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Trademark Appeal Case

称呼類似性:一音の差

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−17097(T2005−17097/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MASTRHIZIN」の欧文字を標準文字で表してなり、第5類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成16年9月15日に登録出願され、その後、指定商品については、原審において、同17年6月20日付け手続補正書及び当審において同年9月6日付け手続補正書により、最終的に「乳房炎の予防剤・乳房炎の治療剤その他の動物用薬剤,寄生動物に対する薬剤,生物学的製剤,抗生物質製剤」に補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第2101352号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和61年9月10日登録出願、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同63年12月19日に設定登録され、その後、平成11年1月19日に商標権の存続期間の更新登録の設定がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおりの構成よりなるものであって、構成各文字は同書、同大、等間隔にまとまりよく一体的に表現されているものである。

そして、「MASTRHIZIN」の語は特定の意味合いを有する成語ではなく、特定の読みを有するものとはいえないから、そのような場合、一般に親しまれている英語風の読みに従って称呼されるものとみるのが自然であるところ、構成文字全体より「マストリジン」の称呼を生ずるものというのが相当である。

また、本願の指定商品と関係の深い薬品業界における商品名(医薬品名)の採択、使用状況についてみるに、例えば「イパラジン(Iparazin)、「ガイダジン(Geidazin)」、「クレメジン(Kremezin)」及び「セダナジン(Sedanazin)」等の用例で、該商品名表示中の「zin」の文字を「ジン」と片仮名表記している実情が認められる(「常用新薬集 第32版」日本新薬株式会社発行:参照)ことをも考慮すると、本願商標より上記のとおりの称呼を生ずることを裏付けるものといわなければならない。

他方、引用商標は、別掲のとおり「マフトリジン」の片仮名文字と「MAFUTRIDIN」の欧文字を上下2段に書した構成よりなるものであるところ、構成中の片仮名文字が当該欧文字の読みを特定しているものと見るのが自然であるから、これよりは「マフトリジン」の称呼を生ずるものというのが相当である。

そこで、本願商標より生ずる「マストリジン」の称呼と、引用商標より生ずる「マフトリジン」の称呼を比較するに、両称呼は、共に6音構成からなり、称呼における識別上重要な要素を占める語頭音を始め、5音についてその配列を含めて構成音を同じくするものであり、異なるところは、第2音の「ス」と「フ」の音の差異を有するに過ぎないものである。

しかして、該差異音「ス」と「フ」の音は、それぞれ無声摩擦音(s)及び無声摩擦音(f)と母音(u)を結合した音節であり、調音方法を同一にするものであって、いずれも弱く発音されるものである。

そして、これらが、聴者の印象に残り難い中間に位置するときには、この差異が、格別に短いとはいえない両称呼の全体に及ぼす影響は、決して大きいものということはできず、それぞれを一連に称呼するときには、全体の語感、語調が極めて近似したものとなり、彼此聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。

また、本願商標と引用商標の欧文字部分をみるに、両者は共に10文字からなり、語頭の「M」「A」、中間の「T」「R」及び「I」、語尾の「I」「N」を含めて、10文字中7文字を共通にする近似した文字構成からなるものである。

してみれば、本願商標と引用商標とは、観念については、共に特定の観念を有しない造語であるから比較できないとしても、欧文字部分の外観において近似した文字構成、配列であり、称呼においては聞き誤るおそれのあること上記のとおりであるから、これらを総合して判断すれば、両商標は類似の商標というべきである。

そして、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品とは同一又は類似のものである。

ところで、請求人は、本願の指定商品は前記1のとおり特殊な商品であり、本願商標に接する需要者等は専門的な知識を有する者であるから、本願及び引用両商標が同一又は類似の商品について使用されても、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれはない旨主張している。

しかしながら、医薬品の中には、名称の似ている薬剤が多く存在することは、当審においても顕著な事実であるところ、本願指定商品を取り扱う取引者・需用者が専門的な知識を有する者であって、相当な注意を払って取引するとしても、そのことをもって、商品の出所混同のおそれがないとはいえないことは明らかである(東京高裁平成16年(行ケ)341号判決参照)から、請求人の上記主張は採用することができない。

したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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