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結論

敗訴(請求棄却)

商標「CLICE」と「クラリス」の称呼の類似性判断(第4条第1項第11号・第4条第1項第15号|審判異議2006−90640(T2006−90640/J7))

審判番号
異議2006−90640(T2006−90640/J7)
審判種別
異議

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「CLICE」引用商標「クラリス」
争点(論点)
称呼の類似性判断
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第15号
指定商品・役務の区分
第3類・第5類・第16類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2006−90640(T2006−90640/J7)・異議)は、本件商標「CLICE」と引用商標「クラリス」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第15号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性判断」です。指定商品・役務は第3類・第5類・第16類に属します。特許庁は「登録第4987039号商標の商標登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4987039号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4987039号商標(以下「本件商標」という。)は、平成17年10月18日に登録出願され、「CLICE」の欧文字を標準文字で書してなり、第3類「せっけん類,歯磨き,化粧品」、第5類「薬剤」及び第16類「トイレットペーパー,ウエットティッシュ」を指定商品として、同18年9月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由の要点

(1)本件商標は、登録異議申立人(以下「申立人」という。)の引用に係る、「クラリス」の片仮名文字と「CLARITH」の欧文字を二段に横書きにしてなり、昭和62年10月12日に登録出願、第1類「化学品,薬剤及び医療補助品」を指定商品として、平成3年5月31日に設定登録され、その後、同14年4月17日に指定商品を第1類、第2類、第3類、第4類、第5類、第8類、第10類、第16類、第19類、第21類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする指定商品の書換登録がされた登録第2310216号商標(以下「引用商標」という。)と、それぞれより生ずる「クライス」と「クラリス」の称呼において類似する商標であり、その指定商品も同一にするものである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)さらに、引用商標は抗生物質製剤に使用された結果、遅くとも本件商標の出願時には取引者・需要者の間で広く知られるに至っていた商標であるから、本件商標を指定商品である薬剤に使用すれば、出所の混同を生じる。

したがって、本件商標は、同法法第4条第1項第15号の規定に違反し

て登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記とおり、「CLICE」の欧文字を書してなるところ、該欧文字は、わが国において特定の読みをもって親しまれた語ではなく、造語と認識させるものであるから、これを称呼するときは、我が国で親しまれた英語又はローマ字読みに従って、「クライス」及び「クリス」の称呼を生ずるというのが相当である。

これに対して、引用商標は、前記のとおり、「クラリス」の片仮名文字と「CLARITH」の欧文字を二段に横書きにしてなるところ、その構成中の欧文字部分は、わが国において親しまれた語ではなく、造語と理解されるから、その上段に書された片仮名文字部分が欧文字部分の読みを特定したものと理解されるというのが相当である。

そうすると、引用商標は、「クラリス」の称呼のみを生ずる造語よりなる商標といわなければならない。

そこで、本件商標より生ずる「クライス」と引用商標より生ずる「クラリス」の称呼を比較するに、両称呼は共に4音からなり、「ク」「ラ」「ス」の音を共通にし、第3音において「イ」と「リ」の音に差異を有するものである。そして、該差異音の「イ」は前音「ラ」と二重母音になる関係上、前音の母音「ア」が強く、これに続く「イ」の音は弱く発音され得るものである。これに対し、「リ」の音は、舌先が歯茎を弾くように発せられ明瞭に発音される上に、前音も同様に発音される弾音「ラ」であることから二音続いて弾むように発音され得るものであり、その音質、音感を異にするものである。そうすると、該差異音が、共に4音という簡潔な音構成よりなる両称呼の全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、互いに紛れるおそれはないものというべきである。

また、本件商標より生ずる「クリス」と引用商標より生ずる「クラリス」の称呼を比較するに、両称呼は、前述のとおり明瞭に発音される「リ」の音の有無に顕著な差異があるから、3音又は4音という短い音構成よりなる両称呼の全体に与える影響は大きく、それぞれを一連に称呼しても、十分に聴別し得るものである。

また、両商標は、それぞれ前記のとおりの構成よりなるものであるから、外観上、十分に区別し得る差異を有し、さらに、両商標は、前述のとおり、ともに特定の語義を有しない造語よりなるものと認められるから、観念上も互いに比較すべくもなく相紛れるおそれはない。

してみれば、本件商標と引用商標は、称呼、外観及び観念のいずれからみても非類似の商標といわなければならない。

(2)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲第9号証及び申立理由によれば、申立人は、引用商標を平成3年に商品「抗生物質製剤」について発売開始して以来使用されているところ、2004年のマクロライド系抗生物質製剤における市場占有率が37.7%(売上は274億円)で第一位であることが認められ、その売上、市場占有率からすると、マクロライド系抗生物質製剤を取り扱う取引者、需要者の間においては、相当程度広く認識されていたことを推認することができる。

しかしながら、(1)で判断したとおり、本件商標は引用商標とその称呼、外観及び観念のいずれからみても類似しない別異な商標というべきであって、他に両商標間には当該商品について出所の混同を生じるおそれのある事由は見出せないものである。

そうとすれば、本件商標をその指定商品中、薬剤に使用したとしても、取引者・需要者がこれより直ちに引用商標を想起又は連想し、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないと判断するのが相当である。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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