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Trademark Appeal Case

数字「888」の要部認定と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第90327号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4208532号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4208532号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成8年10月18日に商標登録出願され、別紙(1)に表示したとおりの構成よりなり、商品の区分第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成10年11月6日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人(以下、「申立人」という。」)の異議理由

申立人は、別紙(2)に表示したとおりの構成よりなり、第54類に属する商標登録原簿に記載の通りの商品を指定商品として、昭和30年11月28日に登録出願、同32年4月9日に設定登録、その後3回の商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続している登録第499616号商標(以下、「引用A商標」という。)、及び別紙(3)に表示したとおりの構成よりなり、第34類に属する商標登録原簿に記載の通りの商品を指定商品として、平成6年7月20日に商標登録出願、同9年4月11日に設定登録されている登録第3280052号商標(以下、「引用B商標」という。)を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するにもかかわらず違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである旨を主張し、その理由を次のように述べている。

(1)数字は、商品の品番、数量等を表すものであるから顕著性がないとの判断が通常なされているところであるが、引用A、B商標及び本件商標の指定商品の分野においては、必ずしもそうとは言えない。甲第3号証及び甲第4号証から明らかなように、「234」、「三七」等の数字を商標として採用する例が見受けられるためである。「234」、「三七」等の商標は特に周知著名であるとは認められないが、甲第3号証及び甲第4号証において、「234」は、「二一サンシー」の称呼を、「三七」は「サンシチ」の称呼を生ずるものとして掲載されている。また、申立人は、同人が所有する引用B商標の審査中、引用A商標を引用されて、商標法第4条第1項第11号により拒絶理由通知を受けた(甲第5号証)。引用A、B商標は、その構成中に顕著に表された「888」の数字が独立して自他商品の識別機能を果たし得るとの前提がなければ、このような拒絶理由は有り得ない。「タールlmg」を表すのに使用されている数字の「1」等とは異なり、「888」のように同じ数字「8」を使用して3桁の数字を表したことに特異性が認められたものと思料する。本件においても、本件商標、引用A、B商標ともに、その構成中に「888」の数字が顕著に表されているため、当該「888」の構成文字が独立して自他商品の識別機能を果たし得るものであり、本件商標及び引用A、B商標からは、当該文字部分に相応して「ハチハチハチ」の称呼を生ずると認められる。よって、本件商標は、称呼において引用A、B商標と類似する。

また、本件商標は、その外観、観念においても引用A、B商標と類似するものである。

3 当審の取消理由

当審では、申立人の登録異議申し立ての理由に基づき、商標権者に対して、本件商標は、登録第499616号商標及び同第3280052号商標と類似し、かつ、その指定商品も同一又は類似のものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する旨の取り消し理由を提示した。

4当審の取り消し理由に対する商標権者の意見

(1)申立人は、本件商標と引用A、B商標とは「888」の数字部分が共通し、且つこの「888」の数字部分が独立して自他商品の識別機能を果たし得るとして、両商標は類似する旨主張している。(イ)しかしながら、本件商標は、欧文字「Davidoff」を筆記体で一連に表記してアンダーラインを付すと共に、このアンダーラインと「ff」部分の下方で分けられた空間に「888」の数字を表記したものである。つまり、本件商標はこのように表記したことにより、欧文字と数字とは纏まり良く構成された構成上一体の商標であり、「Davidoff」又は「888」だけが分離して看取されるものではない。従って、本件商標から「888」の数字だけを分離し、これと他の商標の構成の一部とを対比すること自体誤りであって、本件商標は欧文字と数字とを不可分一体に表記した商標であるから、この全体構成により他の商標と類否判断されるべきある。その結果、本件商標と引用A、B商標とは非類似であるから、今般の取消理由は不当である。

(ロ)仮に本件商標中から「888」の数字だけが分離して看取されたとしても、この様な数字は何等自他商品識別力(或いは特別顕著性)を発揮できないことから商標の要部とはなり得ず、このような数字が商標の類否判断に影響を与えることは無い筈である。依ってこの場合に於いても本件商標と引用A、B商標とは彼此混同されることのない非類似の商標であり、今般の取消理由は不当である。

本件商標は前記の通り「888」の数字を含んで構成されており、また引用B商標は、装飾を伴う円の内側に「888」の数字を白抜きで表記し、引用A商標も、楕円の内側に「888」の数字を表しています。従って、本件商標及び引用A、B商標の何れも、その構成中に「888」の数字を含んでいる。しかしながら、国際的なならわしでは、「888」の様な単なる数字は、商標として保護を受けられない扱いになっており、仮にこのような数字が商標の一部として、つまり他の自他商品識別力を有する構成部分と組み合わされていたとしても、かかる数字部分については権利を要求できないか、或いは少なくとも同じ数字を含んで構成された他の商標の登録については障害と成り得ないものとして扱われている。このような基準は、我が国に於いても当然該当する筈であり、この基準に従えば、本件商標が引用A、B商標と数字に於いて共通していたとしても、かかる数字は、本来、商標の類否判断対象とはなり得ない筈である。仮にこのような数字についての権利行使を認めたとすれば、商標に品番を組み合わせた態様や、品番自体を使用する事についてさえも商標権の効力が及ぶこととなり、商取引上、数字を使用する事に関して、著しく不都合を来す事になってしまう。

実際、乙第1〜10号証として提出する商標は、以下に示すように、何れもその構成中に相互に同一の数字を含み、且つ指定商品中に「たばこ、喫煙具、マッチ」を指定商品中に含みながらも登録を受けている。

(a)乙第1号証(登録第2381395号)に示す商標「1000/MIGLIA」と乙第2号証(登録第2459279号)に示す商標「1000 DEJEAN PATOU」とは、共にその構成中に数字「1000」を含んでいるが、両者は共に登録を受けている。

(b)乙第3号証(登録第2024954号)に示す商標「DOUBLE7」と乙第4号証(登録第2258676号)に示す商標「SUPER/7」とは、共にその構成中に数字「7」を含んでいるが、両者は共に登録を受けている。

(c)乙第5号証(登録第1999541号)に示す商標「カマヤスーパー25」と乙第6、7号証(登録第2127733号、登録第4095343号)に示す商標「25ansclub」とは、共にその構成中に数字「25」を含んでいるが、両者は共に登録を受けている。

(d)乙第8号証(登録第2565675号)の商標「ホテルイースト21」及び乙第9号証(登録第2565676号)の商標「東京イースト21」と、乙第10号証(登録第3365320号)の商標「TYPHOON21」とは、共にその構成中に数字「21」を含んでいるが、両者は共に登録を受けている。

この事実からも明らかなように、引用A、B商標及び本件商標の指定商品の分野に於いて、数字は自他商品識別力を発揮し得ないと判断されている。仮に数字が自他商品識別力を発揮し得るならば、これら商標中、後願のものは登録を受け得ない筈だからです。依って、数字は自他商品識別力が無く、本願商が引用A、B商標と数字「888」に於いて共通するからといって、両商標が類似することにはならない。

上記の通り、商標の構成中、数字は自他商品識別力を発揮することはないが、申立人は、その申立書に於いて、以下のニ点を根拠として、「引用A、B商標及び本件商標の指定商品の分野においては、必ずしもそうとは言えない」旨、即ち当該分野に於いては「888」の数字も自他商品識別力を発揮し得る旨主張している。

(a)甲第3、4号証に基づき「234」及「三七」の数字を商標として採用する例が見受けられる。

(b)甲第5号証に基づき、引用B商標の審査で引用A商標が引用されている。しかしながら、上述乙第1〜10号証に基づいて説明したとおり、当該分野に於いても、原則通り数字は自他商品識別力を発揮し得ないものであり、このような主張は誤った理解に基づくものです。以下、このことを説明する。甲第3、4号証に示されたものは、全体として自他商品識別機能を発揮していることは示していても、「234」や「三七」の数字が自他商品識別機能を発揮していることを示すものではない。甲第3、4号証に於いて、これらが「ニ一・サン・シ」及び「サン・シチ」として示されているのは、この構成中に表記された数字を単に表音しているだけである。ましてや、この甲第3,4号証に示された商品が我が国に於いて流通し、これらが数字に依って識別されていることは、一切、明らかでない。この甲第3、4号証は、このような商品があることを示しているに過ぎず、その中に示された数字が、我が国に於いて自他商品識別力を発揮していることを示すものではない。また甲第5号証は、単に引用B商標の審査に於いて、引用A商標を引用した拒絶理由が通知された事実を示しているだけであり、「888」の数字が自他商品識別力を発揮していることまでも示すものではない。実際、本件商標の審査段階では、引用A商標に基づく拒絶理由が通知されていないので、本件の審査に於いては「888」の数字は自他商品識別力を発揮し得ないと判断されているものと思慮される。ましてや、引用B商標の審査では、この拒絶理由に基づいて、単に手続補正書を提出して指定商品を補正することによりこの拒絶理由を解消しているだけであり、「888」の数字が自他商品識別力を有するか否かについては何の意見も述べていない。つまり、引用B商標の審査では、「888」の数字が自他商品識別力を発揮するか否かについては、十分に審理されていないと考える。依って、このような証拠こ基づいて「888」の数字が自他商品識別力を発揮し得るとの申立人の主張は横暴であり、何よりも、審査は別個独立の筈であるから、この引用A商標の審査経過を、本件の審理のガイドラインとする必要性はないものと考える。最後に、申立人自身、商標の構成中、数字は自他商品識別力を発揮しないと認識していると考ている事実がある。即ち、引用B商標の審査では、引用A商標を引用する拒絶理由が通知されているので、申立人は引用A商標が登録されていることは認識している筈です。しかしながら、申立人は平成11年2月10日付けで、引用B商標と同一の商標を再度出願(商願平11‐11379号)しており、その指定商品中には引用A商標の指定商品と重複する「マッチ」を含んでいる(乙第11号証)。そして、この引用A商標は、平成9年4月1日付けで存続期間更新申請が提出されているので、常識的に考えれば、申立人が新たに商願平11‐11379号を出願するに際しては引用A商標が有効に存続していることを十分認識しているはずある。このことから判断すれば、申立人は、引用B商標と引用A商標とは、商標自体非類似と考え、新たな商願平11‐11379号の出願に際してはその指定商品中に「マッチ」を加えたものと思われる。また新たな出願(商願平11‐11379号)には、その指定商品中に「マッチ」を含めているので、申立人自身、先の甲第5号証に示された拒絶理由には承伏していないことが窺知できます。

以上述べた通り、仮に本件商標中から「888」の数字だけが分離して看取されたとしても、この様な数字は商取引上頻繁に使用されるので自他商品識別力(特別顕著性)が無く、商標として機能することはない。また、円滑な商取引を企図する観点から判断しても、かかる数字に独占的使用を担保すべきではない。依って、係る数字の共通性から、本件商標と引用A、B商標とが類似するとの今般の取消理由は不当であり、本件商標は何れの引用商標にも類似していない。

(3)まとめ

以上述べたとおり、本件商標はアンダーラインを付した「Davidoff」の欧文字と、「888」の数字とを上下2段に表記してなる構成上一体の「Davidoff/888」です。依ってこの内「888」の数字だけ分離して看取されることはなく、今般の2件の引用商標には類似しない。仮に本件商標中、「888」の数字だけが看取され得たとしても、このような数字は自他商品識別力及び独占適応性がないので、今般の2件の引用商標には類似しない。

5 当審の判断

本件商標は下記(1)に表示したとおりレタリング化した「Davidoff」と「888」の数字の結合商標よりなるものであるところ、一般に、数字は商品の数量、品番等を表すものとして生産者・販売者間で適宜採択し使用されるところである。

そうとすれば、本件商標に接する取引者・需要者は、構成中の「888」の数字は、商品の記号若しくは品番等を表しているにすぎないものと認識するに止まるり、本件商標は、表された文字全体から「ダヴィドフハチハチハチ」の称呼を生ずると共に、構成中で自他商品の識別機能を果たす部分と認められる「Davidoff」の文字部分に相応して、単に「ダヴィドフ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用A、B商標は、下記(2)、(3)に表示したとおり文字と図形及び「888」の数字と図形との結合商標よりなるものであるが、これらの数字と周囲の図形部分とは一体化して一商標を構成しているものと看取させるばかりでなく、上記の通り、一般に数字は商品の数量、品番等を表すものとして需要者間にも認識されているものであるから、「888」の数字部分は自他商品の識別機能を果たさず、結局、該「888」の部分よりは特定の称呼は生じないものと判断するのが相当である。

したがって、本件商標及び引用A、B商標の「888」の数字部分より共に「ハチハチハチ」の称呼を生ずるとした上で、本件商標と引用A、B商標とが称呼上類似するという申立人の異議理由は適切でなく採用し難い。

また、本件商標及び引用A、B商標とは、外観及び観念上明らかに区別しうる差異を有するものである。

してみれば、本件商標及び引用A、B商標とは、称呼、外観及び観念上何ら相紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではない。

よって、結論のとおり決定する。

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