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Trademark Appeal Case

同一商標と関連商品

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2005−90395(T2005−90395/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4861553号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4861553号商標(以下「本件商標」という。)は、「PEBAX」の文字を書してなり、平成16年10月29日に登録出願、第22類「原料繊維,衣服綿,編みひも,網類」、第23類「糸」、第24類「織物,メリヤス生地,布製身の回り品,布団,毛布,ふきん,カーテン」及び第25類「被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定して、同17年4月28日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人「アルケマ」(以下「申立人」という。)が引用する登録第1703062号商標(以下「引用商標」という。)は、「PEBAX」の文字を書してなり、1980年(昭和55年)11月10日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、第34類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定して、昭和56年3月16日に登録出願、同59年7月25日に設定登録、平成6年9月29日及び同16年4月27日に商標権存続期間の更新登録、その後、同17年8月3日に商品の区分及び指定商品を第1類「原料プラスチック」及び第17類「プラスチック基礎製品,ゴム」とする書換の登録がされたものである。

3 登録異議の申立ての理由

(1)商標法第4条第1項第10号について

本件商標と引用商標とは、その構成がほとんど同一とみなし得るものであるから、両商標よりは、その構成文字に相応して、「ペバックス」の同一称呼を生ずる。

また、本件商標の指定商品は、第22類、第23類、第24類及び第25類の各指定商品であるのに対して、引用商標の書換登録後の指定商品は、第1類及び第17類の各指定商品であるところ、本件商標の出願登録手続について見るとき、本件商標の登録名義人(商標権者)「グンゼ株式会社」(以下「商標権者」という。)は、申立人の業務に係る繊維製品の原料として需要者の間に広く認識されている「PEBAX」商標を付した繊維原料である「プラスチック」製品を申立人から購入していたもので、このような商品取引関係があるにもかかわらず、また、登録名義人は、申立人の引用商標(現在の商標権者は「アルケマ フランス」)が第34類の商品を指定して存在していることを知悉していながら、申立人が「PEBAX」商標を第22類、第23類、第24類及び第25類の各区分に登録を受けていないことを奇貨として、申立人に何らの通報もせずに、上記各商品区分について、本件商標を出願し、登録を受けたので、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録を受けたものといわざるを得ない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

また、商標権者が本件商標をその指定商品に使用するときは、上述の理由で、申立人の業務に係る商品とその出所について混同を生ずるおそれがあるので、商標法第4条第1項第15号に違反して登録を受けたものである。

(3)商標法第4条第1項第19号について

さらに、本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして日本国内はもとより、諸外国においても、需要者の間において広く認識されていた引用商標「PEBAX」と同一又は類似であり、その登録が他人に損害を加える目的を有していたと理解されるので、商標法第4条第1項第19号に違反して登録を受けたものである。

よって、本件商標は、商標法第43条の2第1号の規定に基づき、その登録を取り消されるべきである。

(4)審理猶予の求めについて

しかしながら、申立人と商標権者とは、これまでの取引関係並びに今後の商取引を考慮し、本件商標について友好的に交渉を開始した結果、商標権者は、本件商標を申立人へ譲渡することで基本合意に達した(甲第3号証及び甲第4号証)が、その譲渡条件及び権利の移転登録後の細目について、未だ最終決定を見るに至っていない。そこで、最終的に合意が成立して譲渡手続が完了したときは、申立人は、本件に係る登録異議の申立てを取り下げる予定であるから、それまで審理を中断していただくよう希求する。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標の類否

本件商標は、「PEBAX」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「ペバックス」の称呼を生ずる。

他方、引用商標も同様に、「PEBAX」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「ペバックス」の称呼を生ずる。

してみれば、両商標は、「PEBAX」の綴り字(外観)及び「ペバックス」の称呼をそれぞれ共通にする商標ということができる。

また、本件商標と引用商標とは、特定の意味合いを有しない造語よりなるものと認められるから、観念においては比較できない。

(2)本件商標と引用商標の指定商品の類否

本件商標の指定商品は、上述1のとおり、第22類「原料繊維,衣服綿,編みひも,網類」、第23類「糸」、第24類「織物,メリヤス生地,布製身の回り品,布団,毛布,ふきん,カーテン」及び第25類「被服,ガーター,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」であるのに対し、引用商標の指定商品は、上述2のとおり、第1類「原料プラスチック」及び第17類「プラスチック基礎製品,ゴム」である。

そこで、両指定商品の類否について検討するに、特許庁商標課編「商品及び役務の区分解説[国際分類第9版対応]」の記載によれば、

(ア)本件商標の指定商品中の

(a)第22類「原料繊維」は最終製品を含まず、紡績に用いる原料としての繊維を含むこと、また、その中の「織物用化学繊維」は有機質の化学繊維で織物用のもの[レーヨン,アセテート,アクリル,スフ用の繊維束(ノズルから引き出したままのもの。),スフになったもの]を含み、モノフィラメントや紡糸前の液状繊維を含まないこと、さらに、「網類」は原則として用途が限定されないもの(網地)を含み、特殊なものや用途が限定されるもの(バックネット,テニス用ネット,焼き網,ヘアネット等)を含まないことが認められる。

(b)次に、第23類「糸」は用途が限定されないものを含み、特殊な用途に限定されるもの(縫合糸,手術用キャットガット,釣り糸等)を含まないこと、また、その中の「織物用化学繊維糸」はモノフィラメントと紡績糸を含み、スフ用の繊維束(ノズルから引き出したままのもの。)とスフになったものを含まないこと、さらに、「織物用特殊糸」は繊維以外のもの及び特殊加工を施したもの(被覆ゴム糸・・・コルセット、くつ下等に織り交ぜて使用する表面を被覆したゴム糸)を含むことが認められる。

(c)第24類「織物」は生地のみを含み、生地を特殊な形態、寸法に加工したもの(例えば、靴磨き布,眼鏡ふき等)や二次加工を施したもの(細幅織物:ゲートル,ズボンつり,バンド等;石綿織物)を含まないこと、また、「メリヤス生地」は生地の段階のもののみを含み、最終製品(セーター,メリヤスシャツ等)を含まないこと、さらに、「布製身の回り品」は他の類に属するものを除いた家庭用の繊維製品(手巾類:ハンカチ,手ぬぐい,ふろしき等)を含むことが認められる。

(d)そして、第25類「被服」は履物や装身具を除いた人の身にまとうもの(帽子,手袋,くつ下等)で繊維製品(最終製品)(例外:革手袋,革製チョッキ)の大部分を含み、用途を限定したもの(運動用特殊衣服:スポーツをする際に限って着用するもの)を含まないことが認められる。

(イ)他方、引用商標の指定商品である第1類「原料プラスチック」は加工を何ら施さない原料としてのプラスチックを含むのに対し、第17類「プラスチック基礎製品」は第1類「原料プラスチック」の半加工品を含み、プラスチックの最終製品(例えば、プラスチック製の接着剤,プラスチック製容器,プラスチック製くし,プラスチック製タイル)を含まないことが認められる。

(ウ)してみると、本件商標の指定商品は、第22類から第24類までの衣料品等の素材(織物、編物等)及び第25類の最終製品(被服等)よりなるということができるのに対し、引用商標の指定商品は、加工を何ら施さない原料としてのプラスチック及びその半加工品よりなるといわざるを得ないから、結局、両商品は、その素材、加工状況、製造又は販売取引系統、使用目的、需要者層等を異にする非類似の商品と認められる。

(3)引用商標の周知・著名性

申立人提出の証拠を総合的に考察しても、本件商標の登録出願時に、我が国あるいは外国においても、引用商標が申立人の業務に係る商品に使用され、需要者の間において広く認識されるに至っていたと認めるに足る証拠は見当たらない。

また、本件商標と引用商標が、ほぼ同一又は類似の文字よりなるといい得ても、前記した引用商標の周知性の程度、商品の非類似性、提出証拠等を総合勘案すると、本件商標の登録出願時に、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者等が申立人の引用商標を連想、想起し、あるいは申立人又はそれと経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く誤信し、その出所について混同を生ずるおそれがあったということはできないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に違反して登録されたものということができない

(4)不正の目的の存否

しかも、本件商標は、その登録出願時に不正の目的があったと推認し得る具体的な証左も見出せないから、不正の目的をもって使用をするものということもできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものでもない。

(5)その他

申立人による審理猶予の求めとそれに関する平成18年2月9日から同11月6日までの上申を検討した後、審判長は、同19年1月26日付で審尋を発し、期間を指定して具体的な譲渡交渉の進展経緯等について釈明ないし回答を求めたが、申立人からは、何らの応答もなかったものである。

したがって、これ以上、本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと判断し、審理を行うこととした。

(6)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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