Trademark Appeal Case
短音称呼の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90397(T2006−90397/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4953899号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示す構成からなり、平成17年11月14日に登録出願、第34類「ライターその他の喫煙用具(貴金属製のものを除く。)」を指定商品として、同18年5月19日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は商標法第4条第1項第11号及び同第15号に該当するから、その登録は取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証(枝番を含む)を提出している。
(1)商標法第4条第1項第11号
(ア)引用商標
申立人の引用する登録第2138738号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)に示す構成からなり、昭和61年10月16日に登録出願、第27類「たばこ、喫煙用具、マッチ」を指定商品として、平成元年5月30日に設定登録され、同11年1月19日に商標権存続期間の更新登録がなされているものである。
(イ)理由の要点
本件商標は、「pash」の欧文字を横書きしてなり、その構成から「パシュ」の称呼を生ずること明らかである。
他方、引用商標は、「pasha」の欧文字を横書きしてなり、その構成から「パシャ」の称呼を生ずるものである。
両商標の称呼「パシュ」と「パシャ」を比較すると、聴取しにくい語尾の音の相違であること、また、「シュ」と「シャ」は子音を共通にする拗音であり、共に無声の摩擦音であることから近似したものとなり、よって、両商標は、称呼上互いに相紛らわしく類似するものといわざるを得ない。
また、外観においても、語尾の「a」の有無の相違のみで、他を共通にするから、外観上も類似するものであり、その指定商品も抵触する。
(2)商標法第4条第1項第15号
「Pasha」及び「パシャ」の商標は、申立人の業務に係る商品(時計)を表示するものとして我が国において広く知られており、このことは、甲第3号証の2、5及び24において「パシャ」が紹介されていることから窺われるものである。
したがって、これと類似する本件商標をその指定商品に使用するときは、申立人の業務に係る商品と誤認混同するおそれがある。
なお、申立人の商品(時計)は、主として女性に高い人気を誇っているが、本件商標も「女性のためのライターブランド」と銘打っている。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、別掲(1)のとおり、「pash」の欧文字を横書きし、その語頭「p」の左上に小さな黒塗りの星を配してなるものである。
そして、本件商標は、該構成文字に相応して「パシュ」の称呼を生ずるものであり、これよりは、特定の観念を生じない一種の造語と判断するのが相当である。
他方、引用商標は、別掲(2)のとおり、「a」と「h」の間の文字は「s」を図案化して表したと容易に看取し得るから、全体として「pasha」の文字を表したものとみるのが相当であり、これより「パシャ」の称呼を生じるものである。
しかして、「パシュ」と「パシャ」の称呼は、共にわずか2音という極めて短い音からなり、そのうち、語頭音の「パ」を同じくするものの、第2音において「シュ」と「シャ」の音の差異を有するものである。
そして、両差異音が帯有する母音「u」と「a」とは、前者が前舌面を下歯の歯ぐきにわずかに触れる程度に後退させ、後舌面を高め、唇を尖らせ、口腔の狭い部分から声を出すことによって発するものであるのに対し、後者は口を広く開き、舌を低く下げ、その先端を下歯の歯ぐきに触れる程度の位置におき、声帯を振動させて発するものであって、極めて短い音構成の両称呼における前記差異は、両称呼の全体としての音感に与える影響が決して小さいものとはいい難く、それぞれを一連に称呼しても、互いに相紛れることなく充分に区別し得るものというべきである。
また、両商標は、外観において、語尾の「a」の有無の相違に止まらず、構成態様において著しく相違するから、全体から受ける印象は全く異なったものであり、時と処を異にしてみても相紛れるおそれがあるとはいえない。 さらに、観念においても相紛わしいとすべき点を見い出せない。
したがって、本件商標は、外観、称呼及び観念のいずれからみても、引用商標と類似する商標とはいえないから、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人提出の証拠によれば、時計に「パシャ」、「PASHA」、「Pasha」の各商標が使用されていることは認め得るとしても、本件商標と上記各使用商標とは、上記(1)のとおり、称呼において相紛れることはなく、また、構成文字の共通点を参酌するも、構成態様全体からみて外観上も相紛れるおそれがあるとはいい難く、結局、別異の商標として看取されるというのが相当である。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、需要者が当該商品を申立人あるいは同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものと誤信し、商品の出所について混同するおそれがあるということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号にも該当しない。
(3)結語
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものとはいえないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録は維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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