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Trademark Appeal Case

要部認定と称呼の類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2006−90430(T2006−90430/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4962570号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4962570号商標(以下「本件商標」という。)は、「YL ホワイトアンジェリカ」と「YL White Angelica」の文字とを二段に横書きしてなり、平成17年8月10日に登録出願、「せっけん類、歯磨き、化粧品、香料類、精油からなる食品香料」を指定商品として、平成18年6月23日に設定登録されたものである。

2 引用商標

登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第2247055号商標(以下「引用商標」という。)は、「ANGELICA」と「アンジェリカ」の文字とを二段に横書きしてなり、昭和62年12月9日に登録出願、第4類「せっけん類、歯みがき、化粧品、香料類」を指定商品として、平成2年7月30日に設定登録されたものである。そして、当該商標権は、平成12年9月19日に存続期間の更新登録がされて、その効力が存続している。

3 登録異議申立の理由(要点)

本件商標と引用商標との類否についてみるに、本件商標の構成は、「YL」の欧文字と「ホワイトアンジェリカ」の片仮名文字の横書きと「YL White Angelica」の欧文字の横書きで上下二段である。先ず、上下共に構成中の語頭部にある「YL」の2欧文字については、化学(薬剤、化粧品)分野においては、単なる記号、符号としてのみの広く使用がなされており、本件商標の要部としての識別性は、まったく有しないと思料する。

してみると、類否の対称となる部分は、「ホワイトアンジェリカ\WhiteAngelica」と「ANGELICA\アンジェリカ」と看取すべきものとなる。そして、本件商標の構成中の「ホワイト」、「White」の部分は、これを取り扱う化粧品業界においては、これが商品の色彩表示又は品質表示を表わす語として普通に使用されていることは、周知の事実である。また、本件商標が登録される以前、即ち平成18年6月23日以前において、庁が行なった審査事例においても「ホワイト」、「White」等の色彩表示の部分は、顕著性の無い部分として他の部分を要部として、認定された事例が多数存在致する。

<審査事例>

(1) WHITE V BALANCE は BALANCE に類似(出願2004‐32867)

ホワイト Vバランス バランス

(2) CYBER WHITE は CYBER に類似(出願2004‐36479)

サイバーホワイト サイバー

(3) VITALWHITE は VITAL に類似(出願2004‐52493)

バイタルホワイト バイタル

(4) キラキラピンク は キラキラ に類似(出願2005‐45873)

(5) OXY WHITE は OXY に類似(出願2005‐82792)

オキシホワイト オキシ

(6) イグニスホワイト は IGNIS に類似(出願2005‐111386)

イグネス

(7) ECM\チューニングホワイト は TUNING に類似

イイシイエムチューニングホワイト チューニング (出願2005‐114989)

以上の事例のとおりであるから、本件商標「YLホワイトアンジェリカ\YLWhite Angelica」の主要部分は「Angelica\アンジエリカ」の部分にあり、これが、その構成文字全体で一連の特定でポピュラーな観念を有することがないということは明白であるが、一応これより、「ワイエルホワイトアンジェリカ」又は「ホワイトアンジェリカ」の称呼と共に、該部分を略して単に「アンジェリカ」の称呼をも生ずるのも明らかな事実である。

これに対して、引用商標の構成は、上記のとおりであるから、これよりは「アンジェリカ」の称呼を生ずるものということができる。

したがって、本件商標と引用商標は、共に「アンジェリカ」の称呼を生ずることは明らかであり、なおかつ指定商品も抵触するために、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきものであ。

また、色彩関係を特に重要視する化粧品業界において、このような登録商標「ANGELICA\アンジェリカ」に対し、単に記号である欧文字と「ホワイト」、「White」の色彩若しくは品質表示を付したにすぎない「YL ホワイトアンジェリカ\YL White Angelica」なる商標が仮に非類似とすれば、化粧品小売店、ドラッグストア等の店頭の棚に「ANGELICA\アンジェリカ」というブランド名称の商品群と「ホワイトアンジェリカ\White Angelica」というブランド名称の商品群が同時に並列してしまい、多数の消費者に誤認混同を与え、迷惑を掛けてしまうことは、必至であると思料する。したがって、やはり「ANGELICA\アンジェリカ」と「YL ホワイトアンジェリカ\YL White Angelica」とは類似と判断されるべきと考えられる。

4 当審の判断

本件商標は、上記のとおり「YL ホワイトアンジェリカ」と「YL White Angelica」の文字とを二段書きしてなるところ、確かに、本件商標の構成文字を「YL」「ホワイト\White」「アンジェリカ\Angelica」とに分離してみれば、構成前半の「YL」の2欧文字が商品の記号・符号として理解され、また、「ホワイト\White」の文字(語)が「白、白い」の意から商品の色彩又は品質表示として理解される場合があることは、必ずしも否定するものでない。しかしながら、「ホワイトアンジェリカ\White Angelica」の文字部分は、外観上纏まりよく一体的に看取し得るばかりでなく、これより生ずる「ホワイトアンジェリカ」の称呼も一気一連に発声し得るものである。

そうしてみると、本件商標の構成中、「ホワイトアンジェリカ\White Angelica」の文字部分は、上述のとおり、外観上一体的に看取されるというのが相当であって、かかる構成中にあって、「ホワイト」及び「White」の文字部分が特定の商品についての品質を表示するものとして把握され、その結果、該文字を捨象して、単に構成後半の「アンジェリカ」及び「Angelica」の文字を分離、抽出して、これが独立して認識されるとまではいい難く、むしろ、「ホワイトアンジェリカ\White Angelica」として不可分一体の造語と認識し把握されるものとみるのが自然である。

したがって、本件商標は、その構成文字の全体に相応して「ワイエルホワイトアンジェリカ」又は「ホワイトアンジェリカ」の称呼を生じ、かつ、特定の観念を生じることのない商標と判断するのが相当であって、単に「アンジェリカ」及び「Angelica」の文字部分が独立して認識され、商取引に資されるということはできない。

そうすると、本件商標と引用商標は、指定商品を同一又は類似にするとしても、本件商標より「アンジェリカ」の称呼・観念をも生ずることを理由にして、本件商標と引用商標とを類似とすることはできない。

なお、申立人は、(1)ないし(7)に係る審査事例を挙げて主張するところあるが、(1)及び(4)以外の商標登録出願は、商標登録されているものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、各商標につき個別具体的に判断されるべきものであるから、申立人が主張するような事例があるからといって、本件商標と引用商標についての上記判断が左右されることにはならない。また、本件商標と引用商標を付した商品群が同時に並列した場合、多数の消費者に誤認混同を与え、迷惑を掛けてしまうことは、必至である旨述べているが、これを確証づけるものの提出がなく、かかる主張を直ちに採用できない。その他、両商標を類似とすべき点を見出せない。

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものということはできないから、その登録は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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