sokuhyo

Trademark Appeal Case

マスフローモニターの記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−17723(T2005−17723/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「マスフローモニター」の文字を書してなり、第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電気通信機械器具,電気磁気測定器,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成16年3月25日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要旨

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係から『流体質量(質量流量)の測定などを行うためのモニター』の意味合いを認識させる『MASSFLOW MONITOR』の表音『マスフローモニター』の文字を普通に用いられる方法で表してなるものであるから、これを本願指定商品中、上記意味合いに照応する商品に使用するときは、単に商品の品質、用途を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審における証拠調べ通知

本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するか否かについて、当審において職権に基づく証拠調べをした結果、次の事実を発見したので、請求人に対し、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき通知した証拠調べ通知の内容は、以下のとおりである。

「第1 本願商標を構成する「マスフローモニター」の語に関して行った職権による証拠調べによれば、以下の事実が認められる。

1 「マスフロー」及びその英語表記である「MASSFLOW」の語について

(1)「マグローヒル科学技術用語大辞典(改訂第3版)」(2000年3月15日株式会社日刊工業新聞社発行、731頁)の「質量の流れ」の項には、「mass flow〔流力〕単位時間に与えられた領域を通過する流体の質量」との記載

(2)「JIS工業用語大辞典(第5版)」(2001年3月30日財団法人日本規格協会発行、904頁)の「質量流量」の項には「mass flow(rate)単位時間に移動する流体の質量」との記載

(3)ヘンミ計算尺株式会社のインターネット上のホームページにおける「流体制御機器[マスフロー製品]」の一覧には、「形式」「用途」として「ローコストマスフロー 一般工業、分析用」「汎用/高性能マスフロー 一般工業、プロセス用」「ハンディ型マスフローメータ 各種ガス流量モニタ用」「ウルトラクリーンマスフロー 一般工業・プロセス用」「電源付流量設定表示器 マスフローコントローラ用」との記載(http://www.hemmi-inc.co.jp/business/fluid_control/mfc.html)

(4)株式会社山武のインターネット上のホームページにおける「ニュース・リリース」中の「株式会社山武、水素・ヘリウムの流量制御が可能なマスフローコントローラを開発」の見出しの下、「(前略)山武のマスフロー製品(流量コントローラ)は、マイクロマシニング技術、薄膜形成技術を駆使して開発した質量流速センサである『μF(マイクロフロー)センサ』を用いて流量を計測しています。(後略)」との記載(http://jp.yamatake.com/news/000830.htm)

(5)2005年12月7日付け鉄鋼新聞(3面)には、「半導体向けガス流量制御器/日立金属、周辺機器を一体化」の見出しの下、「日立金属は6日、ガス流量精密制御機器であるマスフローコントローラ(MFC)の新製品として、圧力センサーなど周辺機器を組み込んだオールインワンタイプを業界で初めて開発、販売開始したと発表した。(後略)」との記載

(6)2001年2月16日付け日刊工業新聞(34頁)には、「全国元気企業マップ・パート2(23)京都府(5)京都セミコンダクター」の見出しの下、「(前略)エステック(中略)は、主に半導体製造工程でガスや液体の流量制御に使われるマスフローコントローラー(MFC)で世界トップシェアを持つ。(後略)」との記載

(7)2000年2月2日付け日経産業新聞(10頁)には、「山武が電池駆動のマスフローメーター」の見出しの下、「山武は気体の質量や流量を計測する工業用マスフローメーターで、電池駆動で使い勝手を高めた『CMRシリーズ』を開発、各種工場向けに発売した。(後略)」との記載

(8)2000年11月7日付け日本工業新聞(11頁)には、「コフロックの挑戦:(12)“流体を科学する” MF事業部、年20%の伸び実現」の見出しの下、「(前略)二〇〇〇年度のマスフローの国内市場は、二百八億円が予測されているが、そのうち半導体向けが百六十四億円を占め、残りの四十四億円が一般産業向けとなっている。(後略)」との記載

2 「モニター」及びその英語表記である「MONITOR」の語について

(1)「ランダムハウス英和大辞典(第2版)」(1999年1月10日株式会社小学館発行、1747頁)の「monitor」の項には、「モニター:機械や装置、特に自動制御装置の動きを観察・記録する監視装置」との記載

(2)「広辞苑(第5版)」(1998年11月11日株式会社岩波書店発行、2651頁)の「モニター【monitor】」の項には、「機械などが正常な状態に保たれるように監視する装置。」との記載

(3)「JIS工業用語大辞典(第5版)」(2001年3月30日財団法人日本規格協会発行、2261頁)の「モニタ」の項には、「monitor 解析のために、データ処理システム内の選択された動作を監視し記録する機構」との記載

(4)2006年7月19日付け日刊工業新聞(7頁)には、「日本フィルター、小型デジタル流量モニターを発売」の見出しの下、「【横浜】日本フィルター(中略)は、酸やアルカリなどの化学溶液の流量を測定する小型デジタル流量モニター『Flow Monitor(フロー・モニター)=写真』を発売した。(後略)」との記載

(5)2003年4月23日付け日本経済新聞朝刊(17頁)には、「長野計器が工場向け、消費熱量の減少計測器を開発。」の見出しの下、「長野計器は、改正省エネ法で工場やコージェネレーション(熱電併給)施設に報告が義務付けられた消費熱量の減少幅を容易に測定できる計測器『NV70差圧式熱量モニタ』=写真=を開発、発売した。(後略)」との記載

(6)2002年10月30日付け日経産業新聞(13頁)には、「省エネ制御機器、山武が販売強化――来年度、売上高10億円めざす。」の見出しの下、「(前略)生産設備で使う圧縮空気の流れを監視する流量計や様々な計測機器を通信回線でつなげて管理する『エコモニター管理システム』などを活用してエネルギー消費量をこの三年間で二二・三%削減するのに成功した。(後略)」との記載

(7)1997年9月1日付け化学工業日報(10頁)には、「東京ガスなど4社、ガス流量モニターを開発、燃焼異常も検出」の見出しの下、「東京ガス、大阪ガス、東邦ガスと山武ハネウエルはこのほど工業用燃焼設備のガス流量の管理および燃焼異常の検出が容易にできるガス流量モニターを共同開発した。(後略)」との記載

第2 以上の事実によれば、本願商標構成中の「マスフロー」(「MASSFLOW」)の文字は「質量流量」を意味し、「モニター」(「MONITOR」)の文字は「監視する装置」を意味する語として、本願指定商品を取り扱う業界において普通に使用されているものであり、マスフローコントローラー、マスフローメーターなどがマスフロー製品として紹介されていること、ガスや溶液の流量モニターが開発、販売されていることなどの諸事情を総合考慮すると、本願商標の構成文字全体からは「質量流量のモニター」の意味合いを容易に認識、理解させるものと認められる。

そうとすれば、本願商標をその指定商品中「質量流量のモニター」に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎず、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものである。」

4 請求人は、当審が示した前記3の証拠調べ通知に対して、何ら意見を述べていない。

5 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり「マスフローモニター」の文字を書してなるところ、前記3の証拠調べ通知によって示したとおり、本願指定商品を取り扱う業界において、「マスフロー」(「MASSFLOW」)の文字は「質量流量」を意味し、「モニター」(「MONITOR」)の文字は「監視する装置」を意味する語として普通に使用されているものであり、また、マスフローコントローラー、マスフローメーターなどがマスフロー製品として紹介されていること、ガスや溶液の流量モニターが開発、販売されていることなどの諸事情を総合考慮すると、「マスフロー」及び「モニター」の語を結合してなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者・需要者は、その商品が「質量流量のモニター」であること、すなわち、商品の品質を表示したにすぎないものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としての機能を有するものとは認識し得ないとみるのが相当である。また、本願商標を前記商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当なものであって、これを取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。