sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

敗訴(請求棄却)

商標「ワッペン屋さん」の記述的商標の識別力(第3条第1項第3号|審判不服2005−14198(T2005−14198/J1))

審判番号
不服2005−14198(T2005−14198/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「ワッペン屋さん」
争点(論点)
記述的商標の識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2005−14198(T2005−14198/J1)・不服)は、本件商標「ワッペン屋さん」について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「記述的商標の識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ワッペン屋さん」の文字を標準文字で表してなり、第26類及び第40類に属する願書記載の商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年11月26日に登録出願され、その後指定商品及び指定役務については同17年5月24日付け手続補正書により、第26類「ワッペン,衣服や鞄などに接着または縫着する刺繍された布片,衣服用き章(貴金属製のものを除く。),衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。),衣服用バックル,衣服用ブローチ,帯留,ボンネットピン(貴金属製のものを除く。),腕章」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ワッペンを商う店』の意味合いを認識させる『ワッペン屋』の文字と、敬称を表す接尾語の『さん』の文字とを一連に『ワッペン屋さん』と書してなるから、全体としても『ワッペンを商う店』の意味合いを容易に認識させるにすぎないものであり、これをその指定商品・役務について使用しても、単に商品の販売場所・品質、役務の提供場所・質を表示したものと理解・認識するにすぎず、自他商品・役務の識別標識としての機能を果たすものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「ワッペン屋さん」の文字よりなるところ、その構成中の「ワッペン」の文字が、「(紋章の意、中世騎士の盾などに付けていたもの)ブレザー、コートなどの胸、腕などに付ける縫取りの装飾の類。また、これに模して作った紙、ビニール製の玩具。エンブレム」を意味し、「屋」の文字が「人の住むためにつくった建築物。いえ。家屋。住宅。屋根。その職業の家またはその人を表す語。家号や雅号、書斎に用いる語」を意味し(いずれも、広辞苑第五版:岩波書店発行)、全体として「ワッペンを提供する店又は人」の意味合いを認識、理解させる「ワッペン屋」の文字に、接尾語の一つで人名などの下に添える敬称である「さん」を結合したものと認められるものであって、本願商標全体からは、「ワッペンを商う店または人」の意味合いを理解させるものというべきである。

そして、これらのことは、以下の新聞記事情報及びインターネット上のホームページの掲載情報において裏付けることができる。

(ア)1990年9月22日付け読売新聞東京夕刊によれば、「[ウエルカムTEL]富士山で借りた「大切な杖」返したい」の見出しのもと「《・・・群馬県のワッペン屋さんで、富士山でも十種類のワッペンをいただいたそうです。・・・》」旨の新聞記事情報。

(イ)「海と丘の風が出会う街〜京急エリア〜」と題する京急不動産のホームページ(http://www.keikyu-fu.co.jp/net/ereainfo/yokosuka/)によれば、「横須賀」の表題のもと、「米軍横須賀基地のほど近く、異国情緒のあるお店が並ぶ商店街が”どぶ板通り”です。・・・異国風パブやプールバー、米軍放出品のお店、ワッペン屋さんなどが軒を連ねています。・・・」旨の掲載情報。

(ウ)「ニーコさんの旅行記」と題するトラベルマップのホームページ(http://4travel.travel.msn.co,jp/e/msn/traveler/ni-ko/album/10105912/)によれば、「ニーコさんの旅行記》神戸・神戸北野ホテル」の表題のもと、「高架下にあった小さなワッペン屋さん。中ではおじさんがミシンを踏んでオリジナルのワッペンをオーダーメイドで作っています。」旨の掲載情報。

(エ)「神戸元町商店街 潜入記07」と題するホームページ(http://www2.odn.ne.jp/~aat97410/motokoh/motokoh07.html)によれば、「オーダーワッペン作ります五00円から」の写真と共に、「ワッペン屋さん。もろパクリ系から、渋カッコいいものまで実に様々なワッペンが張り出されていた。」旨の掲載情報。

(オ)「ぽかぽか家族Tree Village」と題するホームページ(http://bloge.yahoo.co.jp/torukimuya/2256923.html)によれば、「父丸のワッペン」の表題のもと、ワッペンの写真とともに、「これは、横須賀市のドブいた通りのワッペン屋、刺繍屋さんで買ったもので〜す。」とそれに対するコメント(2)として「どぶ板通りにワッペン屋さんありますね・・・」旨の掲載情報。

(カ)「えんぶはうす(ワッペン刺繍工房)」と題するホームページ(http://www.embhouse.jp/rank%5Ewa.htm)によれば、「★ワッペン参考価格★」の表題のもと、「オーダーワッペンは「高い」。に挑戦します。他の刺繍屋さん、ワッペン屋さんと比べてください。版代、ワッペン代とも安いですよ。」旨の掲載情報。

(キ)「Magasin Link」と題するホームページ(http://www.air-souvenir.com/Link/Magasin-link.html)によれば、店のマークと共に、「Hand Madeのワッペン屋さんです。・・・」旨の掲載情報。

そうとすれば、上記の新聞情報ないしインターネット上において、「ワッペン屋さん」と称し、「ワッペンを商う店又は人」の意味合いで使用されていると認められる。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、取引者、需要者は、「ワッペンを商う店又は人」を意味するものと把握し、認識するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を有する商標としては認識し得ないものと判断するのが相当である。

請求人は、登録審査例を上げて、商品○○に「屋さん」を付した「○○屋さん」という構成の商標が識別力を有するとして登録されているから本願商標も識別力を有する旨主張している。

しかしながら、商標法第3条第1項第3号の趣旨は、商品や役務を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示であるから、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから一私人に独占を認めるのは妥当ではなく、また、現実に使用され、あるいは、将来一般的に使用されるものであることから、出所識別機能を認めることができないものと解されるものであって、他に登録商標があることのみをもって、判断を拘束される法律上の根拠はないものである。そして、本願商標は、その判断時である審決時において、前記認定を妥当とするものであるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すべき理由がない。

よって、結論のとおり審決する。

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