結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2006−30146(T2006−30146/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4028295号商標(以下、「本件商標」という。)は、「LAB」の文字を書してなり、平成7年12月1日に登録出願、第3類「化粧品,歯みがき,香料類」を指定商品として、平成9年7月18日に設定登録されたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求め、請求の理由を次のように述べた。
請求人の調査によると、本件商標は商標権者によっていずれの指定商品についても日本国内において継続して3年以上使用されていない。
また、本件商標の商標権に専用使用権は設定されていない。
加えて、通常使用権も登録されていないことから、本件商標権には通常使用権者も存在しないことが推認し得る。
したがって、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消を免れない。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第16号証を提出した。
(1)本件商標は、通常使用権者であるエスティローダー株式会社(以下「エスティローダー社」という。)によって、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において指定商品中「化粧品」について使用されている。
(2)通常使用権について
被請求人とエスティローダー社の間で締結された契約書写(乙第1号証)および覚書写(乙第2号証)に見られるように、被請求人は、本件商標の「化粧品」についての通常使用権をエスティローダー社に許諾している。
乙第2号証に係る覚書写の第2条には「原契約有効期間満了日の平成18年11月27日」の文言があることより、乙第1号証に係る契約で許諾した通常使用権が少なくとも平成18年11月27日まで有効であることは明らかである。加えて、乙第3号証に係る商標使用許諾契約書写では、契約締結日が2003年5月20日であるところ、第11条に「本契約の有効期間は、本契約締結の日から5年間とする。」とあり、乙第3号証に係る契約で許諾した通常使用権が現在有効であることは明らかである。よって、以下に証明するエスティローダー社による使用が、通常使用権者による使用であることは明らかである。
(3)乙第4号証として提出する商品パンフレット写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介するパンフレット写であり、ローション等の男性用化粧品をエスティローダー社が販売していることが示されている。
そして、これらの男性用化粧品には、「LAB/SERIES/SKINCARE FOR MEN」の文字が付されている。このうち、「SERIES」は『シリーズ』『一組』を意味する識別力のない語であり、「SKINCARE FOR MEN」も『男性のための肌の手入れ』等を意味する識別力のない語である。よって、「LAB/SERIES/SKINCARE FOR MEN」のうち自他商品識別力を有する語は「LAB」のみである。この意味で、乙第4号証に係る男性用化粧品に使用されている商標は「LAB」である。
また、パンフレット写の最終ページ右上隅の文字「LAB−1 06.2」に見られるように、このパンフレットは2006年2月時点の「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介するものであり、本件審判請求の登録前3年以内の使用であることは明らかである。
(4)乙第5号証として提出する商品パンフレット写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介するパンフレット写であり、ローション等の男性用化粧品をエスティローダー社が販売していることが示されている。
そして、これらの男性用化粧品には、「LAB/SERIES/FOR MEN」の文字が付されている。このうち、「SERIES」は『シリーズ』『一組』を意味する識別力のない語であり、「FOR MEN」も『男性用』等を意味する識別力のない語である。よって、「LAB/SERIES/FOR MEN」のうち自他商品識別力を有する語は「LAB」のみである。この意味で、乙第5号証に係る男性用化粧品に使用されている商標は「LAB」である。
また、このパンフレット写の最終ページ右下隅には「LAB−60 04.4」の文字が見える。これらの文字のうち「04.4」が「2004年4月」を意味し、それがこのパンフレットの発行年月を意味することは明らかである。よって、本件審判請求の登録前3年以内の使用である。
(5)乙第6号証として提出する商品パンフレット写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介するパンフレット写であり、ローション等の男性用化粧品をエスティローダー社が販売していることが示されている。
そして、これらの男性用化粧品には、「LAB/SERIES/FOR MEN」の文字が付されており、乙第5号証と同様に、これらの男性用化粧品に使用されている商標は「LAB」である。
また、このパンフレット写の最終ページ右下隅には「LB−1 05.3」の文字が見える。これらの文字のうち「05.3」が「2005年3月」を意味し、それがこのパンフレットの発行年月を意味することは明らかである。よって、本件審判請求の登録前3年以内の使用である。
(6)乙第7号証として提出する商品パンフレット写は、エスティローダー社の取扱いに係るクリニークシリーズの女性用化粧品を紹介するパンフレット写である。このパンフレット写では、ファンデーション等の女性用化粧品をエスティローダー社が販売していることが示されている。
そして、これらの女性用化粧品には、「lab/solutions」の文字が付されている。このうち、「solutions」は『問題解決』等を意味する英単語であり、使用されている商品(化粧品)との関係で、『肌の問題の解決』等を意味する識別力のない語である。よって、「lab/solutions」のうち自他商品識別力を有する語は「lab」のみである。ここで、使用商標「lab」と本件商標とは、商標法第50条第1項に規定する「平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生じる商標」である。よって、商標「lab」が本件商標と社会通念上同一と認められる商標である。
また、このパンフレット写の裏表紙の右下隅には「2005.07」の数字が見える。これが「2005年7月」を意味し、それがこのパンフレットの発行年月を意味することは明らかである。よって、本件審判請求の登録前3年以内の使用である。
(7)乙第8号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する記事である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品のラインナップに含まれる「マルチアクション フェース ウォッシュ」、「デイ レスキュー」、「エイジ レスキュー」、「ルートパワー シャンプー」 および「ルート パワー」 について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌抜粋写の右下隅には「04.9.2」の文字および雑誌表紙写には「9月2日号」の文字が見られ、かつ、記事文言中の「9月新発売」に見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2004年9月に使用されていたことは明らかである。
(8)乙第9号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する記事である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品のラインナップに含まれる「ルート パワー」、「マルチアクションフェース ウォッシュ」、「ルート パワー シャンプー」、「エイジ レスキュー」 および「デイ レスキュー」 について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写には「2004 10」の文字が見られ、これが「2004年10月」を意味することは明らかである。このことから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2004年10月に使用されていたことは明らかである。
(9)乙第10号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する広告である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写の右上隅には「2005年4月1日発行」の文字が見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2005年4月1日に使用されていたことは明らかである。
(10)乙第11号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する記事である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品のラインナップに含まれる「エイジ レスキュー」、「デイ レスキュー」、「ルート パワー シャンプー」および「マルチアクション フェース ウォッシュ」について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写の右上隅には「2005 4」および「平成17年4月1日発行」の文字が見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2005年4月1日に使用されていたことは明らかである。
(11)乙第12号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する記事である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品のラインナップに含まれる「エイジレスキュー」について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写の右上隅には「May 2005 No.24 5」の文字が見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2005年5月に使用されていたことは明らかである。
(12)乙第13号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する広告である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写の右下隅には「2005 6」の文字が見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2005年6月に使用されていたことは明らかである。
(13)乙第14号証として提出する雑誌表紙及び抜粋写は、エスティローダー社の取扱いに係る「LAB」シリーズ男性用化粧品を紹介する記事である。この雑誌抜粋写では、「LAB」シリーズ男性用化粧品について商標「LAB」が使用されていることが明確に示されている。また、雑誌表紙写の左下隅には「7/27 2005」の文字が見られることから、上記「LAB」シリーズ男性用化粧品が2005年7月27日に使用されていたことは明らかである。
(14)乙第15号証として提出する物品受領書及び納品書写は、仙台市所在の藤崎百貨店が「男性用化粧品」をエスティローダー社から受領したことを示すものである。この物品受領書の「出荷日付」には「05年08月22日」の日付が見られ、「納品予定日」には「05年08月23日」の日付が見られる。したがって、通常使用権者により男性用化粧品が審判請求の登録前3年以内に取引されていたことは明らかである。
また、この物品受領書の「商品コード」には、「26PA−00」、「25LE−00」および「29EJ−00」の品番が記載されているところ、これらの品番は、乙第16号証として提出する商品コード一覧表写に見られるように、エスティローダー社の取扱いに係る男性用化粧品の品番を意味する。そして、同一覧表写に見られるように「26PA」は商品「レイザーバーン リリーフ ウルトラ」を意味し、「25LE」は「リフト アウェイ パワー W クレンザー」を意味し、「29EJ」は商品「ルート パワー シャンプー」を意味する。同一覧表写では 「LAB/SERIES/FOR MEN」のシリーズの一つとしてこれらの商品を記載しており、さらに、乙第6号証の商品パンフレット写に見られるように、「レイザー バーンリリーフ ウルトラ」、「リフトアウェイ パワー W クレンザー」および「ルートパワー シャンプー」には「LAB」の商標が明確に付されている。
このように、乙第15号証、乙第16号証および乙第6号証より、通常使用権者が商標「LAB」を男性用化粧品について、審判請求の登録前3年以内に使用していたことは明らかである。
(1)被請求人の提出した証拠(乙1ないし3)によれば、被請求人は、審判請求の登録前である平成8年以降、現在に至るまで、エスティローダー社に対し、本件商標の通常使用権を許諾し、同社は、その通常使用権者であることが認められる。
また、証拠(乙5、乙6、乙8ないし16)によれば、エスティーローダ社が、本件審判請求の登録前3年以内に、「アラミスラボシリーズと称する洗顔フォームその他の男性用化粧品を販売したこと、それらの男性用化粧品ラインナップに含まれる化粧品には、別掲のとおりの「LAB」「SERIES」「FOR MEN」の各文字を三段に横書きしてなる標章(以下「本件使用標章」という。)が付されていること、同期間に作成、頒布されたエスティローダー社の取り扱いに係る男性用化粧品のパンフレットやそれらの商品を紹介する雑誌の記事にも本件使用標章が付された化粧品が掲載されていることが認められる。
以上、本件商標の通常使用権者であるエスティローダー社は、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件使用標章を商標として使用したことが明らかである。
(2)本件商標は「LAB」の文字からなるものである。一方、 本件使用標章は、上記のとおり、「LAB」「SERIES」「FOR 1 MEN」の各文字を三段に横書きしてなるものであり、いずれも同一書体により表示され、かつ、各文字の語頭は縦にそろうように配置されているが、「FOR MEN」の表示は、「LAB」と「SERIES」の表示に比べて小さいうえ、本件使用標章が取消請求に係る指定商品の「化粧品」に付された場合には、取引者・需要者は、それが「男性用化粧品」という商品の用途を示す標章であると認識、理解するものと認められる。したがって、本件使用標章の構成中の「FOR MEN」部分には自他商品の識別力がないというべきである。
次に、「LAB」と「SERIES」の各文字は、いずれも同一書体により表示され、かつ、各文字の語頭は縦にそろうように配置されているが、段を違えて表示されており、一列にした場合に比して、「LAB」と「SERIES」の一体性を希薄化させているばかりでなく、最上段にあってわずか3文字からなる「LAB」の部分を、これより字数が多く、やや文字が圧縮された感のある第二段の「SERIES」の部分より相対的に際立たせるものとなっている。
また、「LAB」の語は、「実験室、研究室」等を意味する「labor atory」の略語である「lab」を大文字表記したものともいえるが、一般的に、直ちに特定の観念を生じさせるものとまで断定することはできない。これに対し、「SERIES」の語は、「シリーズ」と読まれる平易な英語であって、「連続」、「続きもの」、「シリーズもの」の意味に認識され、それ自体自他商品の識別機能は微弱であるうえ、化粧品の取引業界では、一つのブランド名で複数の商品ラインナップを発表し、そのラインナップに含まれる化粧品を「SERIES」「シリーズ」として総称することも広く行われていることから、本件使用標章の構成中、「LAB」と「SERIES」の語も、「LAB」の「シリーズ」という観念を生じさせるということができる。
そうすると、本件使用標章は、取引者・需要者に対し、その構成中の「LAB」の部分が顕著な印象を与えるものであり、同部分に自他商品の識別力があると認めるのが相当である。
してみれば、本件使用標章は、その構成中の「LAB」の部分が、独立して自他商品の識別機能を有していると認められるから、本件使用標章は、本件商標と社会通念上同一と認められる商標というべきである。
(3)以上によれば、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の通常使用権者が、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中の「化粧品」に使用していたと認め得るものである。
そして、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが指定商品について使用をしていないものには該当しないから、商標法第50条に照らし、その登録を取り消すことはできないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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