide Web」の略語であることは、原審説示のとおりである。

そして、本願商標を構成する「不動産Web」の文字が、本願指定役務との関係において、以下のように広く使用されている事実が、認められる。

(1)第36類「建物又は土地の情報の提供」との関係において。

「不動産Web」の文字は、不動産業者のホームページを指称するものとして、広く使用されている言葉(語)であって、インターネット上でホームページを開設した不動産業者が「○○不動産WEB」のように、自社の名称に「不動産WEB」の文字を付加し、その名の下で、インターネットを利用した不動産に関する情報の提供等に関する業務を行っていること。

(ア)「有限会社きうら不動産」のホームページにおいて、「ようこそ!きうら不動産Web 鹿児島の不動産業者です。アパートやマンションなどの賃貸物件から、土地・家などの売買物件の情報や、質問コーナーなど様々なコンテンツを用意してあります。」の記載がある(http://www.kiura-estate.com/)。

(イ)「有限会社スマイル不動産」のホームページにおいて、「スマイル不動産Web」の見出しで、「スマイル不動産のホームページへようこそ 不動産に関することなら何でも気軽にご相談下さい。」の記載がある( http://www.smile2103.ecnet.jp/)。

(ウ)「すみしん不動産株式会社」のホームページにおいて、「不動産の購入・売却なら すみしん不動産の当ウェブサイトの見方 すみしん不動産Webサイトに掲載されている物件情報は、プログラムによって毎日最新の情報に更新されていますが、掲載中に売却済、売却中止、あるいは価格変更となる場合があります。」の記載がある(http://www.sumishin-re.co.jp/service/thissite.jsp)。

(エ)「トーセイ株式会社」のホームページにおいて、「東誠不動産Webは、10月1日の『トーセイ株式会社』への社名変更に伴い、全面のリニューアルしURLも変更しました」の記載がある(http://www.toseicorp.co.jp/)。

(オ)「清原不動産」のホームページにおいて、「清原不動産WEBサイトへようこそ 中古住宅・中古マンション・土地・売店舗・駐車場などの物件を地域別にご紹介します」の記載がある(http://www.kiyohara-web.com/)。

(2)第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」との関係において。

不動産業者向けのホームページ作成会社が、「不動産WEB作成会社」、「不動産WEB運営会社」等の名の下で、「不動産WEB(不動産業者のホームページ)の設計、作成及び保守」を行っていること。

(カ)「株式会社 アセットマネジメント・アンド・パートナーズ」のホームページにおいて、「不動産WEB制作会社」の見出しで、「不動産ホームページ制作 ・・・ホームページの新規作成、リニューアル、販促、管理運営まで全部おまかせ」、会社概要において「私たちは、ホームページ関連業を始めとして、不動産業界のパートナーであり続けます。」の記載がある(http://partners.bz/web/)。

(キ)「(株)日本システム評価研究所」のホームページにおいて、「ブロードバンド時代の不動産Webサイトのコンテンツ戦略」(2001.11.06)の見出しで、「・・・今後、ブロードバンドサービス時代の到来に伴い、不動産関連業界でもリッチコンテンツを利用した配信ビジネスやWebサイト開発が本格化することが予想される。・・・(中略)・・Web3Dなどのリッチコンテンツを活用したWebサイトの開発が進んでいる。・・(中略)・・ユーザーが実際に現地を訪れ営業マンと物件を様々な角度から説明を受けたりするのと近い環境を、Web上で提供できる。・・・(中略)・・平和不動産(株)のサイトは各部屋からの眺望をその部分をクリックすることでパノラマ表示する。・・」の記載がある(http://nsk-network.co.jp/richcontets2.htm)。

(ク)「株式会社 ジェイエスビーWEB」のホームページにおいて、「インターネットの普及からはや10年、不動産WEBに関しても躍進の時であると日々実感しております。・・(中略)・このサイトの広告代理会社としての不動産WEBの第一歩を踏み出し、不動産業界ブロードバンドの世界をおおきくはばたいてみようとスタッフ一同日々精進しております。・・・・不動産会社向け ホームページ制作会社〜物件検索システム・製作営業支援システム 株式会社JDP 〜不動産会社専門ホームページ〜 不動産WEB運営会社の『ノウハウ』を御社ホームページに提供します。」の記載がある。(http://www.j-s-p.com/realpropert.html)

(ケ)「株式会社リードプランニング」のホームページにおいて、「不動産ホームページ作成サービス『不動産@WEB』の見出しで、「不動産業者向けホームページ作成します。

」及び「事業内容〜ホームページ作成等ウェブサイト構築に関する各種業務、・・・各種ソフトウエア開発」の記載がある。(http://www.2103web.net/)

そうとすると、本願商標は、これをその指定役務中、例えば、第36類「建物又は土地の情報の提供」に使用するときは、「インターネットを利用した不動産(土地、建物)に関する情報の提供」という程の意味合いを、また、第42類「電子計算機のプログラムの設計、作成又は保守」の役務に使用するときは、当該設計、作成又は保守の対象となるもの、すなわち、「不動産業者のホームページ(電子計算機プログラム)の設計、作成又は保守」という程の意味合いを認識させ、単に役務の質(内容)、提供の方法を表示するにすぎないものであり、前記以外の役務について使用する場合には、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるものと見るのが相当である。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。

なお、請求人は、過去の登録例をあげて、本願商標の登録の正当性を主張しているが、登録出願に係る商標が登録されるか否かの判断は、指定商品・役務等の取引の実情を考慮し、当該商標の全体の構成に基づいて、個々の商標ごとに個別具体的に判断されるべきものであって、その全体の構成を異にする請求人の登録例に拘束されるものではなく、本願商標が商標登録の要件を満たすか否かの判断を左右するものではないから、この点についての請求人の主張は採用することができない。

よって、結論のとおり審決する。

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