Trademark Appeal Case
欧文字3文字の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90512(T2006−90512/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4967320号商標(以下「本件商標」という。)は、平成17年8月29日に登録出願、「MHL」の欧文字を書してなり、第9類「耳栓,眼鏡,電子出版物」を指定商品として、同18年7月7日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、1917年に設立され、現在30チームが加盟している全米ホッケーリーグ(NHL)の国際的な商標の管理及び商品化活動を行っている企業であって、同リーグは75年以上にわたり世界一のプロアイスホッケーリーグとして広く認められている。
「NHL」の表示は、米国アイスホッケーリーグの名称として、新聞、雑誌、あるいはテレビやラジオ等を通じて日本中に知られており、「印刷物」については、「NHL」に関する雑誌、書籍が発行され、また、インターネットにおいても日本から「NHL」に関する電子書籍の購入もできるので、印刷物の分野で「NHL」といえば、米国アイスホッケーリーグの略称としてすぐに理解されるほどによく知られているものである。
そして、本件商標は、「MHL」の文字よりなるから、印刷物に関する周知商標である「NHL」と類似するものであり、その指定商品「電子出版物」も使用商品「印刷物」と類似するものである。
さらに、「NHL」は、申立人及びその関連会社の商標として世界的に周知著名であるから、本件商標がその指定役務に使用された場合には、同役務が申立人と何らかの関係がある者のものと誤認されるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号に該当し、その登録は取り消されるべきである。
以下、「NHL」を「引用商標」という。
3 当審の判断
(1)そこで、上記の両商標の類否について判断するに、両者よりはそれぞれの構成よりみて、本件商標は「エムエイチエル」、引用商標は「エヌエイチエル」の称呼を生ずること明らかであるから、両称呼は第2音において音質を異にする「ム」と「ヌ」の音の差異を有するものである。
そして、両商標はともに欧文字を綴り合わせてなる一連の成語を形成するものではなく、アルファベット3文字を羅列してなるもので、このような場合、発音に際しては一気一連というよりも一文字一文字を区切って明確に発音されるのが常といえるから、発音上のかかる事情と上記の音の差異とを考え合わせれは、両商標は称呼上相紛れることなく十分区別し得るものというのが相当である。
つぎに、外観についてみるに、両者はともに3文字により構成され、構成中語頭において「M」と「N」の差異を有するから、ともに普通の書体からなるものであって、短い3文字の簡潔な構成であることを勘案すれば、そこから受ける外観上の印象は相紛らわしいものとはいえず、時と処を異にした場合においても、外観上で相紛れるおそれはないと判断するのが相当である。
また、本件商標は、特定の意味合いを生ずることのない造語よりなるものであるから、両者は、観念においても相紛れるおそれのないものである。
したがって、本件商標と引用商標は、外観、称呼、観念のいずれの点においても相紛れることのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものということはできない。
(2)上記のとおり、本件商標は、引用商標と互いに非類似の商標であるばかりでなく、申立人の提出した甲第2号証ないし甲第9号証によれば、米国のプロアイスホッケーリーグが「NHL」と略称され、同リーグの試合が日本国内で放送され、同リーグに関連した記事を掲載した雑誌、書籍等が一般に販売されている事実を認めることができるが、かかる証拠のみによっては、引用商標が本件商標出願時に米国のプロアイスホッケーリーグを表すものとして我が国において取引者、需要者の間で広く知られるに至っていたものと認めることはできないから、本件商標をその指定商品に使用した場合、これに接する取引者、需要者が、申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係ある者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものとはいえない。
(3)上記のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号に違反して登録されたものではないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持するものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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