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Trademark Appeal Case

商標使用の立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2006−30171(T2006−30171/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第3327985号商標の指定商品中「さび除去剤,洗濯用漂白剤」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1.本件商標

本件登録第3327985号商標(以下「本件商標」という。)は、「TILEX」の欧文字を横書きしてなり、平成7年1月30日に登録出願され、第3類「せっけん類,さび除去剤,つや出し剤,洗濯用漂白剤」を指定商品として、同9年7月4日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べた。

(1)本件商標は、請求人の知る限りでは、指定商品中「さび除去剤,洗濯用漂白剤」については日本国内において過去3年間使われていない。

したがって、本件商標の指定商品中、上記商品については、商標法第50条第1項によりその登録は取り消されるべきである。

(2)乙第1号証の1及び2は、被請求人が商標を使用していることを述べているのみであり、なんら証拠を示していないため、有効な主張立証はされていない。なお、商標の使用の時期についての言及はまったくない。

(3)乙第2号証のホームページ上に2004/11/09の文字があるため、被請求人は2004年11月9日付けで本件商標「TILEX」を用いた商品を実際にオンライン上で販売していたという事実を示すプリントアウトであると主張している。しかし、ホームページの日付欄などは後から容易に変更修正が可能であるため、証拠能力は非常に低いものといわざるを得ない。従って、被請求人が2004年11月9日付けで本件商標「TILEX」を用いた商品を実際にオンライン上で販売していたとの確実な立証はできていない。

また、商品は「カビ取り用洗浄剤」についてであり「さび除去剤」でないことは明らかである。また「洗濯用漂白剤」とも言いえるものではないが、この点については、以下で反論する。

また、乙第3号証は2006年6月21日現在において、実際に販売しているという事実を示すプリントアウトである旨を主張しているが、本件審判の請求日である2006年2月8日よりも後の日付での販売の主張であるため、証拠としては採用できないものである。

(4)答弁の理由(3)で「コストコホールセール」(以下「コストコ社」という。)の会社説明書を乙第4号証として、「株式会社プレンティーエコ」(以下「プレンティーエコ社」という。)の会社概要及び説明書を乙第5号証として提出する旨を述べているが、乙第4号証、乙第5号証ともにザ・クロック・カンパニーと何らかの商標使用契約を結んだ会社である旨の証拠を示していない。

(5)答弁の理由(4)で被請求人は「カビ取り用洗浄剤」と「洗濯用漂白剤」は同種の商品であると主張している。しかし、「カビ取り洗浄剤」は商標登録第4310519号(商標登録願平10−043567)において類似群コード「04A01」で登録されている。

一方、「洗濯用漂白剤」は類似商品・役務審査基準[国際分類第8版対応〕において類似群コード「01A01」と規定されている。従って、「カビ取り用洗浄剤(カビ取り洗浄剤)」と「洗濯用漂白剤」は類似群コードの異なる、別種の商品である。

「カビ取り用洗浄剤(カビ取り洗浄剤)」について商標権を使用したい場合は「洗濯用漂白剤」としてではなく「カビ取り用洗浄剤(またはカビ取り洗浄剤)」で商標登録出願するべきである。

従って、被請求人の主張には誤りがあるといわざるを得ない。そのため、被請求人は「さび除去剤」はもちろん「洗濯用漂白剤」についても商標を使用していないといわざるを得ない。

(6)以上に述べた通り、本件審判請求にて取消しの対象となっている指定商品について、被請求人は、日本国内において、過去3年間から審判請求時点においてまで、実際に使用していたとの主張立証は成り立たないものである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。

(1)乙第1号証の1及び2として、被請求人の米国代理人が当職に宛てた、2006年6月17日付けの電子メールのコピー及び同日本語訳文を提出する。当該電子メールにあるように、被請求人であり、本件商標の権利者である、米国カリフォルニア州のザ・クロロックス・カンパニーは、米国に本社を持つ大規模会員制倉庫型店舗であるコストコ社を通して、日本において、現在、国内の3箇所の倉庫店に、本件商標「TILEX」を用いた商品を販売中である旨が述べられている。また、日本国神奈川県川崎市多摩区登戸2663東洋ビル6Fに住所を有し現存するプレンティーエコ社が運営する、インターネット上のオンラインショップ「PECO‐SHOP」を通じても、同商品(スプレー式タイプ)を販売している旨も述べられている。

(2)更に、乙第2号証は、本件商標の権利者である、ザ・クロロックス・カンパニーが、上記のコストコ社を通じて、日本において、2004年11月9日付けで、本件商標「TILEX」を用いた商品を、実際にオンライン上で販売していたという事実を示すプリントアウトである(現時点でも見ることができる。)。同様に、乙第3号証は、同権利者のザ・クロロックス・カンパニーが、日本に現存するプレンティーエコ社を通じて、当該会社主催のオンラインショップ「PECO‐SHOP」内で、当該商品を、2006年6月21日現在において、実際に販売しているという事実を示すプリントアウトである。

(3)尚、上記(1)にて述べたコストコ社についての会社説明書を乙第4号証として、又、同じく上記(1)にて述べたプレンティーエコ社の会社概要及び説明書を乙第5号証として提出する。

(4)次に、上記(2)にて提出の、乙第2号証及び乙第3号証にて示した本件商標を用いた商品は、いずれも「カビ取り用洗浄剤」と記載されている。

本件取消審判請求にて取消しの対象となっている指定商品「洗濯用漂白剤」についてであるが、「カビ」とは飲食物・衣類その他有機物質の表面に生える糸状の菌の一種であるが、特に衣類に生えた「カビ」に対して、本件商標「TILEX」を用いた商品を、スプレー式の洗濯用漂白剤のように、当該衣類の汚れた部分(「カビ」が付着した部分)に直接塗布して漂白する目的で、「洗濯用漂白剤」として用い得るものである。

(5)以上、(1)から(4)に述べた通り、本件審判請求にて取消しの対象となっている指定商品ついて、被請求人は、日本国内において、過去3年間から現在に至るまで、実際に使用中である。

4 当審の判断

先ず、被請求人は、前記した答弁の理由(4)において、本件商標の使用に係る商品「カビ取り用洗浄剤」は、本件取消請求に係る指定商品のうちの「洗濯用漂白剤」として用い得るものであると答弁しているので、この点について検討する。

被請求人より提出された乙各号証のうち、本件商標の商標権者が、コストコ社を通じて、日本において2004年11月9日付けで本件商標「TILEX」を商品に付して使用したことを証明するものとして提出した乙第2号証によれば、この証拠は、コストコ社の日本における商品インターネット情報と認められるものであり、「2004/11/09」の日付の下に、「タイレックス カビ取り用洗浄剤」と表示され、さらに、その下部に、「TILEX」のラベルが貼付された商品(写真)が掲載されていることが認められる。そして、その商品説明によると、「お風呂用の洗面器、イスに付いた水垢、浴槽のふたの赤黴がタイレックスを吹きかけた後軽くこするだけでピカピカになりました。」、「便器、洗面所の水回りの汚れ落ちも良いです。」と記載されている。

しかるところ、本件取消請求に係る指定商品である第3類の「洗濯用漂白剤」は、被服等の漂白を目的として洗濯時に洗剤と併せて用いられるものであって、その用途、効能からみると「洗濯用柔軟剤」等と同様に、「洗濯に用いる物質」(化学品)に属する商品と解釈されるところ(「商品及び役務区分解説〔平成4年3月25日 改訂第2版〕」特許庁編参照)、前記の被請求人より提出された乙第2号証に掲載されている商品「カビ取り洗浄剤」は、その説明文等からしても、本件取消請求に係る「洗濯用漂白剤」とは認め得ないものであり、むしろ、洗浄作用を主たる目的とする「せっけん類」の範疇に属する商品と判断するのが相当である。

してみると、乙第2号証をもっては、本件商標が本件取消請求に係る指定商品である「さび除去剤」はもとより、「洗濯用漂白剤」に使用されていたものと認めることはできない。

ところで、商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品又は指定役務のいずれかについて、登録商標が商取引の実際において使用されていたことを(又は、使用をしていないことについて正当な理由があることを)証明しない限り、その登録の取消しを免れない。

そうとすると、被請求人は、前記3のとおり答弁したのみであり、かつ、提出に係る上記の乙第2号証は、前述のとおり、本件商標が本件審判請求の登録前3年以内にその取消請求に係る指定商品について使用されていたことを証明し得ていないものである。

そして、その他、被請求人より提出された証拠は、被請求人の米国代理人が本件取消審判に関して本件取消審判の予告登録後に、被請求人の日本における代理人に宛てて発した電子メール(写し)、ほか同じく本件取消審判の予告登録後に検索、打ち出しされたインターネット情報等であるばかりでなく、それら書証の記載内容を参酌するも、上記の認定、判断を覆す証拠は見当たらない。

してみれば、被請求人は、商標権者、専用使用権者及び通常使用権者の何れかが、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る商品「さび除去剤、洗濯用漂白剤」に使用していたことを証明したものということはできない。

なお、被請求人は、前記3.(4)において、「特に衣類に生えた「カビ」に対して、本件商標『TILEX』を付した商品を、スプレー式の洗濯用漂白剤のように、当該衣類の汚れた部分(「カビ」が付着した部分)に直接塗布して漂白する目的で、『洗濯用漂白剤』として用い得るものである。」旨主張しているが、通常トイレや浴槽の「カビ取り洗浄剤」等の商品は使用時の事故防止上その使用方法や用途について説明書きに表示されているところ、被請求人より提出された乙第2号証及び乙第3号証に掲載されている商品「カビ取り洗浄剤」の説明文等には、かかる使用方法又は用途についての記載は見当たらないものであり、また、実際にかかる使用方法があることを裏付けるべき何らの証拠の提出もしていないものであるから、この点についての被請求人の主張は採用できない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中の「さび除去剤,洗濯用漂白剤」について、取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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