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Trademark Appeal Case

太陽電池と分電盤の商品類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2005−23174(T2005−23174/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「HIT」の文字を標準文字で書してなり、第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成17年1月28日に登録出願されたものである。その後、指定商品については、原審における、同年10月7日付け手続補正書及び当審における、同19年2月22日付けの手続補正書により、最終的に「太陽電池及びその他の電池」と補正されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4287024号商標(以下「引用商標」という。)は、「ヒット」の片仮名文字を横書きしてなり、平成9年4月14日登録出願、第9類「分電盤」を指定商品として、同11年6月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審においてした審尋(要旨)

当審において、要旨以下の審尋を発し、期間を定めて請求人に対し意見を述べる機会を与えた。

請求人(出願人)は、審判請求書において、本願商標の指定商品「太陽電池及びその他の電池,発電用太陽電池モジュール」について説明し、本願指定商品と引用登録商標の指定商品「分電盤」とは類似しない商品である旨主張しているが、請求書に記載された説明によっては未だ両商品が非類似の商品であるかどうか判断し得ない。

そこで、本願指定商品中「太陽電池,発電用太陽電池モジュール」について、該商品の説明をすると共に、引用商標の指定商品「分電盤」との相違についても明確に説明し、併せて商品のパンフレット或いは商品写真等を提出されたい。

4 審尋に対する回答の要旨

請求人は、本願商標の指定商品について、「商品の生産部門及び販売部門」、「商品の構造及び用途」及び「商品の需要者」について、商品のカタログを提出して説明するとともに、前記1のとおり、その指定商品を補正しているものである。

5 当審の判断

(1)商標の類否について

本願商標は、前記1のとおり、「HIT」の欧文字よりなるところ、これは「打撃、命中、大成功、安打(野球)」等の意味を有する英語「hit」を大文字で表したものというのが相当であって、「ヒット」の称呼及び「打撃、命中、安打(野球)」等の観念を生ずるものである。

他方、引用商標は、「ヒット」の片仮名文字よりなるところ、これは「(打つ・打ち当てる意)野球で安打。大成功。命中すること」(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)等の意味合いを有する語であり、これよりは「ヒット」の称呼を生ずること明らかである。

したがって、本願商標と引用商標は、「ヒット」の称呼及び「打撃、安打、大成功、命中」等の観念を共通にする類似の商標であるといわなければならない。

(2)指定商品の類否について

原査定において、本願商標の指定商品中の「太陽電池」は、「ニース協定に基づく商品・サービスの国際分類[第8版]アルファベット順一覧表日本語訳(類似群コード付)平成13年10月2日発行特許庁公報」(以下「アルファベット一覧表」という。)によれば、類似群コード11A01及び11A03が付与され、「配電用又は制御用の機械器具(類似群コード11A01)」にも類似するものであり、また、引用商標の指定商品「分電盤」は、「幹線から配線を分岐する箇所に設け、開閉器と自動しゃ断機を組み合わせた装置」であり「配電用又は制御用の機械器具」と類似するものであるから、本願商標及び引用商標の指定商品は類似の商品である旨、認定、判断している。

ところで、個別具体的な商品にあっては、指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときに、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあると認められる関係にある場合に、それらの商品は商標法第4条第1項第11号にいう類似の商品に当たると解するのが相当である。(最高裁昭和33年(オ)第1104号参照)

これを踏まえて、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否についてみるに、補正後の本願商標の指定商品は、「太陽電池及びその他の電池」であり、該指定商品中の「太陽電池」は、「半導体の光起電力効果を利用して太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する装置。(株式会社岩波書店 広辞苑第五版)」であって、「日本標準商品分類(総務庁編集、財団法人全国統計協会連合会、平成8年9月第3版発行)」(以下「日本標準分類」という。)」によれば、重電機器中の静止電気機械器具に分類されているものである。

他方、引用商標の指定商品である、「分電盤」は、「日本標準分類」によれば、重電機器中の開閉制御装置に分類されるものである。

しかして、当審においてした審尋に対する回答及び商品カタログを徴するに、本願商標の指定商品中の「太陽電池」は、これを取り扱う専門の販売店により販売されるものであるのに対し、「分電盤」は、一戸建て住宅やマンション建築の際に、電気工事の一環として一般の電気工事店が取り扱うものである。

また、通常「太陽電池」はその性能・価格等の観点から、その採用も含めて消費者が選択購入し、その設置を専門業者に依頼するものであり、一方、「分電盤」は電気設備を有する建築物には必ず設置されるものであり、建築業者や電気工事業者が選択し設置することが一般的である。

さらに、当審において調査しても、本願指定商品と「分電盤」とが、同業者において製造販売されている事実も発見できない。

してみれば、上記のとおり、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、「商品の生産部門及び販売部門」、「商品の構造及び用途」及び「商品の需要者」が一致しておらず、部品と完成品との関係にもないから、互いに類似するものと認めることのできない非類似の商品というべきであり、かつ、これらの商品に同一又は類似の商標を使用しても、同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認されるおそれがあるとまではいえないというべきである。

(3)むすび

したがって、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定の拒絶の理由は妥当でなく、取消しを免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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