Trademark Appeal Case
周知商標の要部類似
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90166(T2006−90166/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4935189号商標(以下「本件商標」という。)は、「あんくるカリー」の文字を標準文字とし、平成17年6月27日に登録出願され、「飲食物の提供」を含む第43類に属する商標登録原簿に記載の役務を指定役務として、平成18年3月10日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標の指定役務中「飲食物の提供」についての商標登録は取り消されるべきものであるとして、本件登録異議を申立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第17号証を提出した。
〈申立理由〉
本件商標「あんくるカリー」は、要部である「あんくる」の文字部分が申立人の商標「あんくる」と外観及び称呼において同一であるので、本件商標は申立人の商標に類似しており、かつ、本件商標の指定役務のうち「飲食物の提供」は、申立人の使用役務「飲食物の提供」と同一であり、申立人の商標「あんくる」は申立人の業務に係る役務を表すものとして需要者の間に広く知られるようになっているので、指定役務「飲食物の提供」の部分について商標法第4条第1項第10号に該当し、取り消されるべきである。
また、本件商標は、申立人若しくは申立人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る役務であるかのごとく、役務の出所の混同を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第15号に該当し、取り消されるべきである。
そして、本件商標は不正の目的をもって使用されるものであるから、商標法第4条第1項第19号に該当し、取り消されるべきである。
3 本件商標の取消理由
当審において、商標権者に対して平成18年11月7日付けの取消理由通知書をもって、本件商標の指定役務中「飲食物の提供」についての登録を取り消す旨通知した本件商標の取消理由は、次のとおりである。
〈取消理由〉
本件登録異議の申立ての理由及び申立人の提出に係る証拠によれば、以下の事実が認められる。
申立人は、1997年創業以来、北九州市を拠点として「あんくる」の文字からなる商標を使用してカレー店(直営店及び加盟店)を経営しており、本件商標の登録出願時(平成17年6月27日)には、あんくる北方店(福岡県北九州市小倉南区)、あんくる九工大前店(福岡県北九州市戸畑区)、あんくる札幌店(北海道札幌市北区)、あんくる横浜店(神奈川県横浜市鶴見区)、あんくる豊前田店(山口県下関市豊前田町)、あんくる鹿児島店(鹿児島県鹿児島市甲突町)、あんくる西新店(福岡県福岡市城南区)、あんくるJR下関店(山口県下関市竹崎町)、あんくるラフォーレ小倉店(福岡県北九州市小倉北区)、あんくる折尾店(福岡県北九州市八幡西区)、あんくる山口大前店(山口県山口市平井)、あんくる曽根店(福岡県北九州市小倉南区)、あんくる大分店(大分県大分市小池原)、及び、あんくる門司駅前店(福岡県北九州市門司区)の14店舗をオープンさせ、その後オープンした4店舗を含めると、計18店舗において営業をしている。
申立人のカレー店「あんくる」は、30種類のスパイスを調合したオリジナルカレーで、ビーフとチキンの2種類の味が300円で楽しめるなどと雑誌、テレビ、ラジオのメディアを通じて紹介されている。例えば、雑誌では、「北九州グルメ本、遊食倶楽部III」及び「ももち浜ストア、グルメMONDAY」に掲載され、「九州ウォーカー」では、平成11年及び平成17年の2度にわたり掲載されている。また、テレビでは、テレビ西日本(TNC)及び九州朝日放送(KBC)にそれぞれ2度、そのほかTVQ九州放送、J:COM(ケーブルテレビ局)、ラジオでは、エフエム九州(クロスFM)、九州朝日放送KBCラジオで放映(放送)されている。
また、申立人のカレー店「あんくる」は、平成10年4月8日に、全国くいしん坊友の会より、たべあるき味100選店の選考において「たべあるき優良味100選店」として表彰され、また、平成13年6月のKBCラジオ番組「びっくり!!パワーシャベル」などのイベントにも参加していることが認められる。
以上、雑誌、テレビ、ラジオ等において少なからず紹介され、また各種イベントに参加している各事実を総合すれば、申立人のカレー店「あんくる」は、店舗が存在する上記所在地の周辺地域、あるいは、上記雑誌が販売され、また、上記テレビ・ラジオが放映(放送)されている地域の福岡県、佐賀県、大分県、山口県あるいはその周辺地域においては、本件商標の登録査定時はもとより、登録出願時においても、「あんくる」の文字からなる商標は、申立人がカレー料理の提供に使用する商標として需要者の間に広く認識され周知性を獲得していたというべきである。
これに対し、本件商標は、上記のとおり「あんくるカリー」の文字よりなるものであって、後半部の「カリー」の文字部分は、提供する料理の名称を表す部分であり、本件商標の主要な部分は「あんくる」の文字とみるのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、全体の構成文字「あんくるカリー」に相応した「アンクルカリー」の称呼のほか、「あんくる」の文字に相応して「アンクル」の称呼をも生ずるものであり、一方、引用商標は、「あんくる」の構成文字に相応して「アンクル」の称呼を生ずるといわなければならないから、両商標は、「アンクル」の称呼を共通にする類似の商標と判断するのが相当である。
また、本件商標は、その指定役務中「飲食物の提供」については、申立人が「あんくる」商標を使用するカレーの提供の役務と同一又は類似の役務に使用するものである。
してみれば、本件商標は、その指定役務中「飲食物の提供」については、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由通知書に対し、所定の期間を経過するも、何らの意見を述べるところがない。
5 当審の判断
本件商標についてした商標法第4条第1項第10号を理由とする先の取消理由は妥当なものと認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第43条の3第2項により、その指定役務中の本件登録異議の申立てに係る「飲食物の提供」についての登録を取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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