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Trademark Appeal Case

e-結合商標の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−16172(T2005−16172/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「e−文書ファイリング」の文字を標準文字で書してなり、第9類、第35類、第41類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年11月15日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、新聞記事情報等によれば、全体として『電子化した文書を分類・整理すること』程度の意味合いを認識させる『e−文書ファイリング』の文字を普通に用いられる方法で表示してなるから、これを前記意味合いに照応する商品及び役務に使用するときは、単に商品の品質・用途又は役務の質・提供の方法を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記意味合いに照応する商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「e−文書ファイリング」の文字を標準文字により表してなるところ、構成中の「e」の文字は、「electronic」の頭文字であって、「電子の、インターネットの」という意味を表する略語であり、そして「e−」は、前記の「e」の文字にハイフン「−」を付したものであって、これに普通名詞等を結合し、例えば「e−Book(電子出版物)」、「e−mail」及び「e−money」のような熟語を形成し、電子やインターネット等を利用して行われるものであること等を表すものとして、広く一般に使用されていることが、以下の辞書、新聞記事等により認められる。

(ア)「e−」の見出しで、「電子的な、(インターネットを利用して)電子的に行われる:e−cash,e−commerce,e−mail《略》←E(LECTRONIC)」(研究社 新英和大辞典 第6版(株)研究社 2002年3月発行)

(イ)「99読者が選ぶネーミングベスト10(3)ネーミングは時代を映す鏡−その傾向を見る」の見出しで、「『e』を冠したネーミングも多い。『e−business』、『e−commerce』、『e−ファイナンス』など続々と登場している。『e』は『electronic(電子化)』の意味である。インターネット関連ビジネスには今、この『e』を使うことがブームになっている。」(流通サービス新聞 2000年2月1日)

(ウ)「e−mail 読み方:イーメール、フルスペル:Electronic Mail、分野:インターネット、 インターネット上の電子メールシステム。インターネットを通じて文字メッセージの交換ができる。単に「電子メール」「メール」などと言った場合は、e-mailのことを指す場合が多い。(IT用語辞典e−Word http://e-words.jp/w/e-mail.html)

また、構成中の「文書ファイリング」の文字は、原審説示のとおり「文書を分類・整理すること」を意味し、本願指定役務中の第35類「文書又は磁気テープのファイリング」との関係においては、当該役務に含まれるものである「文書のファイリング」の指定役務の内容を表示したものと認められるものである。

そうとすると、本願商標は、全体として「電子化した文書を分類・整理すること」の意味合いを容易に認識させるというのが相当である。

そして、民間企業が紙での保存を義務づけられている書類を電子保存することを可能とする「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(施行:平成17年4月1日)の通称として「電子文書法」又は「e−文書法」の文字が、広く一般に使用されていること、また、当該法律に適応したビジネスが注目を浴びていることが、以下の新聞記事等により認められる。

(エ)「首相官邸」のホームページにおいて、「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」の条文が掲載されている。(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/hourei/16-149gou/honbun.html)

(オ)「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」(公布:平成16年12月1日法律第149号、施行:平成17年4月1日)

(http://www.ron.gr.jp/law/law/minka_it.htm)

(カ)「e−文書法 @IT情報マネジメント用語事典」の見出しで、「e−文書法 電子文書法」と書した後に「税法や商法、労働法などの各種法令により、民間企業が作成・保存することを義務付けられている文書・帳票類の電磁化(電子的・磁気的)を、一部の例外を除いて一括して認める法律の通称。・・・(中略)・・・e−文書法のうちの1つ、通則法の正式名称は「民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律」といい、文書保存を義務付けている各法律に対して原則としてすべての電子保存を認める通則を示し、その目的や言葉の定義、条件などの共通事項を定めている。」(http://www.atmarkit.co.jp/aig/04biz/ebunshoho.html)

(キ)三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社のホームページにおいて、「三菱情報セキュリティソリューション e−文書対応セキュア文書管理システム」の見出しで、「スキャナやデジタル複合機を通じて取り込んだ電子化文書に対して、SignedPDFファミリーを利用して電子署名します。e−文書法に対応したシステムを構築することで、・・・(略)・・・」(http://www.mdis.co.jp/security/solution08/index.html?sourceid=adw&kw=secu001)

(ク)「深層断面/『e−文書法』特需−デジタル複合化が進化」の見出しで、「・・・個人情報保護法や電子文書法(e−文書法)の施行で当面この特需も続く模様で、複写機メーカーは電子化とセキュリティ−対策を新たな”十八番(おはこ)“にし、販売拡大につなげていきたい考えだ。」(日刊工業新聞 2005年1月11日)

(ケ)Enterprise Watchのホームページにおいて、「富士通、e−文書法に対応した文書管理アウトソーシングサービス」の見出しで、「富士通株式会社は8月5日、電子文書のライフサイクル管理を提供する『電子文書保存ソリューション』のラインアップに、e−文書法の対応要件を満たした『e文書ーLCM(Life Cycle Management)サービス』を追加すると発表した。・・・(略)」(http://enterprise.watch.impress.co.jp/cda/software/2005/08/08/5907.html)

以上の実情をかん案すれば、本願商標を、本願指定役務中、第35類「文書又は磁気テープのファイリング」に使用したときは、これに接する取引者・需要者は「電子化した文書のファイリング」の意味合いを容易に認識し、役務の質(内容)を表示したものと理解するものといわなければならない。

そして、第9類の「電子計算機用プログラム」に使用したときは、これに接する取引者・需要者は「電子化した文書ファイリングに対応した電子計算機用プログラム」の意味合いを容易に認識し、商品の品質(内容)、用途を表示したものと理解するものといわなければならない。

さらに、第42類の「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」に使用したときは、これに接する取引者・需要者は「電子化した文書ファイリングのための電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守」の意味合いを容易に認識し、役務の質(内容)を表示したものと理解するといわなければならない。

また、これを前記以外の商品及び役務に使用したときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがある。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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