1 本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成16年6月18日に登録出願され、その後、平成19年4月11日付けの手続補正書により、第35類「人体を媒体とする広告,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,財務書類の作成又は監査若しくは証明,職業のあっせん,競売の運営,輸出入に関する事務の代理又は代行,新聞の予約購読の取次ぎ,速記,筆耕,書類の複製,文書又は磁気テープのファイリング,広告用具の貸与,求人情報の提供」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり、認定、判断し、拒絶したものである。
(1) 本願商標は、人を伝達媒介・手段とすることを指称する語として使用されている「人メディア」の文字及びその構成中の漢字「人」の表音表示と認められる「ヒト」の文字からなるものであるから、これをその指定役務中上記意味合いに照応する目的、提供の方法又は用途とする役務に使用しても、これに接する者をして、その役務の内容を理解させるに止まるもので、役務の質を表示するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)指定役務は、商標とともに権利範囲を定めるものであるから、その内容及び範囲は明確でなければならないところ、本願に係る指定役務「人体を媒体とすることに関する広告」は、その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって、本願商標は、商標法第6条第1項の要件を具備しない。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、「人メディア」の文字と、その「人」の文字の上に「ヒト」の文字を書した構成よりなるところ、該構成文字よりは、直ちに原審説示の如き意味合いを看取し、理解し得るものとはいい難く、また、補正後の指定役務について、その質等を具体的に表示したものとはいい難いものである。
そして、当審において調査するも、本願商標を構成する文字が、その指定役務を取り扱う業界において、取引上、その役務の質(内容)を表示するものとして、普通に使用されている事実は見いだせない。
そうとすれば、本願商標は、全体として特定の意味合いを看取し得ない一種の造語を表したものとして認識されると見るのが相当であり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというべきである。
また、本願商標は、これをその指定役務中のいずれの役務に使用したとしても、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるということはできない。
さらに、本願の指定役務について、前記1のとおり補正された結果、その内容及び範囲は明確なものとなったものであるから、本願の指定役務は、商標法第6条第1項の規定を具備するものとなった。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、同法第6条第1項の要件を具備しないとして、本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。