Trademark Appeal Case
地名と一般名称の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2006−6894(T2006−6894/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「知床ホテル」の文字を横書きしてなり、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,動物の宿泊施設の提供,保育所における乳幼児の保育,老人の養護,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理機械器具の貸与,業務用食器乾燥機の貸与,業務用食器洗浄機の貸与,加熱器の貸与,調理台の貸与,流し台の貸与,カーテンの貸与,家具の貸与,壁掛けの貸与,敷物の貸与,タオルの貸与」を指定役務として、平成17年8月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、『知床に存する洋風の宿泊施設』であると看取させるに止まる『知床ホテル』の文字よりなるものであるから、これを本願指定役務に使用するときは役務の質、役務の提供場所を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「知床ホテル」の文字よりなるところ、構成文字中の「知床」の文字は「北海道北東端の地名。」(岩波書店「広辞苑第5版」1362頁)、「ホテル」の文字は「旅館。特に、西洋風の宿泊施設。」(同2467頁)を意味する語として、それぞれ一般に知られているものである。そして、上記知床の地は、従来より、原生林・火山性湖沼群を特色とする知床国立公園に指定されていたことに加え、近年は、ユネスコ世界自然遺産に登録された、国内でも有数の名所、観光地であり、当地を訪れる旅行者も増加しているものである。
そうすると、これらの文字を結合した本願商標からは、「知床に存在する洋風の宿泊施設」の意味合いが容易に認識されるとみるのが相当である。
したがって、「知床ホテル」の文字よりなる本願商標をその指定役務に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質、提供場所を表示したものと理解するにとどまるものであるから、本願商標は自他役務の識別標識としての機能を果たし得ない。
そして、このことは、以下のインターネット検索情報(平成19年3月6日に検索実施。)や新聞記事に示されているように、「知床ホテル」の文字が、本願指定役務に関係する業界において、上記意味合いで普通に使用されていることからも首肯されるところであり、このような標章は、指定役務との関係において、当該役務の質・提供場所等を表示するために、取引において必要適切な標章として何人もその使用を欲するものであるから、特定人によるその独占使用を認めるのは適当ではないというべきである。
ア)http://www.aayado.com/details_shiretoko.html
「知床ホテル特集」との記載がある。
イ)http://www.kitanomachi.com/search/search.cgi?mode=rank&sort=09_06&hyouji=30&page=2&sort=09_06&re=
「【第36位】知床ホテル[8]−知床ホテル情報サイト・・・【第42位】室蘭ホテル[6]−室蘭ビジネスホテルのご紹介・・・【第42位】札幌・仙台ホテル情報[6]−札幌・仙台のホテル情報を発信(実際に宿泊してわかったこと)」との記載がある。
ウ)http://www.tourfactory.co.jp/fukspktour.html
「ANAで行く福岡発北海道 楽園ワールド 北海道 NEW・・・パンフレットを見る・・・5ページ目→札幌ホテル 6ページ目→小樽・函館ホテル 7ページ目→函館プラン 8ページ目→知床ホテル 9ページ目→利尻・富良野ホテル」との記載がある。
エ)http://plaza.rakuten.co.jp/ichiromiru/diary/200507280000/
「楽天トラベル/4つ星/知床ホテル」との記載がある。
オ)http://www.sha-net.jp/jobjob/info.html
「斜里町求人情報・・・(掲載例)知床ホテル 職種 調理補助 雇用形態 アルバイト・・・勤務地 斜里町ウトロ(知床ホテル)・・・お問い合わせ先 知床ホテル 担当者○○×× 099−0000 斜里郡斜里町ウトロ香川00番地」との記載がある。
カ)2005年7月15日 読売新聞 夕刊 13頁
「世界遺産登録を機に、『知床ホテル商戦』はさらに加熱しそうだ。」との記載がある。
なお、請求人は、「知床」の文字や、地名と「ホテル」の文字を結合した構成よりなる登録商標が存在すること、及び、出願人(請求人)「知床ホテル」は、昭和38年からの老舗ホテルであり、創業40年以上にわたり、知床ウトロ温泉で営業をしており、「知床ホテル」といえば出願人のホテルを指すものとなっているとして、本願商標の登録が認められるべき旨主張している。
しかしながら、登録出願された商標の登録の可否は、個々の商標ごとに個別具体的に検討、判断されるものであり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについての判断が、他の登録例に拘束されるものではない。
また、請求人は、自己の使用する商標を「知床ホテル」としているが、請求人の名義は願書・審判請求書等の記載にも明らかなように「株式会社ホテル知床」であるばかりでなく、請求人が主張するような、本願商標と同一の商標を永年使用してきたことを証明する資料は何等提出されていない。
ちなみに、http://www.jalan.net/jalan/jweb/yado/YADL_316661.HTMLのインターネット検索情報によれば、「ホテル知床詳細−じゃらんnet」のタイトルの下、「ホテル知床 ウトロ温泉・・・住所 北海道斜里郡斜里町ウトロ香川37」との記載があるように、請求人と同一の住所にあるホテルの名称は「ホテル知床」である。
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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