結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2005−30665(T2005−30665/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4372851号商標(以下「本件商標」という。)は、「KOBRA」の文字を横書きしてなり、平成6年8月18日に登録出願、第9類「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・シーディーロム・デジタル光ディスク,その他の電子応用機械器具(電子管・半導体・電子回路(電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路を除く。)を除く。)」を指定商品として、同12年3月31日に設定登録されたものである。
そして、本件審判の請求の登録は、同17年6月27日にされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とするとの審決を求める。と答弁し、その理由及び答弁に対する弁駁の要旨を次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれかによって使用された事実は存在せず、また、現在においても使用されていない。したがって、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標の使用に係る商品は「投資情報用コンピュータソフトウェア」であり、当該商品は日本国内においてロイター・ジャパン株式会社(以下「ロイター・ジャパン」という。)を通じて販売されている旨主張し、その書証として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出している。
ところで、商標法第50条第2項によれば、商標法第50条第1項の審判による商標登録の取消しを免れるためには、原則として、被請求人において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが登録商標を使用していることを立証しなければならないとされており、被請求人の提出した乙第1号証ないし乙第7号証では、そのような使用の立証はされていない。
具体的には、乙第1号証ないし乙第4号証によれば、ロイター・ジャパンが「ロイターKobra v4.5」及び「ロイター3000 Xtra」なる自社製品を紹介する日本語及び英語のパンフレットを2003年に印刷・配布し、これらのパンフレットの中で「Kobra」なる標章が随所に使用されていることについての証明はなされているものの、ロイター・ジャパンは本件商標の商標権者又は専用使用権者でないことは明らかであると共に、ロイター・ジャパンが本件商標の通常使用権者であるという事実は何ら証明されていない。
一般に、製品のカタログの中で他社の製造等に係る製品や他社の所有する登録商標について記載する場合には、その製品が他社の製造等に係るものである旨又は他社の所有する登録商標である旨を明確に示すのが商慣行の通例と考えられる。
そこでこの点について触れると、ロイター・ジャパンが乙第1号証ないし乙第4号証の製品カタログ中で「Kobra」なる文字を使用する際に、「Kobra」は被請求人の所有に係る登録商標である旨又はロイター・ジャパンの提供するコンピュータソフトウェアは被請求人の製造等に係るものである旨をいずれの製品カタログにおいても何ら表示していないのは不自然と言い得るものである。特に、ロイター・ジャパンが乙第3号証の第5頁及び第12頁において、「Microsoft」の表示を(マイクロソフト社の)登録商標であることを示すR(マルアール)の記号を付して記載していることをも考慮すると、ロイター・ジャパンの発行する自社の製品カタログ中で使用する「Kobra」なる標章は、単にロイター・ジャパン自身が「Kobra」を被請求人の所有する本件商標として認識することなく、自己のものとして使用・採択しているにすぎないと考えるのが極めて妥当である。
更には、乙第5号証によれば、ロイター・ジャパンが、ある日本企業とソフトウェアの保守契約を締結し、その保守契約が後に修正されたこと、及び、契約対象のソフトウェア中に「Kobra」なるソフトウェアが含まれていたことが窺い知れるが、上述のようにロイター・ジャパンは本件商標の商標権者、専用商標権者又は通常使用権者と言い得るものではなく、また、ロイター・ジャパンが被請求人から「Kobra」なるソフトウェアの販売の委託等を受けていることも何ら証明されていない。
上述の諸点に鑑みると、乙第1号証ないし乙第5号証にあっては、第50条第2項に規定する「商標権者・専用使用権者又は通常使用権者のいずれかによって登録商標(又はこれと社会通念上同一の商標)が使用されている」という事実を何ら証明するものでないことは明らかである。
また、乙第6号証によれば、マイクロソフト社のソフトウェア「Visual Basic」関連のウェブサイト上のライセンスパートナーの会社名・製品・分野のリスト中に「Effix/Reuters Kobra 投資情報サービス」なる記載があることが認められる。しかしながら、当該リストの会社名の欄に列挙されている会社はいずれも単独の会社であり、会社名の欄に「Effix/Reuters」の記載が存在することのみを以って被請求人の主張するような「エフィ(Effix)・ソシエテ・アノニムが、ロイター(Reuters)・ジャパンを通して販売する」という如く、一方の製造に係る製品を他方の会社が販売している等の意味合いが看取されるとは想起し難いものである。更には、これらのリストに挙げられている会社の大部分が会社名や製品名をクリックするとその企業や製品紹介のサイトにアクセスすることができるが、「Effix/Reuters Kobra 投資情報サービス」の記載をクリックしていずれのサイトにもアクセスすることはできず、このことからも、「Effix/Reuters Kobra 投資情報サービス」なる記載が存在することを以って被請求人が本件商標を「投資情報サービス関連コンピュータソフトウェア」について使用しているという事実までもが証明されるとは到底考えられないものである。
更には、被請求人は、乙第7号証により、ロイター・ジャパンが「KOBRA」なるビジュアルプログラミング対応の金融アプリケーションを提供しており、そのソフトウェアの実行画面に「Kobra Effix」の文字が示されていることを立証しているが、当該アプリケーションのソフトウェアを提供しているのは本件商標の商標権者等ではないロイター・ジャパンであることは、同書証の業務・業種パッケージの紹介欄の記載から明らかである。また、仮に、同書証を以って、「Kobra Effix」の文字について商標的な使用がなされていると考えられた場合であっても、当該「Kobra Effix」なる商標は、最早本件商標と同一又は社会通念上同一の範囲を超えた商標と言い得るものである。
したがって、乙第6号証及び乙第7号証によっても、本件商標又はこれと社会通念上同一の商標が商標権者等によって使用されているという事実は何ら証明されていないことは明らかである。
以上の諸点からすると、乙第1号証ないし乙第7号証によっては、被請求人が、商標権者等が本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品について使用された事実を何ら立証するものではない。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由の要旨を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標の使用状態の概要
本件商標は商標権者であるエフィ・ソシエテ・アノニムの投資情報用コンピュータソフトウェアの名称である。本件商標又は社会通念上同一の商標「Kobra」を使用した投資情報用コンピュータソフトウェアは、本件審判の請求登録前3年以内に日本国内において、ロイター・ジャパン(東京本社:〒105−0001 東京都港区虎ノ門4−3−13秀和神谷町ビル3階)を通じて販売されている。
被請求人は、本件商標の使用証拠として、乙第1号証ないし乙第7号証を提出する。
乙第1号証は、ロイター・ジャパンによって2003年に発行された「ロイターKobra v4.5 ユーザーガイド」である。
このユーザーガイドが2003年に発行されたことは、ユーザーガイドの表紙の第3頁にある「REUTERS 2003.All rights reserved」の著作権表示から分かる。また、ユーザーガイドの表紙、目次、本文第6ページ以下などに「Kobra」が使用されている。「Kobra」は本件商標の頭文字だけを大文字にしたものであり両者は称呼および観念が同一である社会通念上同一の商標である。
乙第2号証及び乙第3号証は、ロイター・ジャパンによって2003年に発行された「ロイターKobra v4.5 リファレンスガイド」写及び「ロイター3000 Xtraパンフレット」である。
乙第2号証及び乙第3号証の各最終頁にも「REUTERS 2003.All rights reserved」の表示があり、これらが2003年に発行されたことを示している。また、乙第3号証の第12頁の記載から「ロイター3000 Xtra」は投資情報用コンピュータソフトウェア「Kobra」の操作性を向上させるソフトウェアであることが分かる。
乙第4号証は「Reuters Kobra v4.5」という英文パンフレットである。
この最終頁にも「REUTERS 2003.All rights reserved」の表示があり、これらが2003年に発行されたことを示している。
乙第5号証は、ロイター・ジャパンがある日本企業と締結したソフトウェアの保守契約書を修正する覚書写である。乙第5号証から、ロイター・ジャパンが1995年2月1日にソフトウェア「Kobra」の保守契約を締結し、2003年3月18日の時点においてソフトウェア「Kobra」が日本で実際に使用されていることが分かる。
乙第6号証はマイクロソフト社のソフトウェア「Visual Basic」関連のウェブサイトプリントアウト写である。その第6頁上部に、ライセンスパートナーの会社名・製品・分野の欄の「Effix/Reuters Kobra 投資情報サービス」という記載は「エフィ(Effix)・ソシエテ・アノニムが、ロイター(Reuters)・ジャパンを通して販売する投資情報サービス関連コンピュータソフトウェア Kobra」を意味している。
乙第7号証は、本件商標を使用した投資情報用コンピュータソフトウェアが紹介されたウェブサイトプリントアウト写である。乙第7号証の第3頁には「ビジュアルプログラミング対応の金融アプリケーションKOBRA 提供:ロイタージャパン株式会社」として紹介されている。また、そのソフトウェアの実行画面(第5頁)には「Kobra Effix」の文字が示されている。
上記乙第1号証ないし乙第7号証に示されるとおり、商標権者であるエフィ・ソシエテ・アノニムは、2003年に日本国内で本件商標及び本件商標と社会通念上同一の商標「Kobra」を本件商標の指定商品中の「投資情報用コンピュータソフトウェア」について使用している。
以上のとおり、本件商標は、商標権者によって、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品に使用されているのであるから、請求人の主張は理由がないものである。
(2)弁駁に対する答弁
請求人は、弁駁書において、ロイター・ジャパンが本件商標の通常使用権者であるという事実は何ら証明されていない旨主張している。
しかしながら、本件商標の商標権者「エフィ・ソシエテ・アノニム(EffixS.A.)」とロイター・ジャパンとの関係は以下のとおりであり、ロイター・ジャパンは本件商標の通常使用権者である。
(a)エフイ・ソシエテ・アノニムは「ロイター・ファイナンシャル・ソフトウェア・ソシエテ・アノニム(REUTERS F I NANC IAL SOFTWARE S.A.)」とその名称を変更した。
乙第8号証は関連ウェブサイトプリントアウトであり、以下のような記述がある。
乙第8号証−1「Eff1x, a 1eading supp1ier of rea1-tme software to the financia1 services industry that became Reuters Financial Software」(ロイター・ファイナンシャル・ソフトウェアになった ... エフイ)
乙第8号証−2「EFFIX REUTERS FINCIAL SOFTWARE」
乙第8号証−3「REUTERS FINANCIAL SOFTWARE(EX EFFIX MARVIN)」
乙第8号証−4「REUTERS FINANCIAL SOFTWARE(ex EFFIX)」
乙第8号証−3及び乙第8号証−4は、フランス語のウェブサイトであるが、「EX(ex)」の文字は「前の、元の」を意味し(乙第9号証)、「REUTERS FINANCIAL SOFTWARE」の前の名称が「EFFIX」であったことを示している。
このように、乙第8号証からエフイ・ソシエテ・アノニムがロイター・ファイナンシャル・ソフトウェア・ソシエテ・アノニムとその名称を変更したことが伺える。
(b)ロイター・ファイナンシャル・ソフトウェア・ソシエテ・アノニム、ロイター・ジャパン及びスイスに住所を有するロイター・ソシエテ・アノニム(REUTERS SA)はいわゆるロイターグループのメンバーである。このことは各社のウェブサイトからも明らかである(乙第10号証)。
ロイター・ファイナンシャル・ソフトウェア・ソシエテ・アノニムとロイ
ター・ソシエテ・アノニムは「DEVELOPMENT, PRODUCT SUPPORT AND PROFESSIONAL SERVICES AGREEMENT」という契約を交わし(乙第11号証)、本件商標の使用許諾を与えている。さらに、ロイター・ソシエテ・アノニムはロイター・ジャパンと関連会社間契約を交わし(乙第12号証)、日本において本件商標の使用許諾を与えている。
(c)乙第8号証ないし乙第12号証及び乙第1号証ないし乙第7号証で示されたロイター・ジャパンが日本国内で実際に本件商標「KOBRA」及び本件商標と社会通念上同一の商標「Kobra」を「投資情報用コンピュータソフトウェア」について使用していることを総合的に考慮すると、ロイター・ジャパンは本件商標の通常使用権者であることが分かると思料する。
以上のとおり、本件商標は、本件審判の請求登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の通常使用権者であるロイター・ジャパンによって、本件商標の指定商品に使用されているのであるから、請求人の主張は理由がないものである。
被請求人は、本件商標を本件審判の請求に係る商品について使用しているとして、乙第1号証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出している。
そこで、前記証拠についてみるに、乙第1号証ないし乙第4号証によれば、ロイター・ジャパンが「ロイターKobra v4.5」及び「ロイター3000 Xtra」なる自社製品を紹介する日本語及び英語のパンフレットを2003年に印刷・配布し、これらのパンフレットの中で「Kobra」又は「KOBRA」なる標章が随所に使用されていることの証明がなされている。
また、乙第5号証は、ロイター・ジャパンが、ある日本企業とソフトウェアの保守契約を締結し、その保守契約が後に修正されたこと、及び、契約対象のソフトウェア中に「Kobra」なるソフトウェアが含まれていたことが窺い知れる。乙第6号証は、マイクロソフト社のソフトウェア「Visual Basic」関連のウェブサイト上のライセンスパートナーの会社名・製品・分野のリスト中に「Effix/Reuters Kobra 投資情報サービス」なる記載があることが認められる。
さらに、乙第7号証により、ロイター・ジャパンが「KOBRA」なるビジュアルプログラミング対応の金融アプリケーションを提供しており、そのソフトウェアの実行画面に「Kobra Effix」の文字が示されており、当該アプリケーションのソフトウェアを提供しているのはロイター・ジャパンであることが、同書証の業務・業種パッケージの紹介欄の記載から明らかである。
してみれば、乙第1号証ないし乙第7号証をもって、ロイター・ジャパンが2003年に日本国内で本件商標と社会通念上同一の商標と認められる「Kobra」又は「KOBRA」を「投資情報用コンピュータソフトウェア」について使用していることが認められる。
また、ロイター・ジャパンは本件商標の通常使用権者であるとして提出された乙第8号証ないし乙第12号証及び答弁書の主張を勘案すれば、被請求人エフイ・ソシエテ・アノニムは、ロイター・ファイナンシャル・ソフトウェア・ソシエテ・アノニムとその名称を変更したことが窺えること(乙第8号証)、そして、被請求人及びロイター・ジャパン及びロイター・ソシエテ・アノニムはロイターグループの一員であり、被請求人とロイター・ソシエテ・アノニム、さらに、ロイター・ソシエテ・アノニムとロイター・ジャパンとの間で関連会社間契約を交わしていること等から、ロイター・ジャパンは、本件商標の通常使用権者とみて差し支えないものということができる。
以上とおり、本件商標に係る通常使用権者と認められるロイター・ジャパンは、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る商品に含まれるというべき商品「投資情報用コンピュータソフトウェア」について本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用していたと認められるものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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