Trademark Appeal Case
「CRAZY」商標の混同判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2006−90552(T2006−90552/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4973552号商標(以下「本件商標」という。)は、「crazy crash」及び「クレイジークラッシュ」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成18年1月19日に登録出願され、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として平成18年7月28日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第694363号商標(以下「引用商標1」という。)は、「CRAZY」の欧文字と「クレージー」の片仮名文字とを上下二段に横書きしてなり、昭和39年3月12日に登録出願、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として昭和41年1月8日に設定登録され、その後、昭和51年4月8日、同61年11月13日、平成8年5月30日及び同18年1月17日の4回に亘り商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、同18年4月19日に第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とする書換登録がされているものである。
同じく登録第2561049号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲(1)に表示するとおりの構成からなり、平成3年5月17日に登録出願、第17類「スポーツシヤツ、開きんシヤツ、ポロシヤツ、テイーシヤツ、ワイシヤツ、シヤツ」を指定商品として平成5年7月30日に設定登録され、その後、平成15年8月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成16年9月8日に第25類「スポーツシャツ,開きんシャツ,ポロシャツ,ティーシャツ,ワイシャツ,シャツ」を指定商品とする書換登録がされているものである。
同じく登録第2561050号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CRAZY SHIRTS」の欧文字を横書きしてなり、平成3年5月17日に登録出願、第17類「スポーツシヤツ、開きんシヤツ、ポロシヤツ、テイーシヤツ、ワイシヤツ、シヤツ」を指定商品として平成5年7月30日に設定登録され、その後、平成15年8月12日に商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成16年9月8日に第25類「スポーツシャツ,開きんシャツ,ポロシャツ,ティーシャツ,ワイシャツ,シャツ」を指定商品とする書換登録がされているものである。
同じく登録第4050102号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲(2)に表示するとおりの構成からなり、平成8年2月26日に登録出願、第25類「スポーツシャツ,開きんシャツ,ポロシャツ,ティーシャツ,ワイシャツ,シャツ」を指定商品として平成9年8月29日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立の理由の要点
(1)本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは、称呼において類似又は同一でかつ観念においても同一であり、本件商標の指定商品中の「被服」と引用商標1ないし引用商標4の指定商品とは同一又は類似のものであるから、本件商標は、その指定商品「被服」との関係において商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(2)申立人が使用している「Crazy Shirts」なる商標又は「crazy」及び「shirts」の文字を上下二段に配してなる商標(以下、一括して「使用商標」という。)は、シャツの商標として周知著名となっており、単に「クレイジー」と略称され、「気が狂った」の観念を生ずるから、使用商標と称呼及び観念を共通にする本件商標がその指定商品に使用された場合には、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。
(3)本件商標の構成中の「crash」及び「クラッシュ」の文字部分は、「粗い麻布」を意味するから、本件商標は、「粗い麻布」以外の素材で作られた商品について使用される場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標1ないし引用商標4との類否について検討するに、本件商標は、上記1のとおりの構成からなるところ、構成各文字は外観上まとまりよく一体に表現されており、しかも、全体をもって称呼してもよどみなく一連に称呼できるものである。そして、たとえ、構成中の「crash」及び「クラッシュ」の文字部分が「粗い麻布」を意味する語であるとしても、かかる構成においては特定の商品又は商品の品質、原材料等を具体的に表示するものとして直ちに理解できるものともいい難いところであるから、むしろ構成全体をもって一体不可分のものとして認識し把握されるとみるのが自然である。
そうすると、本件商標は、その構成文字全体に相応して「クレイジークラッシュ」の一連の称呼のみを生ずるものであり、全体として親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し把握されるものというのが相当である。
他方、引用商標1は、その構成文字に相応して、「クレージー」の称呼及び「気が狂った」の観念を生ずるものといえる。引用商標2及び引用商標4は、やや図案化されているとしても、「crazy」及び「shirts」の文字を表したものと理解できるものである。そして、引用商標2ないし引用商標4は、いずれも、全体として「クレイジーシャツ」の称呼を生ずるほか、それぞれの構成中の「shirts」又は「SHIRTS」の文字部分が、指定商品との関係において、商品又はその品質を表示したものとして理解し認識されるものであり、「crazy」又は「CRAZY」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであるから、これより単に「クレイジー」の称呼をも生じ、「気が狂った」の観念を生ずるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「クレイジークラッシュ」と、引用商標1ないし引用商標4から生ずる「クレイジーシャツ」及び「クレージー」の称呼とは、「クラッシュ」と「シャツ」の音の差異、「クラッシュ」の音の有無という顕著な差異により、それぞれ明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは、それぞれの構成に照らし、外観上判然と区別し得る差異を有するものであり、本件商標が親しまれた既成の観念を有しない以上、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、使用商標がシャツに使用する商標として周知著名になっているとして証拠を提出している。確かに、提出に係る証拠によれば、使用商標が主にハワイにおいて使用され、使用商標を付した商品が我が国においても紹介されていることが認められるが、その使用の期間、範囲、規模、宣伝広告の事実等が必ずしも明らかでなく、該証拠をもって、使用商標が申立人の業務に係る商品について使用する商標として我が国の取引者、需要者間に広く認識されているとまではいうことができない。
そして、使用商標は、引用商標1ないし引用商標4とほぼ同一の構成からなるものであるところ、上記(1)のとおり、本件商標と引用商標1ないし引用商標4とは相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標と使用商標も相紛れるおそれのないものである。
そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者が使用商標を印象、連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同するおそれもないといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)商標法第4条第1項第16号該当性について
申立人は、本件商標が「粗い麻布」以外の素材で作られた商品について使用される場合には、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるとして、証拠(英和辞典の写し)を提出しているが、本件商標は、上記(1)のとおり、構成全体をもって一体不可分で、親しまれた既成の観念を有しない一種の造語として認識し把握されるものであるから、本件商標をその指定商品のいずれについて使用しても、商品の品質の誤認を生ずるおそれはないというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当するものではない。
(4)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同項第15号及び同項第16号のいずれにも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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