Trademark Appeal Case
地名と普通名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−20656(T2005−20656/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「定山渓高原野菜」の文字を表してなり、第29類「冷凍野菜,冷凍果実,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物,豆,食用たんぱく」、第30類「茶,菓子及びパン,みそその他の調味料,香辛料,コーヒー豆,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類」、第31類「ホップ,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽,あわ,きび,ごま,そば,とうもろこし,ひえ,麦,籾米,もろこし,苗,苗木,花,牧草,盆栽」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品として、平成15年12月26日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『定山渓高原野菜』の文字を書してなり、その構成中の『定山渓』の文字は、北海道札幌市南区の一地名であって、該地は観光保養地として有名であり、定山渓温泉、定山渓高原スキー場などがあることが知られている。また、『高原野菜』の文字は、一般に、高原の冷涼な気候を利用して栽培される野菜を表す語として親しまれている。そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、『定山渓で生産または販売される高原野菜』程の意を認識するにすぎないといえるから、本願商標をその指定商品中、例えば、野菜や加工野菜・飲料用野菜ジュースなどの野菜を使用した商品に使用しても、単に商品の品質、産地、販売地を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1に示すとおり、「定山渓高原野菜」の文字を書してなるところ、構成中の「定山渓」の文字は、北海道札幌市南区の一地名であって、該地は観光保養地として有名であり、定山渓温泉、定山渓高原スキー場などがあることで知られている。また、「高原野菜」の文字は、一般に、高原の冷涼な気候を利用して栽培される野菜を表す語として知られているところである。
そうとすれば、本願商標に接する取引者・需要者は、「定山渓で生産または販売される高原野菜」ほどの意味合いを認識するに止まり、本願商標を指定商品中、例えば、野菜や加工野菜・飲料用野菜ジュースなどの野菜に使用した場合は、単に商品の品質、産地、販売地を表したにすぎず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、前記以外の商品について使用する場合には、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあると判断するのが相当である。
また、請求人は、本願商標は、「商標法第3条第2項の適用を受けるべき要件を具備している。」旨主張し、その証拠として当審において、乙第1号証ないし乙第4号証を提出している。
そして、使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できる商標とは、特定の者の出所表示として、その商品の需要者の間で、全国的に認識されているものであることが必要であると解されることから、この点に関し、請求人が提出している証拠について検討する。
(1)乙第1号証は、「特産品開発・温泉街活性化企画 農業特区を活用した『定山渓高原野菜』の生産・特産品の販売について」と題する、定山渓温泉街の活性化と定山渓高原野菜のブランド化のための企画書(写)と認められるところ、当該企画書中には、本願商標を構成する「定山渓高原野菜」の文字が、本願の指定商品について、商標として使用されている事実は認められない。
2)乙第2号証は、社団法人定山渓観光協会と請求人とが共同で発表した、「『定山渓高原野菜』のお知らせ」と題するプレスリリース(写)と認められるところ、これには本願商標を構成する「定山渓高原野菜」の文字が、本願の指定商品について、商標として使用されている事実は認められない。
(3)乙第3号証は、「定山渓でブランドづくり 『YOSAKOIソーラン祭り』関連会社 高原野菜生産挑む 第1弾野沢菜 観光協会と連携」の題で、温泉街の新たな名産として「定山渓高原野菜」の栽培に取り組んでいる記事が掲載されている平成17年10月4日付けの北海道新聞の(写)と認められるところ、これには本願商標を構成する「定山渓高原野菜」の文字が、本願の指定商品について、商標として使用されている事実は認められない。
(4)乙第4号証は、北海道新聞のホームページにおける、上記(3)と同記事のハードコピーと認められるから、(3)と同内容である。
以上のように、請求人の提出した証拠を総合して勘案しても、本願商標が、その指定商品について使用された結果、需要者が請求人の業務にかかる商品であることを認識することができるものとは認めることができない。
また、請求人からは、上記の証拠以外に、実際に使用している商標、使用開始時期、使用期間、使用地域、営業の規模、広告宣伝の方法・回数・内容及び一般紙・業界紙等における記事の掲載の回数及び内容等、本願商標が使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができるに至ったことを示す、客観的な事実を証明する証拠の提出もない。
したがって、提出された書証からは、本願商標がその指定商品について使用された結果、需要者をして審判請求人(出願人)の業務に係る商品であることを認識するに至ったものと認めることはできない。
以上のとおり、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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