Trademark Appeal Case
称呼・外観の類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−68011(T2006−68011/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件国際登録第858764号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、2005(平成17)年1月12日にFranceにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して2005(平成17)年7月11日を国際登録の日とし、国際商標登録原簿に記載のとおりの第33類「Brandy with the appellation d’origine controlee(protected label of origin)”Cognac”.」を指定商品として、平成18年7月14日に設定登録がされたものである。
2 引用商標
本件登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用した登録第1840862号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成からなり、昭和53年1月6日に登録出願、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として同61年2月28日に設定登録、その後、平成8年12月24日及び同18年3月14日の二回に亘る商標権存続期間の更新登録、さらに、同年5月24日に商品区分及び指定商品を第33類「ロシア産のウォッカ」とする書換登録がされたものである。
同じく、国際登録第735579号商標(以下「引用商標2」という。)は、「MOSKOVSKAYA」の文字を横書きしてなり、2000(平成12)年2月29日付けでBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して2000(平成12)年4月27日を国際登録の日として、第32類及び第33類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2001(平成13)年2月9日に設定登録がされたものである。
同じく、国際登録第740338号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲(3)に示すとおりの構成からなり、2000(平成12)年4月25日付けでBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張して2000(平成12)年6月9日を国際登録の日として、第32類及び第33類に属する国際商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、2001(平成13)年9月7日に設定登録がされたものである(以下、これらをまとめていうときには、単に「引用商標」という。)。
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、その構成よりして、「モスコフスキー」と称呼されるのに対し、引用商標は、その構成中の「MOSKOVSKAYA」の文字部分をもって、いずれも「モスコフスカヤ」と称呼される。
しかして、本件商標と引用商標とは、「モ」「ス」「コ」「フ」「ス」の各音を共通にし、その異なるところは、末尾における「キー」と「カヤ」の違いであるところ、「キ」と「カ」は、子音(k)を共通にする同質音であり、また、引用商標の末尾における「ヤ」の音は、その位置の関係から、ほとんど聴取し難い音といえる。
したがって、本件商標と引用商標とをそれぞれ一連に称呼するときは、互いに紛らわしいものであり、とりわけ、両称呼が日本人の耳には聞き慣れぬロシア語風のものであるところ、聞き慣れない称呼は、たとえ、その差が大きくても、聴き誤る場合のあることは日常生活においてよく経験することである。
これよりして、本件商標と引用商標とは一層聴き誤るものとなるので、本件商標と引用商標とは称呼上類似する。
本件商標と引用商標は、その構成文字の多くを共通にしており、かつ、いずれも商品の包装(酒瓶)上に表示されるものである。とりわけ、引用商標の幾つかは、ラベルとして商品の包装である酒瓶の上に貼付される。
そうしたことから、本件商標と引用商標は、使用の際、商標としては、比較的小さいものとならざるを得ず、また、文字の違いという外観上の差異が当該商品の需要者にとって、ほとんど認識し難いものとなるので、数多くの文字が共通し、注意を惹きやすい前半の文字部分が共通している本件商標と引用商標とは、外観上互いに紛らわしい類似の商標というべきである。
そして、本件商標と引用商標は、その指定商品において抵触することが明らかである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示すとおり、文字と図形との結合よりなるところ、これを常に一体不可分のものとして把握すべき特別の理由もないから、その構成中の中央付近に白抜きしてなる横長矩形内に茶色で表示した「MO
を果たすものとみるのが相当である。
しかして、該文字中、末尾部分の文字は、ロシア文字と認められるところ、該文字は、我が国において、特に親しまれた文字とはいえないから、この部分を含めて称呼を特定することは困難である。なお、強いて、称呼するとすれば、前半部分の「MOCKOB」の文字部分より「モッコブ」の称呼を生ずるといえる程度である。
他方、引用商標1及び3は、別掲(2)及び(3)に示すとおりの構成よりなり、また、引用商標2は、上述2に表示したとおりの構成よりなり、いずれも「MOSKOVSKAYA」の文字部分より「モスコフスカヤ」又は「モスコブスカヤ」の称呼を生ずるものである。
そうとすれば、本件商標から「モスコフスキー」の称呼を生ずるとし、その上で、本件商標と引用商標とが称呼上類似する商標であるということはできない。
仮に、申立人が主張するように、本件商標から「モスコフスキー」の称呼を生ずるとしても、両者は、その後半部において、「スキー」と「カヤ」の明白な音の差異を有するから、相紛れるおそれはないというべきである。
次に、申立人は、両商標が酒瓶のラベルとして貼られるから、その文字部分は小さくならざるを得ず、外観上類似する旨述べているが、酒瓶のラベルとして貼られることをもって、文字部分が小さくなるとは限らないし、また、両文字を比較しても、本件商標は10文字、引用商標は11文字からなるものであって、そのうちの第1文字目の「M」、第2文字目の「O」、第4文字目の「K」、第5文字目の「O」及び第8文字目の「K」の5文字を同じくするとしても、それ以外の全ての文字を異にするから、両者は外観上も相紛れるおそれはない。
さらに、本件商標からは、特定の観念を生じないから、観念においては、比較すべくもないものである。
してみれば、本件商標が引用商標と外観及び称呼において類似するので、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるとの申立人の主張は妥当でなく、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。