Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2005−15892(T2005−15892/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「暮らしをまもる 住まいを魅せる」の文字を標準文字で表してなり、第19類及び第37類を別掲のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成16年10月8日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『暮らしをまもる 住まいを魅せる』の文字を横書きしてなるところ、該文字よりは、キャッチフレーズの類型の一種と容易に理解、認識させるものであるから、これを本願の指定商品に使用しても、需要者が何人の業務に係る商品であるかを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
企業は、その取扱いに係る商品や役務、企業イメージに関して、需要者に親しみや好感、信頼感等の良い印象を抱いてもらうよう日常的に心がけているところ、その一手段として、標語(キャッチフレーズ、スローガン)等を採択し、それらを通じて商品、役務の広告、宣伝や企業イメージの向上に努めているというのが実情である。
そして、具体的な商品の品質又は役務の質を示す単語が存在しなくとも、具体的、抽象的は問わず企業のイメージを向上させることが、結果的にはその取扱いに係る商品又はその提供に係る役務に対する信頼感の向上にもつながることが、もとより企業に関するキャッチフレーズやスローガンの意図するところであるから、これらの中には、端的な宣伝文句のほか、商品や役務並びに企業のイメージの向上を目的とした観念的、抽象的表現もしばしば採択されているところである。
そこで、これを本願商標についてみるに、本願商標は、上記1のとおり、「暮らしをまもる 住まいを魅せる」の文字を書してなるところ、これに接する取引者、需要者をして、その構成全体から「暮らしをまもって、住まいを魅力的にする」という抽象的意味合いを容易に想起させるとみるのが相当である。
そして、前記意味合いを容易に想起させる本願商標をその指定商品及び指定役務について使用した場合、これに接した取引者、需要者は、これを自他商品及び役務の識別標識として看取し、認識するというよりは、むしろ、その指定商品及び指定役務を取り扱う請求人の業務に関し、語句全体から「(あなたの)暮らしを見守り、住まいを魅力的にする。」という、その企業理念等を表す、企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)として認識し、理解するにとどまるというべきである。
してみれば、本願商標をその指定商品及び指定役務について使用しても、取引者、需要者は、それが企業のイメージ向上を訴えるための標語(キャッチフレーズ、スローガン)の一類型と理解するにとどまり、それをもって自他商品及び役務の識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標は、需要者をして何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識することができないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、当審において、調査したところによれば、以下のインターネット情報から、請求人(出願人)の標語として使用している事実を窺い知ることができる。
(1)「トピックス 第97期ご報告 松下電工」のタイトルで「クボタ松下電工外装株式会社(KMEW)が12月1日に設立されました。当社と株式会社クボタが今年8月、外装建材事業を統合し、共同出資会社を設立することで基本合意したことを受け、新会社『クボタ松下電工外装株式会社(KMEW)』が12月1日に設立されました。・・・企業スローガン『暮らしをまもる 住まいを魅せる』」(http://www.mew.co.jp/corp/ir/stockholder/kabunushi/97/page/97-32.html)
(2)「クボタ松下電工外装(株) −毎日就職ナビ2008」のタイトルで「『暮らしをまもる 住まいを魅せる』をスローガンに住宅外装の先進企業として、2003年12月に、クボタ松下電工外装株式会社(KMEW)として新たにスタートしました。」(http://job.mycom.co.jp/08/pc/visitor/search/corp71398/outline.html)
(3)「広告企画 工務店のためにの有力企業ガイド」のタイトルで「クボタ松下電工外装 暮らしをまもる。住まいを魅せる 」(http://kenplatz.nikkeibp.co.jp/ad/guide2006/kenzai/index03.html)
(4)「ニュースリリース クボタ」のタイトルで「【経営理念と当面の重点施策】1.経営理念について 企業スローガンを『暮らしをまもる 住まいを魅せる』とし、理念とし『私たちは、よりよい「暮らしと住まい」を追求する外装事業の先進企業として 顧客ニーズと住宅市場の変化を先取りし、さらなる顧客満足を目指します。また、社会正義と営利の調和を図りながら、常に新たな住宅価値を創造し、環境調和型企業を志します。』を掲げます。」(http://www.kubota.co.jp/new/2003/kmew/kmew.html)
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、請求人が前記のように使用している事実があること及び、該登録例はいずれも本願商標とその構成、態様を異にするものであって、同一に論ずることができないものであることから、該請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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