Trademark Appeal Case
「byRequest Services」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2004−65089(T2004−65089/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は,「byRequest Services」の欧文字を書してなり,第9類,第16類,第35類,第36類,第38類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として,2003年2月5日にドイツ連邦共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し,2003年(平成15年)8月1日に国際登録され,その後,指定商品及び指定役務については,平成16年7月13日付けの手続補正書により,第9類「Electric regulating apparatus;electronic apparatus and instruments;optical apparatus and instruments;measuring apparatus;luminous or mechanical signals;remote control apparatus;teaching apparatus;apparatus for recording,transmission,processing and reproduction of sound,images or data;machine run data carriers;automatic vending machines and mechanisms for coin−operated apparatus;data processing equipment and computers.」,第16類「Printed matter,especially stamped and/or printed cards of cardboard or plastic;instruction and teaching material(except apparatus);office requisites(except furniture).」,第35類「Advertising and business management;collection of information into computer database,compilation and systemization of information into computer databases.」,第36類「Financial consultancy;financial evaluation[insurance,banking,real estate];financial management;real estate affairs.」,第38類「Telecommunication;rental of equipment for telecommunication,especially for broadcasting and television;news agencies.」及び第42類「Computer programming;data base services,namely rental of access time to a data base and running of a database;rental services relating to data processing equipment and computers;project studies and planning services relating to equipment for telecommunication.」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶理由(要旨)
(1)原査定は,「本願商標は,『byRequest Services』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるが,本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても,需要者・取引者は単なるキャッチフレーズを記述したものと理解するに止まり,何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができないものと認める。したがって,本願商標は,商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
(2)原査定は,「指定商品及び指定役務は,商標とともに権利範囲を定めるものであるから,その内容及び範囲は明確でなければならないところ,本願に係る指定商品及び指定役務の表示は,その内容及び範囲を明確に指定したものとは認められない。したがって,本願は,商標法第6条第1項の要件を具備しない。」旨認定,判断し,本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願の指定商品及び指定役務については,前記1のとおり補正された結果,その表示は,内容及び範囲が明確なものとなったから,本願が商標法第6条第1項の要件を具備しないとすることはできない。
本願商標は,前記したとおり,「byRequest Services」の欧文字を書してなるものであるところ,その構成中の「byRequest」の部分が一続きに書されており,通常の英語の表記とは異なるものの,「by」に続く「Request」の「R」の文字が大文字で書されていることからしても,これは,「by」,「Request」及び「Services」の英語を書したものと容易に理解し得る態様で表されているものであり,その「by」と「Request」との間のスペースの有無が,全体の意味合いに大きく影響するとも考えにくいものである。そして,その構成中の「by」は,「・・によって,・・で」などを意味する英単語であり,また,同じく「Request」は,「依頼,要望」などを意味する英単語であって,また,「Services」は,「奉仕,助力,業務」などを意味する英単語「service」の複数形であって(いずれも,「新コンサイス英和辞典第2版」株式会社三省堂発行),それらの語は,今日の我が国の英語の普及程度からみれば,いずれも上記の意味を有する語として,一般によく知られ,親しまれているものであり,それらを一連に書してなる本願商標からは,全体として「要望(リクエスト)に応じたサービス」程度の意味合いを理解させるものであるというのが相当である。
近年,各種の商品の販売・役務の提供を行う様々な業種の事業を遂行する者の中には,単にあらかじめ準備された内容の商品又は役務だけでなく,顧客の要望にきめ細かに応えて商品を販売し,又は役務を提供することが多く見られるところである。そして,このような商品の販売又は役務の提供の際に,「リクエストサービス」,「リクエスト(要望)に応じたサービス」などの語が普通に使用されているところである。
このことは,各種商品・役務を紹介した新聞記事及びインターネットのホームページを見ると,以下のような記事があることからも十分に裏付けられるものである。
(a)座席番号リクエストサービス 座席番号リクエストのご案内
・空席状況を確認しながら,ご希望の号車や座席番号をお選びいただける「座席番号リクエストサービス」。
・座席の選び方は,ご予約の際,「座席位置」欄で「席番リクエスト」を選択し,座席表からご希望の座席を選ぶだけ。
・車内での過ごし方にあわせて,希望の座席が選べる便利なサービスです。ぜひご利用ください。
(http://expy.jp/member/guide/reserve06.html)
(b)リクエストサービス
学習や研究に必要な資料が図書館にない場合,絶版・品切れを除いて購入しています。希望する資料があれば,申込書に必要事項を記入して,リクエストボックスに入れてください。
(http://www.osaka−sandai.ac.jp/tosho/service/request.html)
(c)NHK技研,ネットワークを利用した番組リクエストサービスなど
NHK放送技術研究所(以下,NHK技研)が開催している「2003技研公開」では,実際の映像や機器と共に展示している「ビジョン展示」が公開されているが,その中からネットワークを利用した番組リクエストサービスやネットワークを利用した番組制作システムを紹介する。
ネットワークを利用した番組リクエストサービスは,NHKが放送した番組をサーバー上に蓄積し,ネットワークを利用して過去の番組を個別に視聴できるというもの。今回技研公開で展示されていたシステムでは,NHK技研が新たに開発したネットワークアダプタと市販のBSデジタルチューナーを接続することにより,システムを実現していた。
(http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/2003/0523/nhk3.htm)
(d)ソニーが廃盤をリクエストに応じて復刻するサービスを開始!
現在廃盤状態となってしまっているアルバムを一定数量のリクエストを超えたら復刻し販売するといった興味深きサービスが,ソニー・ミュージックエンタテインメントにて今月30日より開始されることになりました!
(http://www.cdjournal.com/main/news/news.php?nno=5988)
(e)中学講座 理・社専用!進度リクエスト
進研ゼミでは,独自で実施している調査に基づき,会員のみなさまの学校の授業に合わせた進め方の教材をお届けしています。しかし,理科・社会は学校の先生により進め方が大きく異なる場合があるため,必要な単元をいつでもリクエストできるサービスを実施しております。
(http://www.benesse.co.jp/zemi/member/chu/request.htm)
(f)「患者の『学び』を手助け がん専門病院の図書館に専任司書」(朝日新聞2002.10.21 東京朝刊 19頁)
インフォームド・コンセントやセカンド・オピニオンの必要性が叫ばれるなど医療情報への関心の高まりを背景に,医学の専門書も置いて患者の学習意欲に応えようという病院が少しずつ増えている。そんな中,国内で初めて専任の司書が常駐する患者のための病院図書館が開館した。・・・(略)・・・全病室のベッドサイドにはタッチパネル式の液晶端末があり,枕元から2千冊の蔵書検索ができる。今後,端末からのリクエストに応じて本を病室に届けるサービスも予定している。
(g)「婦人下着専門店『チャビ』試着しない客には売りません“ファンデーション・クリニック”の接客 購入後,予約制で商品チェックも」(2003.09.27 繊研新聞 6面)
顧客のさまざまなリクエストに応えるのも,支持される理由。ブラジャーのワイヤー部分の当たりが気になる人には,その部分に手縫いでフェルトを付ける。ブラジャーのストラップも,顧客の体にぴったり合うように調整してから,洗濯してもずれないようミシンで縫い留める。また,手渡すまでに2週間かかるが,白い下着を客の好きな色に染めるサービスもしている。
(h)「おとくライン」(個人のお客様):付加サービス
一人ひとりのニーズにあわせて,付加サービスもこんなに充実。
「こんなサービスがあったらいいのに...」というお客様のリクエストに応え,日本テレコムではさまざまな付加サービスをご用意しました。時代とともに,社会とともに多様化する通信スタイルに,いち早く対応し,日々進化し続ける日本テレコムの「おとくライン」にご期待ください。
(http://www.japan−telecom.co.jp/otoku/service/option.html)
(i)ご要望に応じたサービスをご提供。
心線貸しと波長貸し,帯域貸しサービスをご提供。
KJCNでは,電気通信事業者をはじめとするお客さまに,光ファイバ心線貸しおよび波長貸しサービスをご提供しています。
光ファイバ心線貸しとは,ケーブルを構成する光ファイバ(心線)を1本単位でお貸しするサービスです。
波長貸しとは,10ギガビット/秒単位の波長を,お客さまにお貸しするサービスです。(10ギガビット/秒は,電話約13万回線に相当。)
その他,お客さまのご要望に応じて,所定の帯域(容量)を構成し,お貸しします。
(http://www1.kyuden.co.jp/company_project_kjcn_kjcn4)
(j)システム保守サービス
多くのオプション・サービスメニューによって,お客様の要望に応じたサービスを提供します。
(http://open−i.jp/root/service/hoshu/system.htm)
このような取引の実情を考慮すれば,本願商標をその指定商品又は指定役務に使用しても,これに接する取引者,需要者は,「要望に応じたサービス」程の意を端的に表示するうたい文句(キャッチフレーズ)の類型の一つと理解するに止まり,それ以上に,自他商品又は自他役務の識別標識と認識し得る部分が存しないものであるから,需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というべきである。
請求人は,「by Request」及び「バイリクエスト」の文字が取引上キャッチフレーズとして使用されている事例は見いだせず,また,「要求に応じて」の意味合いを有する語句としては,「on demand」があり,取引においては,この「on demand」が「要求に応じて」の意味合いのキャッチフレーズとして確立しているから,「by request」が将来的に「要求に応じて」の意味合いのキャッチフレーズとして使用される余地は全くないので,「by Request」は,自他商品及び役務の識別標識として機能できる旨述べているが,「byRequest Services」,「by Request(byRequest)」又は「バイリクエスト(サービス)」の文字が,現在,使用されていないとしても,この語が将来的に使用される可能性がないとはいい難いものであるし,使用の有無を別としても,本願商標が,自他商品又は自他役務の識別標識となり得ないものと認められるのは上記したとおりであるので,請求人の主張は,採用することができない。
したがって,本願商標が,商標法第3条第1項第6号に該当するとして,本願を拒絶した原査定は,妥当なものであって,取り消すことはできない。
よって,結論のとおり審決する。
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